01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Stearns, P. N. (2026). The Industrial Revolution in World History (6th ed.). Routledge.
章の要約
第6版は3部にわたる19章と、その後に置かれた参考文献案内からなり、約300ページ、白黒図版21点を含む。出版社の紹介によれば、本書は、産業革命の始動を助けた国際的要因、その世界的な広がり、そして18世紀末から現在に至るその影響を扱う。西洋の外、すなわちインド、中東、アフリカにも目を向け、この版ではさらにラテンアメリカ経済と中国、そしてこれらの地域すべてにおける環境への影響が加えられている。
第1章:序論:産業革命を定義する
冒頭の章は、産業革命とは何を指すのかを示し、本書の残りの部分はそれを三つの局面に沿ってたどっていく。
第I部:第一局面、1760–1880年:西洋の優位、世界的な文脈と世界的な結果(第2–6章)
第I部はイギリスから始まる。第2章「イギリスの革命:新しい工程と経済の変容」は新しい工程とそれがもたらした経済の変化を扱い、第3章「新たな原因:産業革命はなぜ起こり、なぜ18世紀のイギリスで起こったのか」は原因の問題を取り上げる。第4章「西洋社会における産業革命」は西洋社会全体での工業化を扱い、第5章「産業革命の社会的影響」は社会への帰結に向かう。第6章「世界経済への影響」は、「世界的な文脈と世界的な結果」という部の題にあるとおり、工業化を世界的な枠組みの中に置いてこの部を閉じる。
第II部:第二局面、1880–1950年:国際的な顔ぶれの変化(第7–11章)
第II部は新しい工業国を登場させる。第7章「産業革命は様相を変える、1880–1950年」はこの時期の導入であり、第8章と第9章はロシアと日本に充てられている。第10章「西洋社会の新たな展開:第二の革命か? 工業経済の再定義」は、この局面で西洋の工業経済が再定義されたのかを問い、第11章「国際的文脈における産業革命」は、新たに加わった工業国を国際的な場面の中に位置づける。
第III部:第三局面、1950年–現在:世界的な強まり(第12–19章)
第III部は1950年以降の時期を扱う。第12章は「現代世界における産業革命」、第13章「新たな産業革命:国際収支を変える」は、新たな産業革命が国際的な均衡をどう変えたかを考える。第14章「中国の突破:もう一つの大きな産業革命」は中国に独立の章を与え、第15章は先進工業経済が「もう一つの革命」を経験しつつあるのかを問う。第16章「グローバル化、進歩、搾取:新しい世界経済」、第17章「世界の産業と環境」、第18章「工業世界の混乱と新たな方向」は、世界経済、環境への影響、そして最近の混乱を扱う。出版社によれば、この版では、グローバル化の経済的側面と西洋の製造業の衰退をめぐる2008年以降の緊張、および人工知能の含意を扱う新しい章が加えられている。第19章「結論:進行中の過程としての工業化」で議論は閉じられ、第20章「参考文献案内」は読書案内で、出版社によれば更新されている。
主要概念
第1–6章:第一局面
- 産業革命の定義:第1章で取り上げられる定義の問題。
- 産業革命の原因:第3章での、なぜそれが起こり、なぜ18世紀のイギリスで起こったのかをめぐる議論。
- 社会的影響:第5章で扱われる社会への影響。
- 世界経済への影響:第6章で論じられる世界的な帰結。
第7–11章:第二局面
- 国際的な顔ぶれの変化:ロシアと日本が工業社会として登場すること。それぞれに1章が充てられる。
- 第二の革命:1880年以降に西洋の工業経済が再定義されたのかという、第10章の問い。
第12–20章:第三局面
- 新たな産業革命:第13章の主題で、続く第14章で中国の突破が扱われる。
- グローバル化、進歩、搾取:新しい世界経済を論じる第16章の題に並ぶ三つの語。
- 産業と環境:第17章の主題。出版社によれば、この版は各地域の環境への影響にまで拡張されている。
- 進行中の過程としての工業化:第19章の結論の立場。
批判的分析
長所
- 冒頭から示される世界的な枠組み。 出版社は、本書が産業革命の分析を西洋の外、インド、中東、アフリカに広げ、ラテンアメリカと中国をより多く扱っていると述べる。目次もこれを裏づけ、ロシア、日本、中国にそれぞれ独立の章を与え、世界経済についての章を第一局面の中に置いている。
- 明快な三局面の構成。 三つの部(1760–1880年、1880–1950年、1950年以降)は、各国や各主題を時間の中に位置づける手がかりとなり、部の題が各局面の主題を示している。
- 議論が本の中に組み込まれている。 出版社によれば、この版には、読者が自分の分析において多様性や異なる視点を考えるよう促す囲み記事の議論欄があり、第3章は原因をめぐる議論に充てられている。
- 現在まで更新されている。 出版社は、この版を改訂して現在まで引き上げたものと述べ、2008年以降の緊張と人工知能を扱う新しい章が加えられている。
短所
- 目次から見る地域の扱いの不均等。 名前を冠した章があるのはイギリス、ロシア、日本、中国だけである。出版社が含まれていると述べるインド、中東、アフリカ、ラテンアメリカは、より広い章の中で探す必要がある。
- 叙述であり、計量的な扱いではない。 章題は、過程、社会的影響、国際関係を示している。モデルやデータ、成長の統計的な比較を求める読者は、別の本が必要になる。
- 範囲の割に短い。 約300ページで2世紀以上と多くの地域を扱うので、各事例は簡潔に示される。目次の最後の「参考文献案内」が、詳細への道筋になる。
コースにおける位置づけ
経済史・社会史のコースの書目の中で、Stearns はグローバルな、叙述的な工業化の記述である。Robert Allen の Global Economic History: A Very Short Introduction は、簡単な経済学的推論を用いて、1500年以後になぜ世界の一部が豊かになったのかを問う、より短い本であり、Stearns の前に読む最初の一冊として適している。Persson、Sharp、Lampe の An Economic History of Europe はヨーロッパの証拠に経済理論を適用しており、ヨーロッパにおける成長のメカニズムを知るにはこちらがよい。比較的でグローバルな全体像と社会史には Stearns がよい。
さらに難しい2冊が、Stearns の章が提起する主題を扱っている。Kenneth Pomeranz の The Great Divergence は、なぜ中国の先進地域ではなく西ヨーロッパが最初に工業化したのかを論じる比較研究で、原因を扱う第3章のあとに読める。E. P. Thompson の The Making of the English Working Class は、1780年から1832年ごろのイングランドにおける階級形成の詳細な記述であり、第4章と第5章に深みを加える。
本書の使い方
出版社は本書を世界史と経済学を学ぶ学生にとって必読書と位置づけており、グローバルな記述を求める経済史・社会史のコースに適している。出版社は前提知識を示していないが、世界史の一般的な授業を履修していると取りかかりやすい。
実際の進め方の例:
- 中心: 第1–6章。対象を定義し、イギリスの事例とその原因を説明し、その社会的・世界的影響をたどる。
- 関心に応じて: ロシア、日本、19世紀末から20世紀初めを学ぶなら第II部(第7–11章)、中国、グローバル化、環境を含む過去70年の歴史を知りたいなら第III部(第12–19章)。
- 全体を通して: 囲み記事の議論を、競合する説明の比較に使い、第20章の参考文献案内を専門的な研究に進む手がかりとして使う。
なぜイギリスが先行したのか、後発国はどう違ったのか、1950年代以降に何が変わったのかなど、具体的な問いを持って読み、部の題で三つの局面を区別するとよい。
