01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Briggs, A., Burke, P., & Ytreberg, E. (2020). A Social History of the Media (4th ed.). Polity.
章の要約
第4版は約360ページで、8つの章、年表、参考文献案内、索引から成り、その前に図版一覧と序文が置かれている。出版社は本書を、コミュニケーション・メディアと、それらが生まれ時とともに変化した社会的・文化的文脈についての古典的な概観と説明している。その立場は、技術決定論を避け、単純な進化的進歩を前提とせず、メディアの豊かで多様な歴史を浮かび上がらせることである。この版は全体にわたって改訂され、序論が拡充され、21世紀を扱う新しい第8章が加えられた。
第1章:Introduction
序論はメディア史研究の枠組みを示す。この版では、今日のメディア史研究を支える幅広い二次文献と理論を探る形に拡充されており、後の章が前提とする語彙と論争に出会う場となっている。
第2章:Printing in its Contexts
最初の歴史の章は印刷を扱い、それを文脈の中に置く。これは、技術を自立した原因として扱うことを拒む本書の立場に合う。グーテンベルクの時代における本書の出発点である。
第3章:The Media and the Public Sphere in Early Modern Europe
この章は、近世ヨーロッパのメディアを、公共圏、すなわち公開の議論と世論の場との関係で扱う。その後に産業の時代が続く。
第4〜7章:Technologies and Revolutions; New Processes and Patterns; Information, Education, Entertainment; Media Convergences
本書の中ほどは、技術とそれに結びつく革命から、コミュニケーションの新しい過程とパターンへと進む。次に、情報・教育・娯楽という三つの大きな機能の下に素材を整理し、かつては別々だったメディアの収斂でこの部分を閉じる。
第8章:The Return of the Social
新しい章は、21世紀の革命的なメディアの発展、とりわけソーシャル・メディアと参加型メディアの台頭と、これらの技術が社会生活と私生活のあらゆる領域に浸透していることを概観する。
主要概念
第1〜3章:枠組みと初期の印刷
- メディアの社会史:コミュニケーション・メディアを、それが生まれ変化した社会的・文化的文脈の中で研究すること。
- 文脈の中の印刷:印刷を、変化の単一の原因ではなく、その置かれた状況を通して理解すること。
- 公共圏:近世のメディアがつくり出す助けとなった公開の議論の場。
第4〜8章:後のメディア史
- 技術決定論:技術だけが社会変化を推進するという、本書が避けようとする見方。
- メディアの収斂:かつて別々だったメディアが合流すること。
- ソーシャル・メディアと参加型メディア:新しい第8章の21世紀における焦点。
- 情報・教育・娯楽:第6章を整理する三つの機能。
批判的分析
長所
- 一冊で長い時間幅。 章はグーテンベルクの時代から21世紀に及ぶので、中程度の分量の一冊でメディアの変化をたどれる。
- 明示された分析的立場。 出版社によれば、本書は技術決定論を避け、単純な進化的進歩を退けており、発明の年表以上の一貫した論旨を与えている。
- 現在に向けた改訂。 第4版は先行するテキストを全体にわたって更新し、序論を拡充して最近の研究を取り込み、ソーシャル・メディアと参加型メディアについての新しい章を加えた。
- 確立された評価。 出版社は本書を、4つの版を重ねた古典と呼んでいる。
- 参照のための仕組み。 年表と参考文献案内が、全体の把握とさらなる学習に役立つ。
短所
- 広大な主題に対して短い本。 約360ページ、8章という分量では、物語の各段階の扱いは簡潔で、深く知るには参考文献を読む必要がある。
- 初期の章のヨーロッパ中心の枠組み。 第3章の題名は主題を近世ヨーロッパに限定しており、他の地域に関心のある読者には別の本が必要である。
- 最新の部分は最も早く古くなる。 新しい第8章はソーシャル・メディアと参加型メディアを扱い、その変化は先行する歴史の章よりも速い。
- 版の混乱。 本書は、著者、最終章、副題の異なる複数の版で刊行されてきたので、図書館や授業計画がどの版を使うかを確認する必要がある。
コースにおける位置づけ
経済・社会史のコースの中で、本書はコミュニケーションとメディアについての本である。リストにある経済史・産業史の書と併せて読める。Persson・Sharp・Lampeの An Economic History of Europe とStearnsの The Industrial Revolution in World History は中間の章に経済と産業の背景を与え、Allenの Global Economic History: A Very Short Introduction は世界全体の短い概観である。Thompsonの The Making of the English Working Class はイングランドにおける階級形成の古典的研究であり、Pomeranzの The Great Divergence はヨーロッパと中国の比較研究である。Briggs・Burke・Ytrebergの本は、より取り付きやすく、この組の中でコミュニケーションを中心に据える唯一の本なので、情報が物や労働とともにどう動いたかを知りたい読者にとって、最初の一冊または補完として適している。
本書の使い方
出版社は本書をメディア史の学生と研究者にとっての第一の選択肢として紹介しており、メディア研究の専門的な予備知識は必要ない。物語として通読できる。
実際的な順序は、序論、次に印刷と近世の公共圏として第2、3章、後の歴史として第4〜7章、そして21世紀として第8章である。現在に主に関心のある読者は、序論と第7、8章を先に読み、背景のために前の章に戻ってもよい。年表は出来事の年代の確認に役立ち、参考文献案内は各時代のより深い研究へ導く。
どの版かを確認すること。2020年の第4版はソーシャル・メディアと参加型メディアの章で終わるが、第3版(2009年)は「In and Out of Cyberspace」と題する章で終わる。
