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Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction(地形学 超入門) cover

地理学

地理学

Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction(地形学 超入門)

Andrew Goudie; Heather Viles

英語原題: Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction

地形と地表を形づくるプロセスを扱う科学である地形学について、二人の自然地理学者が書いた短い入門書。この学問がどのように発展してきたか、今日どのように景観が研究されているか、そしてテクトニクス、気候、水、氷、風、生物、人間活動が異なる時間スケールで組み合わさり景観をつくり変えていく仕組みを説明する。

前提知識: 特になし。高校程度の地理や地学の知識があると役立つが必須ではない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
geomorphologylandscapesearth surface processesphysical geographyvery short introduction

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Goudie, A., & Viles, H. (2010). Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction. Oxford University Press. Very Short Introductions.

章の要約

本書は約125ページの本文に9つの短い章を収め、その後に読書案内と索引が続く。このコースの幅広い教科書のように地形の種類(河川、氷河、海岸など)ごとには構成されていない。そうではなく、地形学とは何か、どのように発展してきたかから出発し、地形景観を支配する主な要因を経て、人間の影響、未来、そして景観の文化的価値へと進む。

第1章:変わりゆく景観

冒頭の章は、地形学の三つの主要な要素を示す。地形、地表プロセス(外から働く外的営力と内部から働く内的営力)、そして時間のなかでの景観の発達である。地形学を水文学、生態学、気候学、人文地理学と結びつけ、景観を、互いに作用し合う層が重なったパリンプセストとして描き、それが岩石、風、氷、植生、人間によって形づくられるとする。

第2章:現在は過去を解く鍵である

地形が長大な時間のなかでどう変化するかを、どのように理解できるのか。この章は、ウィリアム・モリス・デーヴィス、ルイ・アガシー、グローヴ・カール・ギルバートといった初期の「景観探偵」を紹介し、彼らが景観を記述し、なじみのない景観を既知の知識で解釈し、理論を立て、それを検証したことを示す。この四つの要素は今も景観科学の土台となっている。彼らの仕事は三つの問い、すなわちサンゴ礁はどのように発達するのか、河川は強力な削剥の担い手なのか、アルプスの景観は何によってつくられたのか、を通じてたどられる。出版社の紹介文によれば、チャールズ・ダーウィンの見過ごされがちな景観研究も取り上げられている。

第3章:今日の景観研究

20世紀以降の考え方と方法が中心となる。プレートテクトニクス、陸・大気・水・氷・生物・社会を一体として捉える地球システム科学、そして現代の野外調査の技術、すなわちディファレンシャルGPS、地上型LIDAR、地中レーダー、放射性炭素年代測定、放射年代測定、宇宙線生成核種年代測定である。

第4章:景観、テクトニクス、気候

この章は、テクトニクスと気候を、景観の姿を決める最大の二つの影響として扱う。1960年代に受け入れられたプレートテクトニクス理論が、山脈の形成から海洋の誕生までいかに多くを説明してきたかに触れ、気候変動が非常に異なる時間スケールで働くことを示す。2万年前からの氷河の後退、小氷期(およそ1500〜1850年)、1930年代のアメリカのダストボウルがその例である。

第5章:生きている景観

ここでは関係は双方向である。地形と気候が植生や動物を形づくり、植物や動物が地形をつくり変え、地表プロセスを速めたり遅らせたりする。河川の流れと生息地を変える米国のビーバーのダムが中心的な例であり、この章は、こうした研究が環境と生物多様性の管理に役立つと論じる。

第6章:景観と私たち

この章は、人新世と呼ばれることもある、おおよそ過去300年間の人間の影響を見る。人間が直接つくり出す地形はどれか、人間が加速させた自然のプロセスはどれか、人為的な影響と自然の影響をどう見分けるか、地形学的災害は人々にどう影響するかを問い、最後に災害マッピングや工学的手段がどのように被害を減らせるかを示す。

第7章:未来の景観

未来の景観を予測するには、気候変動、地殻変動、人間の影響を比較考量しなければならない。この章は正と負のフィードバックを紹介し、地形学的に敏感な場所、とくに融解する永久凍土と、約12億人が暮らす海面上昇にさらされた低平な海岸を挙げる。

