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Introducing Psycholinguistics(心理言語学入門) cover

言語学

言語学

Introducing Psycholinguistics(心理言語学入門)

Paul Warren

英語原題: Introducing Psycholinguistics

Cambridge Introductions to Language and Linguistics シリーズに属する、人がどのように言語を産出し理解するかを扱う入門教科書。心理言語学の主要な問いと実験方法をわかりやすく説明し、要約、練習問題、読書案内によってこの分野を初めて学ぶ学生を助ける。

前提知識: 心理学の予備知識は不要だが、言語学入門を受けていると役立つ。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Warren, P. (2012). Introducing Psycholinguistics. Cambridge University Press.

章の要約

本書はCambridge Introductions to Language and Linguisticsシリーズの一冊で、1章あたりおよそ12〜24ページの全13章(本文234ページ)に、用語集、参考文献、索引が続く。序文が示す範囲は、成人の母語話者がどのようにして考えを発話に変え、聞いたり読んだりしたものから意味を引き出すのかであり、観察、実験、脳画像研究から得られた証拠を用いる。各章は主要用語の一覧と、その章で学ぶ内容の予告で始まり、要約、練習問題、解説付きの読書案内で終わる。前半が言語産出(第2〜6章)、後半が言語理解(第7〜12章)である。

第1章:序論

心理言語学という分野と本書全体の概観。冒頭では心的辞書(メンタル・レキシコン)をめぐる謎が示される。聞き手はsplundleのような造語を自分が知らない語だとほぼ瞬時に判断できるが、これは語の検索が一覧表を順にたどるような単純な探索ではありえないことを示している。

第2章:発話の計画

本書で最も長いこの章は、発話の組み立てに複数の段階の計画が関わることを示す。証拠となるのは、ポーズとためらい、言い誤り、そして文の文法構造が句読点よりも発音によってより豊かに示されるという事実である。

第3章:語を見つける

話し手が心的辞書から語を取り出す仕組み。ここでもポーズと言い誤りが証拠となる。語の検索は文脈の中でその語がどれほど起こりやすいかに左右され、ある種の誤りは同じ位置を争う候補どうしの競合を、別の誤りは意図した語と連想関係にある語の干渉を示す。

第4章:語を組み立てる

語彙化の第二段階として、記憶された形態的・音韻的構造(強勢、音節、音)から語の形を組み立て、その結果できた語より小さい単位の連なりを調音計画に変換する過程を扱う。言い誤りから、この過程のどこで不具合が起こるかが分かる。

第5章:モニタリングと修復

話し手が自分の出力を点検し、訂正する仕組み。修復には聞き手を助けるような構造があり、誤りの修復と不適切な言い回しの言い直しは異なることが示される。この種の証拠の多くを提供する、目的志向の発話課題も紹介される。

第6章:ジェスチャーの使用

この分野の入門書では珍しい章である。内容を付け加えるジェスチャーと会話を管理するジェスチャーを区別し、ジェスチャーを象徴的なもの、指示するもの、描写するものに分類する。さらに、ジェスチャーが聞き手だけでなく話し手も助けること、そして文化だけでなく言語によっても異なる理由を論じる。

第7章:言語のための知覚

言語理解への橋渡しとなる章。言語処理が依拠する視覚と聴覚の知覚技能、音声入力と文字入力が共通の問題を提起する点と異なる点、そして言語体系が知覚的手がかりの解釈をどう方向づけるかを扱う。言語習得研究の知見から、これらの技能がいかに早い時期に発達するかも示される。

第8章:音声単語認知

単語認知を一連の段階として捉える。音声入力と記憶された語の表象との接触、候補の活性化、そして一つの語の選択である。入力と文脈の両方が関わり、認知は語の頻度、最近の接触、他の語との類似性の影響を受ける。

第9章:視覚単語認知

単語を読む過程。認知に影響することが知られる要因を概観し、三つのタイプのモデルを比較し(音声単語認知のコホート・モデルとも対照させる)、文字から音への変換を論じ、読みの二重経路モデルを示す。さらに主なディスレクシア(読字障害)の類型を、読みに必要な技能についての証拠として用いる。

第10章:統語的文処理

読み手や聞き手が語の連なりにどのように構造を割り当てるか。機能語や文法的語尾が手助けとなり、選好された方略に基づく構文解析モデルが袋小路文(ガーデンパス文)を説明する。証拠は主に読み時間と眼球運動の研究から得られる。

第11章:文を解釈する

理解に用いられる統語以外の情報を扱う。もっともらしさ、特定の動詞などがどのような構造に現れやすいか、そして話し言葉の文の韻律である。最後に、それぞれの情報源がいつ用いられるかについて見解の異なる諸説を比較する。

第12章:つながりをつける

文を超えた理解。代名詞などの手段が先行する言及とどう結びつくか、聞き手がどう推論を行うか、話し手が情報を新しいものか既知のものかとしてどう標示するかを扱い、話し手がこうしたつながりをどう示すかにも一部触れる。

第13章:言語処理システムの構造

全体を振り返る章で、産出と理解(とくに語彙処理における)、音声処理と視覚処理、言語と他の知識体系を関係づけ、言語処理がモジュールに分かれて組織されているかどうかをめぐる対立する見解を示す。

主要概念

言語産出(第1〜6章)

  • 心的辞書(メンタル・レキシコン):話し手の記憶にある語の貯蔵庫。本書は、それが一覧表のようには検索できないことを示す。
  • 言い誤り:語の入れ替えなどの言い間違い。発話計画の段階を示す証拠として用いられる。
  • 語彙選択と語形の組み立て:語彙化の二段階。語を見つけ、次にその音の構造を組み立てる。
  • 自己モニタリングと修復:話し手が自分の出力を点検し、構造的なやり方で訂正すること。
  • 発話に伴うジェスチャー:内容を付け加えたり会話を管理したりし、聞き手だけでなく話し手も助けるジェスチャー。

