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Making Maps: A Visual Guide to Map Design for GIS(GISのための地図デザイン入門) cover

地理学

地理学

Making Maps: A Visual Guide to Map Design for GIS(GISのための地図デザイン入門)

John Krygier; Denis Wood

英語原題: Making Maps: A Visual Guide to Map Design for GIS

GISソフトで地図を作るものの、地図学の訓練をほとんど受けていない人のために書かれた、図版中心の地図デザインの手引き。各トピックは見開きの短い解説と作例で示され、あらゆるデザイン上の判断を地図の目的と読み手に結びつけて説明する。

前提知識: 特になし。GISソフトに少し触れたことがあると理解しやすいが、必須ではない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
cartographymap designgisdata visualizationsymbolization教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Krygier, J., & Wood, D. (2024). Making Maps: A Visual Guide to Map Design for GIS (4th ed.). Guilford Press.

章の要約

第4版は約300ページ、12章からなり、地図製作者が判断を迫られる順序、すなわち目的、データ、道具、地理的枠組み、デザイン、色と文字、そして最後に総描と記号化の順に並んでいる。各ページは、地図や図版のまわりに短い文章ブロックを配した見開きとして構成されている。計画された道路に反対するために地図をつくる二人の隣人を描いた絵物語(「グラフィック・ノヴェラ」)が章のあいだに挟まれ、The Flight of Voyager という一枚の地図が多くの章で描き直されてデザイン上の選択の効果を示す。各章は、地図にまつわる引用のページと読書案内のページで終わる。第3版と比べると、色と文字の章が本の中ほどに移り、記号化と抽象化の章が最後に置かれるようになった。

第1章:地図のつくり方

冒頭の章は、本書全体を構成する地図製作のプロセスを示す。この版で新たに加わった節では、フェミニスト・データ可視化の原則と、先住民のデータ主権と地図製作の原則が示されている。

第2章:その地図は何のため?

地図の目的と読者が、その後のあらゆる選択の出発点として扱われる。この章は紙の地図とデジタルの地図を比較し(今回はモバイル端末の画面サイズも含む)、画面上で地図を操作することと、視覚的ストーリーテリングについての新しいページを加えている。

第3章:地図化できるデータ

地図のもとになるデータを扱う章である。この版では、データの集計と、選挙区の区割り・区割り変更についての記述が加わり、地図とゲリマンダーへの新たな関心と結びついている。

第4章:地図製作の道具

この章は、地図をつくる理由が道具を決めるという主張から始まり、ジャック・ケルアックが『路上』のために描いた鉛筆の地図をその例とする。コンピュータを使わない地図製作の部分では、鉛筆と紙によるスケッチマップ、地域社会でのスケッチマップ、そして HIV 患者の出身地と感染した場所を地図にしてパターンを見いだした医師が取り上げられる。コンピュータによる地図製作の部分では、関わるソフトウェアの種類(GIS、リモートセンシング、GPS、ウェブ地図、ブリッジソフト、グラフィックデザインソフト、プログラミング言語)をオープンソースと商用の例を挙げて概観し、議論フォーラムや学会を列挙する。新しい節では、計画から記録までのワークフローを、米国の郡別信用スコア地図を描き直す作業例(データ探しから印刷所へのファイル送付まで)とともに扱い、さらに人工知能を ChatGPT とのやりとりを通じて紹介し、デザイナーが創造的な主導権を保つべきだと注意を促す。

第5章:地理的枠組み

この章は、地図投影法、ひずみ、ジオイド、楕円体、測地系を、ティソーの指示楕円と投影法どうしの比較を用いて扱う。Cartographic Perspectives 誌の書評は、図と説明の明快さからこの章を特に高く評価している。

第6〜7章:地図デザインの全体像/地図デザインの内部構造

二つの章が地図デザインを扱い、まず全体像を、次にその内部の仕組みを取り上げる。第7章には視覚的な差異を可視化する節(文字の大きさ、記号の区別、暗い背景上の明るい記号とその逆)があり、ほとんど同じ黒い記号で描いた Voyager の地図を、視覚的階層がないと何が起こるかの例として示す。

第8〜9章:地図の色/地図の文字

色と文字は今や本の中ほどに置かれている。書評者の推測によれば、地図製作の順序における位置を反映するためである。以前は色の章にあった視覚変数のページは削除された。

第10章:地図の総描と分類

章題がその二つの主題を示している。地理的な細部を単純化することと、データを階級に分けることである。

第11〜12章:地図の記号化/地図記号の抽象化

最後の二章は、データを地図記号に変える方法を扱う。この版では、図形表現図(大きさの異なる記号による地図)が追加・拡充され、最終章ではカルトグラム、多変量の階級区分図、等値線(面)図が加わり、フルカラーの例も増えている。

主要概念

第1〜3章:地図のつくり方/その地図は何のため?/地図化できるデータ

  • 地図製作のプロセス:目的から記号化に至る判断の順序で、本書の構成そのものとなっている。
  • 目的と読者:地図をつくる理由とそれを読む人々で、あらゆるデザイン上の選択を導く。
  • 先住民のデータ主権:先住民が自らの共同体と土地に関するデータを管理するという原則で、この版で新たに地図製作に適用されている。
  • 集計と区割り:選挙区を含む面的な単位にデータをまとめることが、地図の示す内容を左右すること。

