01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Briggs, A. (2023). Private International Law in English Courts (2nd ed.). Oxford University Press.
章の要約
第2版は12章で、約950ページである。初版(2014年)は、国際私法を、イングランド法と欧州法が混ざり合った混成の制度として再述した。出版社によれば、英国のEU離脱と、EUが英国のルガノ条約加入を認めなかったことにより、本書の大きな構造は「根本的な変更が必要」になった。本文は、2016年の国民投票の約6年後の法を記述している。Conflict of Laws ブログのある書評者は、欧州の資料の一部が歴史的背景または保持されたEU法の記述として残され、別の部分はほぼ全面的に書き直されたと述べている。12章は、総論的な土台、この分野の三つの問い(裁判管轄、準拠法、外国判決)、そして分野別の章に分かれる。
第1–2章:Introduction;Tools and Techniques
冒頭の2章は序論と「道具と技法」で、この分野の三つの中心的な問いの前に置かれている。後の章が依拠する概念と方法は、ここから始まる。
第3章:Jurisdiction
イングランドの裁判所の裁判管轄を扱う章。書評者は、これがほぼ全面的に書き直す必要があった章であるとして、現行の規則を「a corpus iuris which is a shambles」(めちゃくちゃな法体系)、「a mess in urgent need of reform」(早急な改革が必要な混乱)とする著者の言葉を引いている。
第4章:Ancillary Measures
付随的措置を扱い、裁判管轄の直後に置かれる。
第5章:Foreign Judgments
外国判決の承認と執行。裁判管轄、準拠法に続く、国際私法の三つ目の主要な問いである。
第6–7章:Contractual Obligations;Non-Contractual Obligations
準拠法の章。書評者によれば、ローマI規則とローマII規則は、いまでは保持されたEU法として、「重要な留保つきで」記述されている。
第8–9章:Property;Corporations
二つの分野別の章。財産と会社である。
第10–12章:Adults;Children;Arbitration
最後の3章の題は、成人、子ども、仲裁であり、仲裁が本書を締めくくる。
主要概念
土台(第1–2章)
- 道具と技法:この分野の方法。第2章の主題。
- ブレグジット後の状況:出版社によるこの版の位置づけ。
三つの問い(第3–7章)
- イングランドの裁判所の裁判管轄:第3章。
- 付随的措置:第4章。
- 外国判決:第5章。
- 契約上の債務と契約外の債務:第6、7章。
- 保持されたEU法:書評者によれば、ブレグジット後のローマ規則の地位。
分野別(第8–12章)
- 財産と会社:第8、9章。
- 成人と子ども:第10、11章。
- 仲裁:第12章。
批判的分析
長所
- **単独の著者による論証的な叙述。**出版社は、40年以上の経験を持つ研究者で実務弁護士でもある著者による、イングランドの裁判所における国際私法の規則の再述と説明している。Conflict of Laws の書評者は、複雑な概念を明晰に、しかも文体の魅力をもって示す著者の稀な能力を称えている。
- **新しい法への批判的分析。**出版社によれば、本書はブレグジットがもたらした変化を評価し、ブレグジット前の法的推論をどこまで再考する必要があるかを検討する。書評者は、全体像に見える一貫性は、残されたものを繕う著者の腕前を示すものだと述べる。
- **実務への指針。**出版社は、分析が訴訟の前にも最中にも関連すると述べており、学習にも国境を越える実務にも役立つ。
- **明快な主題の順序。**章の順序は、裁判管轄から付随的措置と判決を経て準拠法へ、さらに分野別へと進み、どの問いも予想される位置で見つかる。
短所
- **変更の代償。**書評者は、初版と第2版の間で、欧州法の多くだけでなく段落番号も失われたことを惜しんでおり、二つの版の相互参照が難しくなっている。
- **教科書ではなく専門書。**本書はイングランド法の再述であり批評である。想定される読者は、すでにこの分野を知っている人である。出版社が想定するのは研究者と訴訟実務家である。抵触法を学んだことのない読者は、先に別の教科書が必要になる。
- **変動する法。**出版社は、法が以前の一貫性をいくらか失い、粗い部分を滑らかにできるかどうかは時間だけが教えてくれると述べている。したがって、この版の脱稿後の展開は別に確認する必要がある。
- **分量。**約950ページで、単独の著者の声で書かれており、主題ごとに参照するのが向いている。
コースにおける位置づけ
抵触法の書目の中で、The Conflict of Laws は、裁判管轄、準拠法、承認と執行を扱う学部向けの入門書である。Morris: The Conflict of Laws はイングランドの裁判所の伝統に沿った学生向け教科書で、授業の主教材に適している。Cheshire, North & Fawcett: Private International Law は、家族法、財産、相続も扱う長い歴史を持つ複数著者の専門書で、より包括的な参考書である。Hartley の International Commercial Litigation は商事分野の判例・資料型の教材で、イングランド法とEU法を、アメリカおよび英連邦の取り組みと比較する。
Briggs の本は単独著者による論証的な専門書で、Cheshire の複数著者による参考書とは異なり、ブレグジット後のイングランドの裁判所で規則がどう機能し、ときにどう機能しないかに集中している。この分野の基本構造が分かってから読むとよい。
本書の使い方
本書は、国際私法や国際訴訟の大学院生、抵触法について書く上級の学部生、国境を越える紛争を扱う実務家に向く。想定される出発点は、抵触法の授業を修了していることである。
実用的な読み方:
- **中核:**考え方とイングランドの裁判所の裁判管轄のための第1–3章、そして外国判決と準拠法のための第5–7章。
- **次に:**授業が暫定的・補助的な救済に進んだら、第4章。
- **授業計画に応じて:**財産、会社、家族事項、仲裁を扱う第8–12章。
- **読み方の工夫:**裁判管轄の章は、著者の批判的コメントを念頭に読み、教科書の説明と比較する。初版はEUの法文書を軸に構成されているので、二つの版の段落番号を混用しない。
