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Elementary Number Theory(初等整数論) cover

数学

数学

Elementary Number Theory(初等整数論)

David M. Burton

英語原題: Elementary Number Theory

整数論の最初の講義のための学部教科書で、古典的な理論を完全な証明、多数の例題、段階的な演習によって展開する。この分野を形づくった数学者たちについての歴史的な記述が全体を通じて置かれ、後半の章では理論を暗号などの応用や素数に関する現代的な問題と結びつける。

前提知識: 数学的帰納法を含む、証明についてのある程度の経験。抽象代数の知識は必要としない。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
number theorycongruencesprimesquadratic reciprocity教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Burton, D. M. (2011). Elementary Number Theory (7th ed.). McGraw-Hill.

章の要約

本書は16の章からなり、そのあとに雑題、付録(一般的な参考文献、推薦図書、表)、一部の問題の解答、索引が続く。いくつかの章は、その話題にゆかりのある数学者(ガウス、フェルマー、オイラー、メルセンヌ、ラグランジュ、フィボナッチ、ラマヌジャン)についての節で始まり、これが本書の歴史的な縦糸になっている。

第1章:予備知識

数学的帰納法と二項定理についての2つの節で、後の章で使う証明の技法と恒等式を準備する。

第2章:整数の整除性

初期の整数論についての節で始まり、除法の原理、最大公約数、ユークリッドの互除法を展開して、1次ディオファントス方程式で終わる。この主題の中心的な対象が初めて登場する章である。

第3章:素数とその分布

算術の基本定理、エラトステネスの篩、ゴールドバッハ予想を扱う。素数は合同式より先に扱われるので、後の章では因数分解をいつでも参照できる。

第4章:合同式の理論

カール・フリードリヒ・ガウスについての節のあと、合同式の基本的な性質、整数の2進表示と10進表示、1次合同式と中国剰余定理を述べる。続くフェルマー、オイラー、原始根、相互法則の各章は、いずれも合同式の理論に属している。

第5章:フェルマーの定理

ピエール・ド・フェルマーの節に始まり、フェルマーの小定理と擬素数、ウィルソンの定理、フェルマー–クライチク法による因数分解を扱う。

第6章:数論的関数

約数の和と個数、メビウスの反転公式、最大整数関数を論じ、暦への応用で締めくくる。

第7章:フェルマーの定理のオイラーによる一般化

レオンハルト・オイラーの節から、オイラーのφ関数、オイラーの定理、φ関数のさらなる性質へと進む。

第8章:原始根と指数

法 n に関する整数の位数、素数に対する原始根、原始根をもつ合成数、指数の理論を導入する。

第9章:平方剰余の相互法則

オイラーの規準、ルジャンドル記号とその性質、平方剰余の相互法則そのもの、合成数を法とする2次合同式を展開する。古典的な流れの到達点とされる授業も多い。

第10章:暗号入門

シーザー暗号から公開鍵暗号までをたどり、ナップサック暗号と、原始根の暗号への応用を扱う。3つの節からなる章なので、この話題を詳しく論じるというより紹介する位置づけである。

第11章:特別な形の数

マラン・メルセンヌから始まり、完全数、メルセンヌ素数、友愛数、フェルマー数を扱う。

第12章:ある種の非線形ディオファントス方程式

2つの節からなり、1つは特定の非線形ディオファントス方程式、もう1つはフェルマーの最終定理を扱う。

第13章:整数の平方和表示

ジョゼフ・ルイ・ラグランジュの節のあと、2つの平方数の和と、3つ以上の平方数の和を扱う。

第14章:フィボナッチ数

フィボナッチその人、フィボナッチ数列、フィボナッチ数に関するいくつかの恒等式を紹介する。

第15章:連分数

シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの節に始まり、有限連分数と無限連分数、ファレイ分数、ペル方程式を扱う。

第16章:最近の進展

概観の章である。ハーディ、ディクソン、エルデシュ、素数判定と因数分解、因数分解の応用としての遠隔コイン投げ、素数定理とゼータ関数を取り上げる。

主要概念

第1–3章:予備知識、整除性、素数

  • 数学的帰納法:冒頭で復習され、後の議論で用いられる証明の技法。
  • ユークリッドの互除法:最大公約数を求める方法で、1次ディオファントス方程式も解く。
  • 算術の基本定理:整数が素数の積に一意的に分解されること。

第4–5章:合同式とフェルマーの定理

  • 合同式:n を法とする算術で、1次合同式を系統的に解く。
  • 中国剰余定理:法の異なる複数の合同式を同時に解く。
  • フェルマーの小定理とウィルソンの定理:素数を法とするべき乗と階乗についての2つの古典的な結果。
  • 擬素数:フェルマー型の判定を通過する合成数で、この定理を素数判定と結びつける。

第6–8章:数論的関数、オイラーの定理、原始根

  • メビウスの反転公式:約数についての総和関数から元の関数を復元する方法。
  • オイラーのφ関数とオイラーの定理:n を法とする単数の個数を数え、フェルマーの定理を一般化する。
  • 原始根と指数:そのべき乗が n を法とするすべての単数をわたるような数と、それに基づく指数の理論。