言語理解(第7〜13章)

  • 読みの二重経路モデル:書かれた語は、綴りから音への変換によっても、語全体としても読まれうるという考え方。
  • 袋小路文(ガーデンパス文):最初に選ばれた構造が誤りだと分かる文。構文解析の方略を示す証拠となる。
  • 韻律:話し言葉の文の区切りとイントネーション。聞き手が割り当てる構造に影響する。
  • 旧情報と新情報:話し手が既知のものをどう標示し、聞き手がその標示をどう利用するか。
  • モジュール性:異なる種類の言語情報を別々の処理モジュールが扱うのかという問題。

批判的分析

長所

  • 心理学を学んでいない言語学の学生向け。 序文によれば、著者は言語学者であり、主に言語学の学生に向けて書いているため、心理学の予備知識は前提とせず、主要な言語学用語には説明がある。Moderna Språk誌(2013年)で本書を書評したÅsa Abelinは、初学者にも、言語学の学生の復習用テキストとしても役立つと評価している。
  • 短く、相互に結びついた章。 どの章も、主要用語、予告、要約、練習問題、解説付き読書案内という同じ構成をとる。Abelinは章どうしが前後に参照し合っている点を指摘しており、実際に第3、4、9、10、11章はいずれも、それまでの章で確認された内容を振り返るところから始まる。
  • 学生自身が試せる方法。 本書は、日常的な観察や簡単な実験でもこの分野に貢献できると論じる。Abelinは容認性テストや言い誤りの体系的な収集を例に挙げている。出版社の説明によれば、実験手法のオンライン・デモ、音声・動画ファイル、単語カードが用意されており、本書の余白に印で示されている。
  • 話し言葉の幅広い扱い。 Abelinが本書の公言された話し言葉重視と呼ぶ姿勢のとおり、産出に5章が割かれ、ジェスチャーとモニタリング・修復にそれぞれ独立した章がある。

短所

  • 成人母語話者の処理のみ。 序文は対象を成人の母語話者に限っているため、第一言語・第二言語の習得やバイリンガリズムには章がない。習得は第7章で知覚技能の早期発達を示す証拠として登場するだけである。習得を扱うコースでは、他の本で補う必要がある。
  • 言及にとどまる専門的事項。 Abelinは、言語学を学んでいない心理学の学生にも適しているという主張はやや言い過ぎだと判断している。統語樹やスペクトログラムなどが簡単に触れられるだけだからである。言語学入門の授業を受けていない読者は、それを並行して学ぶ必要がある。
  • 英語の例。 Abelinは、例が英語であるため、非母語話者を教える教師は学生の言語で同じ現象を示す例を用意する必要があると指摘している。
  • 韻律の扱いのむら。 話し言葉重視を掲げながら、音声学・音韻論を説明する箇所で韻律が必ずしも扱われていないとAbelinは見ている。韻律は主に第2章と第11章で扱われる。
  • 刊行年。 本書は2012年刊行で、改訂されていない。

コースにおける位置づけ

Warrenは成人の言語処理を学ぶ最初の教科書であり、第一言語習得を簡潔かつ専門用語を抑えて解説したWilliam O'GradyのHow Children Learn Languageと自然に組み合わせられる。この短い2冊で、コースの二つの柱を入門レベルで押さえられる。Warrenが産出と理解を、O'GradyがWarrenの扱わない発達を担う。

その次に来るのが、より広い範囲を扱う入門書である。Matthew TraxlerのIntroduction to PsycholinguisticsとJulie SedivyのLanguage in Mindは、習得を加えた幅広い教科書で、Traxlerはさらに言語システムの障害や神経科学的証拠も扱う。Warrenを読んだ学生には、産出、単語認知、文処理の章はなじみのある内容になるだろう。Trevor HarleyのThe Psychology of Languageは認知心理学の立場から書かれた研究重視の概説書で、あらゆるレベルで実験結果を対立するモデルと突き合わせ、バイリンガリズムや言語障害も扱う。Warrenの後により深く学ぶための本である。Eve ClarkのFirst Language Acquisitionは、使用基盤の立場から子どもの言語を扱う大学院レベルの本で、WarrenではなくO'Gradyの後に読むべきものである。

本書の使い方

本書は、心理言語学の最初の授業を受ける言語学や英語学の学部生、そしてある程度言語学を学んだ心理学の学生に向いている。序文は心理学の知識を求めていないが、音声学、形態論、統語論の基礎があると第4、7、10章が理解しやすい。

読み進め方の例:

  • まず第1章を読み、次に産出の部(第2〜5章)を順に読む。各章は第2章で導入された言い誤りの証拠の上に成り立っているからである。ジェスチャーの第6章は第2章以降ならどこで読んでもよく、マルチモーダルなコミュニケーションを扱う授業に回してもよい。
  • 理解の部:第7章を第8・9章より先に読む。両章は第7章を土台にしている。第10章と第11章は文に関する一組の章で、第12章は理解を談話へと広げる。
  • 最後に第13章を読む。 本書全体の復習として試験前に役立つ。
  • 理解だけを扱う授業では、第1、2章と第7〜13章を読む。

各章冒頭の予告をチェックリストとして使い、読み終えた後にそれに照らして自分を確かめるとよい。練習問題に取り組み、オンライン・デモは対応する章と一緒に使う。Abelinが述べるように、デモはそれぞれが何を示しているのかを教師が説明すると最も効果がある。本書が紹介する簡単な方法を一つ試してみるのもよい。たとえば、1週間に耳にした言い誤りを記録し、第2〜4章の分類を使って整理してみることである。