第4〜5章:地図製作の道具/地理的枠組み

  • ワークフロー:特定の地図を最終的な媒体で仕上げるための、計画され、記録され、しばしば共同で行われる過程。
  • スケッチマップ:鉛筆と紙による地図づくり。考えるための道具として、またコンピュータのない地域での参加型地図づくりとして価値がある。
  • 投影法と測地系:曲面の地球を平面の地図に写し、座標を地球のモデルに結びつける仕組み。

第6〜12章:デザイン、色、文字、総描、記号化

  • 視覚的階層:記号どうしの視覚的な差異によって、最も重要な地物を目立たせること。
  • 総描と分類:細部を単純化し、データの値を階級にまとめること。
  • 階級区分図、図形表現図、等値線図、カルトグラム:最後の数章で扱われる主要な主題図の種類。

批判的分析

長所

  • 視覚的に教えるデザイン。 地図と組み合わされた短い文章ブロックによって、本書はじっくり学ぶことにも、ざっと目を通すことにも、すばやく調べることにも使える。リサ・ゲイジェンズは Cartographic Perspectives 誌の書評でこう指摘し、平易な言葉づかいと専門用語の少なさも評価している。同じ Voyager の地図を章ごとに描き直すことで、一つひとつの選択が地図の読みやすさをどう変えるかが直接示される。
  • ソフトウェアに依存せず、長く使える。 ゲイジェンズや、出版社が掲載する推薦文のアンソニー・ロビンソンを含む評者たちは、原則がオープンソースでも商用でも、あるいはペンと紙でも、どのソフトウェアにも当てはまるため、本書はプログラムのバージョンとともに古びないと強調する。第4章もこの姿勢を示しており、ソフトウェアは操作を教えるのではなく、種類と例によって概観されている。
  • 判断を目的に結びつける。 地図の目標、メッセージ、読者が最善のつくり方を決めるという中心的な考え方は、従うべき規則ではなく、選択を判断するための枠組みを学生に与える。
  • 最新の版。 第4版は、ワークフロー、人工知能、集計と区割り変更、フェミニストと先住民の視点、多変量の階級区分図と等値線図、そして2020年米国国勢調査などの更新されたデータを加えている。

短所

  • 静的な地図のみ。 ゲイジェンズは、本書がインタラクティブなウェブ地図について具体的な指針を示していないと指摘している。ただし多くの原則はそのまま応用できる。
  • ソフトウェアの手引きではない。 意図的に、特定の GIS パッケージの手順を追った説明はない。学生はソフトウェアのチュートリアルを併用する必要がある。
  • 第3版からの変更は控えめ。 同じ書評は、更新は有用だが、第3版の所有者が乗り換えを迫られるほど大規模ではないと判断している。
  • 好みが分かれる点。 出版社が引用する教員によれば、漫画仕立てと遊び心のある語り口は多くの学生に合うが、ゲイジェンズは枠となる物語を少々陳腐だと感じている。

コースにおける位置づけ

このコースのリストにおいて、Making Maps は実践的なデザインの本である。マーク・モンモニアの How to Lie with Maps は、縮尺、投影法、分類、記号がいかに人を欺きうるかを扱う、より短く、先に読むのに適した本である。二冊はよく補い合い、モンモニアは地図を批判的に読むために、クライギアとウッドは地図をつくるために役立つ。GIS の教科書であるボルスタッドの GIS Fundamentals や、ロングリー、グッドチャイルド、マグワイア、リンドの Geographic Information Science and Systems は、GIS のデータ、ソフトウェア、分析を幅広く扱う。本書は、そうしたシステムから生み出される地図のデザインに焦点を絞っている。オサリバンとアンウィンの Geographic Information Analysis は後の段階で学ぶ統計的なテキストであり、J・B・ハーリーの論集 The New Nature of Maps は、権力の表現としての地図という批判的な歴史を提供する。第1章の新しいフェミニストと先住民の節は、この視点にも触れている。

出版社は本書を、地図学、地図製作、GIS を扱う学部上級および大学院の授業のテキストとして位置づけているが、出版社のページに引用された教員たちは、地図づくりが初めての学生にとって優れた教材だと評している。実際には、最初の地図学の授業の主教科書として、あるいは GIS の授業におけるデザインの副読本として機能する。

本書の使い方

著者たちは三種類の読者を想定している。地図づくりの経験のない一般の教養ある読者、地理学・地図学・GIS の学生、そして地図を改善したい GIS の専門家である。予備知識は必要ないが、手元に地図づくりの課題があると、本書ははるかに役立つ。

  • 課題を始める前に第1〜4章を順に読む。 目的、データ、道具がそこで定まり、第4章のワークフローの節は実践的なチェックリストになる。
  • 第5章は丁寧に学ぶ。 投影法と測地系はあらゆる GIS 地図の基礎であり、書評もこの章が特に明快だと評価している。
  • 第6〜12章はデザインしながら使う。 各章を下書きの地図に当てはめ、Voyager の例と比べて修正する。第7章の視覚的差異の節は、どんなレイアウトにも役立つ点検項目となる。
  • ソフトウェアの実習と組み合わせる。 QGIS や ArcGIS を使った GIS のチュートリアルを並行して進め、本書の問い(読者、メッセージ、階層)を、つくるすべての地図に持ち込む。
  • 各章末の読書案内をたどり、 色、文字、分類、地図の歴史についてさらに深く学び、あわせてコンパニオン・ウェブサイトも活用する。