01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Monmonier, M. (2018). How to Lie with Maps (3rd ed.). University of Chicago Press.
章の要約
第3版は全15章、本文約205ページで、そのあとに緯度と経度についての付録、精選読書案内、図版出典、索引が続く。Cartographic Perspectives(第91号、2018年)に掲載されたEvan I. Levineの書評によれば、白黒図版97点とカラー図版17点を収める。本書の初版は1991年で、デジタル時代に向けて書かれたこの版では、短い新しい序文が加えられ、色彩の章が前に移され、第2版のマルチメディア地図についての短い章が、画像地図、禁止の地図学、動的地図とオンライン地図を扱う三つの新しい章(第12〜14章)に置き換えられた。モンモニア自身が冒頭の章で全体の構成を示している。序論のあとに、あらゆる地図に当てはまる地図学の一般原理を扱う4章、続いて特定の種類の地図とその操作の仕方を扱う9章、そして短いエピローグである。
第1章:序論
序論は「地図学のパラドックス」を述べる。複雑な三次元の世界を平面の上に有用かつ真実に即して描くためには、地図はゆがめ、単純化し、取捨選択しなければならず、つまり罪のない嘘をつかなければならない。一枚の地図は同じデータから作りうる無数の地図の一つにすぎないと警告し、安価な地図作成ソフトウェアによって、地図学の訓練を受けていない人々も権威ありげで誤解を招く地図を作れるようになったことを指摘する。目的は地図に対する健全な懐疑心を育てることであり、冷笑や意図的な不正直を勧めることではない。
第2〜5章:地図の要素、地図の総描――小さな罪のない嘘がたくさん、誤解を招く失敗、色彩――引きつけるものと気をそらすもの
一般原理の章である。第2章は地図の主要な要素である縮尺、投影法、記号化を、ゆがみの潜在的な源として扱う。第3章は縮尺が必要とする総描(ジェネラリゼーション)という罪のない嘘を、第4章は地図製作者の無知や見落としから生じるよくある失敗を、第5章は不注意な、あるいは策略的な色の選択がどのように混乱を招き誤解させるかを検討する。Levineはこのまとまりを、約66ページで地図学の理論を思慮深く分かりやすく紹介するものと評価する一方、色彩の章の冒頭における色の知覚の議論は長すぎると見ている。
第6〜7章:広告する地図、開発の地図(あるいは、町の委員会をたぶらかす方法)
特定の種類の地図を扱う章の最初である。第6章は広告地図における記号の誘惑的な使い方を示し、第7章は開発計画や環境影響評価書のために作られる地図における誇張と隠蔽を探る。Levineは第6章が架空のシナリオに頼りすぎていると見ている。
第8〜9章:政治宣伝のための地図、地図、防衛、偽情報――敵を欺け
政府がゆがめた地図を、宣伝として、また軍事的な敵対者に向けた偽情報として用いることを扱う二章である。Levineによれば、第8章はソ連と中国を脅威的に見せるためのメルカトル図法の使用、ゴール=ペータース図法、ナチスの地図による宣伝を論じている。彼はこの章を非常に効果的な独立した単位と呼び、自らの経験では授業で最もよく課される章だと述べている。
第10章:大縮尺の地図作成、文化、国益
この章は、国の文化、官僚的な惰性、そしてますます商業的な利害が、詳細な地形図をどのように形づくるかを調べる。Levineは、少数者を貶めるステレオタイプを強める人種的な地名についての議論に注目している。
第11章:データ地図――厄介な選択の茂み
国勢調査、各種調査、その他の量的情報から作られる地図における、ゆがみと自己欺瞞を扱う。1854年のロンドンのコレラ流行についてのジョン・スノウの地図が例の一つとして取り上げられている。
第12〜14章:画像地図――目に見えるように、禁止の地図学――「ノー!」と言う地図、速い地図――アニメーション、インタラクティブ、モバイル
三つの新しい章である。第12章は衛星画像やその他のリモートセンシングの計測に基づく地図を検討し、イラク戦争前のいわゆる兵器施設の誤読を中心的な例とする。第13章は制限し禁止する地図、すなわち禁止の地図作成を、広く浸透し潜在的に脅威となるジャンルとして扱う。第14章はアニメーション地図、インタラクティブ地図、モバイル地図と、オンライン地図に固有の利点と制約を取り上げ、Webメルカトル図法への批判も含んでいる。
第15章:エピローグ
地図がもつ二重の、ときに相反する役割について述べ、地図の作者の動機を懐疑的に評価するよう勧める短い結論である。
主要概念
第1〜5章:原理
- 地図学のパラドックス:有用で真実に即したものであるためには、地図はゆがめ、省略しなければならない。
- 縮尺、投影法、記号化:地図の三つの基本要素で、それぞれがゆがみの源となる。
- 総描:地図の縮尺が必要とする、地物の単純化と取捨選択。
- 色の選択:色相や濃淡が注意を引きつけ、あるいは気をそらし誤解させる仕方。
第6〜11章:目的をもった地図
- 説得の地図学:売り込み、承認を得、あるいは政治的主張を広めるために作られる地図。
