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法の抵触 cover

法学

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法の抵触

Adrian Briggs

英語原題: The Conflict of Laws

Clarendon Law Series に属する、外国要素を含む事件をイングランドの裁判所がどう扱うかを概観した簡潔な書。裁判管轄、外国判決、契約上・契約外債務の準拠法、財産、人、法人を扱い、EU規則とブレグジットにも目を配る。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
法の抵触国際私法管轄権法選択外国判決国境を越えた訴訟

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Briggs, A. (2019). The Conflict of Laws (4th ed.). Oxford University Press (Clarendon Law Series).

章の要約

背景と主張

本書は Clarendon Law Series の短い概説書で、外国的要素を含む事件をイングランドの裁判所がどう扱うかを述べる。すなわち、裁判所が管轄権を持つか、どの国の法が適用されるか、外国判決にどのような効果があるかである。全9章、約350ページである。第4版はブレグジットの条件がまだわからない時期に書かれ、著者はその後にこの分野がとりうるいくつかの姿を述べている。

本書には二つの編成上の選択がある。一つは実用的であり、抽象的な理論を避けることである。この分野の理論は、現実の紛争に適用される立法と判例のなかにあるという考えによる。もう一つは、この分野がいまやヨーロッパ法の周縁にコモン・ローがあるものとして理解されなければならず、コモン・ローにヨーロッパの影響がいくらか及んだものとは理解されないことを反映して、資料を並べ替えたことである。移行期間の終了後に本書を使う読者は、この点に留意すべきである。

第1章:序論

この章は、この分野の性質を説明し、国際私法をコモン・ローとして扱い、そのうえでそれをヨーロッパ法の問題にした立法を示す。本書全体で用いられる三部構成、つまり管轄権、準拠法、外国判決の枠組みを設定する。

第2章:管轄権

この章は、管轄権という語の複数の意味を区別することから始め、次に規則による管轄権の規定をまず概要で、続いて詳細に取り上げ、最後に規則が適用されない場合に適用されるコモン・ロー上の規則を扱う。最も長い章で、80ページを超える。

第3章:外国判決

外国判決の承認と執行を扱う。ブリュッセルI規則に基づく登録、旧来の1920年法と1933年法、そしてコモン・ローにおける世界のその他の地域からの判決の間接的効果が論じられる。

第4章:法廷地法

この短い章は、法廷地が自ら決める事項、すなわち手続、刑事・租税その他の公法の排除、外国法の適用を拒む根拠としての公序を扱う。

第5章:契約債務

契約の準拠法選択を紹介し、ローマI規則を詳しく説明し、2009年12月18日より前に締結された契約に適用される異なる規則を説明する。

第6章:契約外債務

前章と並行して、ローマII規則と、それが適用されない契約外債務になお適用される規則を扱う。

第7章:財産

不動産と動産、差押えと没収による権原、信託、そして属人的地位と財産権との関係を扱う。

第8章:人

成人と子どもを扱う。子どもに関する法の説明は意図的に概要にとどめられている。この領域は短い概説書で扱うには複雑になりすぎたためである。

第9章:法人

法人の国際私法についての短い一章で、索引が続く。

主要概念

第1〜3章

  • 国際私法の三つの問い:管轄権、準拠法、外国判決の効果。
  • 規則による管轄権とコモン・ロー上の管轄権:ヨーロッパの法文書に基づく規則と、その法文書が適用されない場合に適用される従来のイングランドの規則。
  • 承認と執行:外国判決がいつ、どのような手続で効力を与えられるか。

第4〜6章

  • 法廷地法:手続を支配し、外国法の適用を制限する法廷地の法。
  • 公序:外国の規則の適用を拒む根拠。
  • ローマIとローマII:契約債務と契約外債務の準拠法を選択する規則。

第7〜9章

  • 財産と信託:動産、不動産、信託の抵触法上の扱い。
  • 属人的地位:成人と子どもに関する規則。
  • 法人:会社の地位と内部事項に適用される法。

批判的分析

長所

  • 詳細より先に構造を示す。 出版社は、判例と立法の量がこの分野の構造を見えにくくしがちであるため、その基礎にある原理を明快かつ一貫して説明することが狙いだと述べている。より大きなテキストで混乱した学生は、本書を使ってこの分野の形をつかめる。
  • 簡潔。 財産、人、法人を含むイングランド国際私法の全体を約350ページで扱う。
  • 立法の層が明確。 資料が規則と、それを補うコモン・ロー上の規則を中心に編成されているので、どの状況でどの規則が適用されるかがわかる。
  • ブレグジットを意識している。 何が変わりうるかを述べようとしており、新しい枠組みの前の状況の記録として有用である。

短所

  • 2019年のスナップショット。 本文は英国がEUを離脱し、ルガノ条約への加入を申請する前に準備された。移行期間終了後の管轄権、準拠法、判決承認の現状については、より新しい資料が必要である。
  • 理論と政策には薄い。 著者は抽象的な理論に取り組まないことを選んでいる。この分野の性質をめぐる議論を求める読者は、他の書を参照すべきである。
  • 一部の領域は簡略。 子どもに関する法は概要にとどまり、細部が問題になる場面では実務書の代わりにはならない。
  • イングランド・ウェールズのみ。 他の法体系は付随的にしか扱わない。

コースにおける位置づけ

本書はこのコースでは短めの書である。マクリーンが編集する現在の『Morris: The Conflict of Laws』も、イングランドの裁判所で適用される国際私法を扱う学生向けの教科書である。ハートリーの『International Commercial Litigation』は、商事紛争に焦点を当て、イングランド法とEU法を他の法体系と比較する、解説・判例・資料の書である。『Cheshire, North and Fawcett: Private International Law』は長い伝統を持つイングランドの体系書で、深く調べるときに参照する。ブリッグス自身の『Private International Law in English Courts』は、より大きな単著の体系書で、第2版はブレグジット後の状況に合わせて組み替えられた。

順序としては、まず本書でこの分野の地図をつかみ、次にモリスまたはハートリーで授業に取り組み、正確な答えが必要になったときに大きな体系書を使うのがよい。ブレグジット後の法については、著者の後の体系書か最新の教科書を併用する。

本書の使い方

国際私法を初めて学ぶ法学生、およびこの分野の構造を復習したい実務家に向いている。イングランドの契約法、不法行為法、財産法の基礎と、イングランドの裁判所の仕組みに慣れていると役立つ。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 第1章と第2章の前半を読んで、枠組みと用語を押さえる。
  • 残りは与えられた順に読む。 管轄権、外国判決、準拠法は互いに積み重なる。第5章と第6章は併せて読むのがよい。
  • 第7章から第9章は、自分のコースが扱うテーマの参照資料として扱う。
  • 現行法を確認する。 各章について、論じられている規則のうちどれがイングランド・ウェールズでなお適用されるかを問い、それに代わる規則を調べる。