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ハムレット cover

文学

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ハムレット

William Shakespeare

英語原題: Hamlet

不確実性、演技、悲嘆、政治的正統性、そして思考を行動に移す苦闘を描くシェイクスピアの悲劇。

難易度レベル
上級
学術レベル
学部
シェイクスピア悲劇復讐演技政治修辞文学

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Shakespeare, W. (1998). Hamlet. Signet Classics. 戯曲本文の無料版:https://www.gutenberg.org/ebooks/1524

章の要約

『ハムレット』は、エルシノア城を舞台とする五幕の悲劇である。この作品には章がないため、以下の要約は幕と場に沿って進める。

第1幕:亡霊と命令

第1場は真夜中の城壁の上で、歩哨たちとホレイショーが亡き王の甲冑をまとった亡霊を目にする。ホレイショーは、ノルウェーの若きフォーティンブラスが、父がハムレットの父に奪われた領土を取り戻そうとしており、そのために国が軍備を整えているのだと説明する。第2場では、ガートルードと結婚した新王クローディアスが宮廷に語りかけ、ノルウェーへの使節派遣やレアティーズへの帰国許可といった国事を片づける。彼はまた、ハムレットに喪に服すのをやめ、ウィッテンベルクへ戻らずエルシノアにとどまるよう促す。一人になったハムレットは、母の早すぎる再婚への嫌悪を吐露する。そこへホレイショーが亡霊のことを知らせに来る。第3場では、レアティーズとポローニアスがオフィーリアに、ハムレットの求愛に気をつけるよう戒める。第4場と第5場では、亡霊がハムレットを連れ出し、クローディアスが耳に毒を注いで王を殺したと告げ、ガートルードには手を触れないよう命じたうえで復讐を求める。ハムレットは友人たちに沈黙を誓わせ、「奇矯な振る舞い」をするかもしれないと告げる。

第2幕:監視と試し

ポローニアスはレナルドーをパリへ送ってレアティーズを探らせ、オフィーリアはハムレットの乱れた様子を報告する。クローディアスとガートルードはローゼンクランツとギルデンスターンを呼び寄せてハムレットの変化の原因を探らせ、使節はノルウェー王がフォーティンブラスを抑えたと報告する。ポローニアスはハムレットの恋文から、かなわぬ恋が狂気の原因だと結論づける。ハムレットはポローニアスや旧友二人とのやりとりで機知と韜晦を見せる(「デンマークは牢獄だ」)。旅役者の一座が到着すると、ハムレットはピュロスとヘカベーの台詞を所望する。その後の独白で彼は自分の無為を責め、役者たちに父の殺害に似た劇を演じさせ、「王の良心を捕らえる」という計画を立てて終える。

第3幕:劇と祈り

第1場には「生きるべきか、死ぬべきか」の独白と、クローディアスとポローニアスが見張るなかでハムレットがオフィーリアに尼寺へ行けと告げる対決が置かれている。第2場は役者たちへの演技の助言で始まり、続いて宮廷の前で劇が上演される。クローディアスの反応を見て、ハムレットとホレイショーは彼の有罪を確信する。第3場では、一人になったクローディアスが罪を認めて祈ろうとする。ハムレットは跪く彼を見つけるが、今殺せば天国へ送ることになると考えて討たない。第4場は寝室の場面で、ハムレットはガートルードに詰め寄り、壁掛けの陰に隠れていたポローニアスを刺し、再び亡霊の訪問を受ける。

第4幕:追放と狂気

ハムレットは遺体を隠したため、クローディアスは護送つきで彼をイングランドへ送り出す。第4場でハムレットはフォーティンブラスの軍勢が、価値のないポーランドの一片の土地をめぐって進軍するのに出会い、自分の遅れについて再び独白する。狂気に陥ったオフィーリアは宮廷の前で歌い、レアティーズはフランスから戻って正義を要求する。ホレイショーのもとに、ハムレットが海賊に捕らえられたのち帰還することを伝える手紙が届く。クローディアスはレアティーズを説得し、刃を研いでいない毒付きの剣を使った剣術試合で父の仇を討たせようとする。ガートルードはオフィーリアの溺死を報告する。

第5幕:墓地と決闘

教会の墓地では、二人の墓掘りが冗談を言いながらオフィーリアの墓を掘り、ハムレットはヨリックの髑髏を手にホレイショーと死について思いをめぐらす。そこへ埋葬の行列が来て、ハムレットとレアティーズは墓のそばで取っ組み合う。第2場でハムレットは、イングランド宛ての命令書を開いて書き換え、ローゼンクランツとギルデンスターンを破滅させたいきさつをホレイショーに語り、「覚悟がすべてだ」と言ってレアティーズとの賭けを受ける。試合では、ガートルードが毒入りの杯を飲み、レアティーズとハムレットは毒の剣で互いを傷つけ、レアティーズが陰謀を明かす。ハムレットはクローディアスを討って息絶え、フォーティンブラスを後継者に指名する。フォーティンブラスが到着して実権を握り、ホレイショーは事の次第を語ると約束する。

主要概念

第1幕

  • 見かけと実際:ハムレットの「僕には『見かけ』などわからない」は、演じられた喪と実際に感じられる悲嘆とを分けている。
  • 亡霊の命令:復讐は死者から受けた義務として示されるが、亡霊が信頼できるかどうかは未解決のまま残る。
  • 奇矯な振る舞い:ハムレットは意図的に奇妙な行動をとるかもしれないと予告し、それが後の彼の行いを読みにくくしている。