- 宣伝としての投影法:効果を狙って地域を大きく、あるいは小さく見せるために、メルカトル図法などの投影法を選ぶこと。
- 地図による偽情報:敵を欺くための意図的な地図のゆがめ。
- データ地図:国勢調査、各種調査、その他の量的情報から作られる地図。ゆがみや作り手自身の自己欺瞞にさらされやすい。
第12〜15章:新しいメディア
- 画像地図:衛星やその他のリモートセンシングの画像から作られる地図で、誤った解釈を招きうる。
- 禁止の地図学:限界、制限、立ち入り禁止の場所を示す地図。
- 速い地図:オンライン地図やWebメルカトル図法を含む、アニメーション、インタラクティブ、モバイルの地図。
批判的分析
長所
- 失敗を通して地図学を教える。 序論が述べるように、地図の誤用を調べることは、地図の性質とその適切な使い方への入門にもなる。原理を扱う4章は、縮尺、投影法、総描、記号、色についての簡潔な基礎を与えており、Levineはそれを思慮深く、詳細で、分かりやすいと評している。
- 読みやすさ。 Levineは本書を、ユーモラスでくだけた文章の下に批判的な地図学の概念への詳しい入門を隠した、親しみやすく読みやすい本だと述べている。出版社が引用する以前の書評も、その明快さとユーモアを称えている。
- 独立して読めるテーマ別の章。 第6〜14章はそれぞれ一つの種類の地図を扱うため、個別に課題にできる。Levineは宣伝を扱う第8章を効果的な単位として、速い地図を扱う第14章を不可欠な追加として特に挙げている。
- デジタル地図作成への対応。 新しい第12〜14章は、リモートセンシング、禁止の地図、オンライン地図やモバイル地図を本書に取り込み、序論は訓練を受けていない人の手にある地図作成ソフトウェアの危うさに触れている。
短所
- 古い章の事例の古さ。 Levineの主な批判は、1996年の版から引き継がれた章がほとんど変わっていないことである。冷戦期のメルカトル図法の地図や、公衆衛生の地図作成についての歴史的な扱いといった事例はめったに更新されておらず、1991年の時点ですでに古かった統計も残っている。
- 新しい内容のむら。 Levineは第13章が主題の探究というより地図の種類の一覧に近いと見ており、デジタル地図作成について加えられた段落の一部は後から差し込まれたように感じられると述べている。
- 製作上の問題。 彼は、以前の書評で批判された図の一部が依然として読みにくいこと、いくつかの図がカラーとグレースケールで重複していること、緯度と経度の付録が2ページに満たないことを指摘している。
- デザインやGISのマニュアルではない。 本書は批判的な地図の読み方を教えるものであり、地図のデザインやGISソフトウェアの使い方を段階的に教えるものではない。
コースにおける位置づけ
GISと地図学のリストの中で、本書は最もやさしい入口であり、地図リテラシーのために最初に読むのに最適な一冊である。GISソフトウェアで地図を作る人々のための図解された地図デザインのガイドであるKrygierとWoodの Making Maps とは自然な組み合わせになる。モンモニアは地図がどのように誤解させるかを示し、KrygierとWoodは目的と読み手に合わせて地図をうまくデザインする方法を示す。Harleyの The New Nature of Maps は、地図を権力と結びついた文化的な文書として扱う論文集であり、モンモニアが促す懐疑をより理論的・歴史的に展開している。
技術的な側面については、Bolstadの GIS Fundamentals と、Longley、Goodchild、Maguire、Rhindの Geographic Information Science and Systems が、GISの原理、データ、分析についての教科書であり、O'SullivanとUnwinの Geographic Information Analysis は空間分析の背後にある統計的推論を扱う。投影法、総描、データ地図を扱うモンモニアの第2、3、11章は、これらの本が形式的に扱うテーマへの有用な予習になる。
本書の使い方
GISや統計学の予備知識は必要ない。地理学の1年生、ジャーナリズム、都市計画、データ可視化を学ぶ学生、そして地図を使うすべての読者に適している。
読み方の提案:
- 中核: 第1〜5章を順に読む。ここで得られる語彙(縮尺、投影法、総描、記号化、色)は他のすべての章で用いられる。
- データ地図とデジタル地図: データから、あるいはウェブ向けに地図を作ることになる学生には、第11章と第14章が最も直接に役立つ。
- 関心に応じたテーマ別の章: 宣伝を扱う第8章はゼミの文献に適している。第6、7、9、10、12、13章は授業のテーマに合わせて選べる。
- エピローグは最後に読む。
読んだことを実践に移すとよい。原理を扱う各章について、ニュースやオンラインで地図を一枚見つけ、その背後にある縮尺、投影法、分類、色の選択を特定する。そのうえで簡単なデータ地図を、区分や色を変えて作り直し、伝わるメッセージがどう変わるかを確かめる。事例のいくつかは歴史的なものなので、最近の事例で補い、精選読書案内を使ってさらに先へ進むとよい。