第9–10章:平方剰余の相互法則と暗号

  • ルジャンドル記号と平方剰余の相互法則:ある数が素数を法として平方数かどうかを判定する道具。
  • 公開鍵暗号:古典的な暗号から現代的な方式への道筋で、ナップサック暗号が一例として挙げられる。

第11–16章:特別な話題

  • 完全数、メルセンヌ素数、フェルマー数:特別な形の数とそのつながり。
  • 平方和:どの整数が2つ、あるいはそれ以上の平方数の和で表せるか。
  • 連分数とペル方程式:実数の近似と、古典的なディオファントス方程式の解法。
  • 素数定理とゼータ関数:整数論の解析的な側面で、最後の節で初めて登場する。

批判的分析

長所

  • 構成に組み込まれた歴史的背景。 出版社の説明は、本書を古代から近年の研究に至る歴史を背景にした古典整数論の平易な解説と位置づけている。目次もそれを裏づけており、ガウス、フェルマー、オイラー、メルセンヌ、ラグランジュ、フィボナッチ、ラマヌジャンがそれぞれ節の見出しになり、第2章は初期の整数論から始まる。
  • 明快な古典的な主軸。 第2章から第9章は、整除性、素数、合同式、フェルマーとオイラー、原始根、平方剰余の相互法則へと一本の線をなして進む。標準的な授業を寄り道なしにたどることができ、後の章はそれぞれ別の話題を扱うので、関心に応じて選べる。
  • 後半の題材の幅広さ。 特別な数、平方和、フィボナッチ数、連分数、最近の進展の概観があり、中核を終えたあとの授業に多くの選択肢を与える。
  • 問題演習への支援。 巻末には雑題、表、一部の問題の解答、一般的な参考文献と推薦図書が付いており、学生は結果を確かめ、次に何を読むかを見つけられる。

短所

  • 古典的な範囲。 目次には代数的整数論は見当たらず、素数定理とゼータ関数は最終章の最後の節にしか現れない。代数的あるいは解析的整数論に進む学生には別の教科書が必要になる。
  • 暗号は簡潔。 暗号は、平方剰余の相互法則のあとに置かれた3節からなる1章だけである。暗号を中心に据える授業では、もっと早くから詳しく組み込んだ本が望ましい。
  • 解答は一部の問題のみ。 巻末に載るのはすべての問題ではなく一部の問題の解答なので、独習者が証明を確かめる手段は限られ、学習仲間や教員がいると助けになる。
  • 節数の少ない章。 いくつかの章は節が少なく、第12章は2節、第3章、第10章、第14章は各3節である。これらの話題を深く学びたい授業では補う必要があるだろう。

コースにおける位置づけ

このサイトの整数論の本のなかで、Burton は古典的な1学期用の教科書である。Silverman の A Friendly Introduction to Number Theory は高校の代数から出発して、実験し予想することを重視するので、より穏やかな最初の1冊になる。Robin Wilson の Number Theory: A Very Short Introduction は、短い証明と歴史を添えたコンパクトな案内で、本格的な授業に取りかかる前に全体像をつかみたい読者に向く。Burton は古典的なカリキュラムを本格的な分量で扱い、原始根と平方剰余の相互法則を経て、平方和や連分数といった後の章へ進む。

Kraft と Washington の An Introduction to Number Theory with Cryptography は、古典的な内容の多くを共有しつつ、暗号への応用を全体に織り込んでいるので、安全性と計算が目的ならば自然な代替になる。さらに高度な次の一歩としては、Hardy と Wright の An Introduction to the Theory of Numbers が初等的・解析的整数論の古典的な概説書であり、Ireland と Rosen の A Classical Introduction to Modern Number Theory は抽象代数を前提とし、相互法則、有限体上のゼータ関数、楕円曲線へと導く大学院向けの教科書である。

本書の使い方

出版社は、本書を数学専攻、中等教育専攻、計算機科学専攻の学生が履修する1学期の学部整数論の授業向けとしている。当サイトの前提条件の欄は、帰納法を含む証明の経験を挙げており、第1章では帰納法と二項定理が復習される。

初めて通読するための実用的な計画は次のとおりである。

  • 中核: 第2–5章と第7–9章、すなわち整除性から平方剰余の相互法則まで。第6章の数論的関数(とその暦への応用)は、時間に応じて扱うか省くかを決めればよい。
  • 関心に応じて選ぶ: 暗号は第10章、特別な数と平方和は第11章と第13章、連分数とペル方程式は第15章、素数判定と解析的方法の予告として第16章。
  • 歴史の節: 背景として読むとよい。結果の背後にいる人々を紹介しており、なぜその話題が授業にあるのかを知る手がかりになる。
  • 問題: 各節で計算問題と証明問題をバランスよく解き、巻末の一部の問題の解答と表で結果を確かめる。

読み終えてさらに学びたい読者は、本書の推薦図書を出発点にするか、上に挙げたより高度な教科書に進むとよい。