第2・3幕

  • 探りと監視:ポローニアスがレナルドーに授ける策略、ハムレットとオフィーリアへの盗み聞き、寝室の場面に隠れた聞き手によって、観察が宮廷の主要な習慣になっている。
  • 試金石としての演劇:クローディアスの前で上演される劇は亡霊の話を確かめるためのものであり、ハムレットの役者への訓戒は、「自然に向かって鏡をかざす」演技を擁護している。
  • 遅延:ハムレットの自責と、祈りの最中のクローディアスを討たないという決断は、なぜ復讐が先延ばしにされるのかという問いを生む。

第4・5幕

  • 対照的な人物:フォーティンブラスとレアティーズはどちらも、ハムレットに欠けている決断力で行動し、劇は彼らを使ってハムレットを測る。
  • 死すべき運命:墓掘りとヨリックの髑髏が、復讐の筋を死そのものへと向け変える。
  • 摂理と覚悟:ハムレットが語る「われらの目的を形づくる神意」や「雀一羽の落ちるにも特別の摂理がある」という言葉は、計画から受容への変化を示している。

批判的分析

長所

  • 一つの劇、多くの問い。 本文は、遅延と心理を軸にした読み、演劇性を軸にした読み、政治と王位継承を軸にした読み、悲嘆を軸にした読みを、どれか一つを選ばせることなく許す。独白、劇中劇、役者への助言といった劇自身の仕掛けは、演劇がどう働くのかを読者に問いかけさせる。
  • 明快な劇の構造。 第1幕の亡霊の命令、第3幕の劇による試し、第4幕で先延ばしにされた帰結、そして最後の決闘が、言葉と思想が複雑さを増すなかでも読者がつかめる確かな筋を与える。
  • 組み込まれた比較。 父を殺されたレアティーズと、父をハムレットの父に殺されたフォーティンブラスは、どちらもハムレットにない直截さで父のための行動を起こす。そのため、劇そのものが、彼らの行いをハムレットのそれと比べるよう読者を促している。

短所

  • 難しい言葉。 この劇は初期近代英語の韻文と散文で書かれ、洒落や廃れた語が多い。注のない素の本文では、初めて読む人はつまずく。学習には注釈つきの版を使うのが現実的である。
  • 版による違い。 現代の版は、互いに異なる初期の印刷テクストから劇を組み立てているため、一部の箇所や行数は版ごとに異なる。引用は授業で使う版に基づくこと。
  • テクストであって上演ではない。 読むだけでは、クローディアスの祈りや寝室の場面のような重要な場面での演出、間合い、俳優の選択は見えない。録画や上演と組み合わせるのが望ましい。

コースにおける位置づけ

演劇のコースでは、『ハムレット』は主要な一次テクストであり、ほかの本はそれを読むための道具である。『Studying Plays』は、戯曲のテクストを上演の素材として分析する方法を、登場人物、台詞、筋、俳優の身体、劇場空間を通して教える入門書で、『ハムレット』が提起する問いに備える助けになる。『The Norton Anthology of Drama』は古代ギリシアから現代の舞台までの戯曲を完全な形で収めており、『ハムレット』を悲劇と演劇のより長い伝統のなかに位置づけるのに向いている。

背景を知るには、『The Cambridge Introduction to Theatre Studies』が演者、観客、空間を通して学問分野に迫り、理論と歴史記述へ進む。『Theatre Histories: An Introduction』は世界各地の文化にわたる演劇を扱い、マーヴィン・カールソンの『Theories of the Theatre』はアリストテレス以降の西洋の演劇論をたどる。ハムレット自身の役者への助言は演劇理論の短い一篇でもあるため、初読のあとにカールソンを読むのは自然な流れである。

本書の使い方

この戯曲は、特別な予備知識のない学部生や一般の読者にも向いているが、演劇やシェイクスピアの授業を受けていると助けになる。全文は約3万語で、数回に分けて読めるが、言葉は二度目のゆっくりした読みに応えてくれる。

実践的な進め方:まず第1幕を通読して状況をつかみ、次に独白(第1幕第2場、第2幕第2場、第3幕第1場、第4幕第4場)を声に出して読む。第3幕第2場と第3場は対にして読む。クローディアスへの確信が変わると、祈りの場面の読み方も変わるからである。第5幕第2場は、第4幕で立てられた計画の決着として扱う。誰が誰を探っているかの一覧を作り、ハムレットが行動する、ためらう、あるいは行動すると言う瞬間をすべて記録する。

注の確認には注釈つきの版を使い、少なくとも一場面は上演を観るか聴く。無料のグーテンベルク版は、台詞の検索や一行の確認には便利だが、通して読むには注釈つきの版のほうが向いている。

版と出典

本書の導読は、プロジェクト・グーテンベルクが公開している『ハムレット』(eBook #1524)、すなわちパブリックドメインの本文(https://www.gutenberg.org/ebooks/1524)を対象とする。引用欄に挙げたのは、このページに記載されているシグネット・クラシックス版であり、その版の序文と注は要約していない。各幕の筋を担う場面と台詞は、この本文で精読した。