第8章:景観、芸術、文化

出版社の紹介文によれば、本書は景観の文化的重要性と、それが「地球遺産」の保全につながってきたことで締めくくられる。

第9章:見えない景観

「見えない景観」と題された最終章が、読書案内の前に本書を締めくくる。

主要概念

第1〜3章:変わりゆく景観/現在は過去を解く鍵である/今日の景観研究

  • 地形、プロセス、景観の発達:合わせて地形学を定義する三つの要素。
  • 外的営力と内的営力:外から(気象、水、氷、風)駆動される地表プロセスと、地球内部から駆動されるプロセス。
  • パリンプセスト:異なる時代の特徴が重なり合い、互いに作用する層としての景観。
  • 地球システム科学:陸、大気、水、氷、生物、社会を結びつけた一つのシステムとして地球を研究すること。

第4〜5章:景観、テクトニクス、気候/生きている景観

  • プレートテクトニクス:造山運動、海洋底の形成、火山活動を説明する理論。
  • 気候変動の時間スケール:数千年にわたる氷期の周期から、ダストボウルのような10年単位の出来事までの変化。
  • 生きている景観:植物や動物が地形に応答すると同時に、地形をつくり変えるという双方向の関係。ビーバーのダムがその例である。

第6〜7章:景観と私たち/未来の景観

  • 人新世:人間が地球に強い影響を及ぼす時代。本書では産業革命から数えられる。
  • 地形学的災害:地すべりのように人々を脅かし、地図化と軽減が可能な景観プロセス。
  • フィードバック:変化を増幅(正)または抑制(負)し、予測を複雑にするプロセス。

批判的分析

長所

  • 歴史をもつ科学としての地形学。 一章をまるごと使って、初期の研究者が現在のプロセスから過去の景観を推論したことを示し、紹介文もダーウィンのような人物を強調している。これにより読者は、地形の一覧ではなく方法の感覚を得られる。
  • 現代の方法。 景観研究の章は、学生が実習で出会う野外調査と年代測定の技術(ディファレンシャルGPS、LIDAR、地中レーダー、宇宙線生成核種年代測定)を扱っている。
  • 幅広い枠組み。 生きている景観、人間の影響、未来の変化、文化に関する章が、地形学を生態学、災害、気候変動、遺産と結びつける。事例は世界各地にわたり、出版社はニュージーランド、チベット高原、中東の砂漠を挙げている。

短所

  • 地形の種類ごとの体系的な扱いがない。 河川、氷河、斜面、海岸、砂漠そのものを扱う章はなく、プロセスごとの説明が必要な学生には教科書が必要である。
  • 定性的な概観。 目次にも各章の紹介にも、プロセスの定量的な扱いを示すものはない。土砂輸送や斜面安定の物理は、このコースの定量的なテキストから学ぶ必要がある。
  • 2010年の本。 2000年代後半までの研究を反映しており、改訂版は出ていない。

コースにおける位置づけ

本書はこのコースのリストで最も手早く地形学を概観できる本であり、学習のごく初めか、地形学の選択科目を選ぶ前に読むのがよい。ハゲットとシャトルワースの Fundamentals of Geomorphology と、ビアマンとモンゴメリーの Key Concepts in Geomorphology は、その後に続く幅広い学部向け教科書である。ハゲットとシャトルワースはテクトニクス、風化、河川、氷河、風成、海岸の各システムを順に扱い、ビアマンとモンゴメリーは景観を測定し、年代を決め、モデル化するための道具を紹介したうえで各プロセス領域を順に扱っており、グーディとヴァイルズの現代的方法の章が終わるところを引き継ぐ。アンダーソンとアンダーソンの Geomorphology: The Mechanics and Chemistry of Landscapes は、本書が試みない定量的でプロセス物理に基づく扱いを提供する。

水文学の側では、ヘンドリクスの Introduction to Physical Hydrology とディングマンの Physical Hydrology が、本書で描かれる景観変化の多くを駆動する水のプロセスを説明する。先にグーディとヴァイルズを読むことで、それらのプロセスが意味をもつ広い文脈がつかめる。

本書の使い方

予備知識は不要で、地理学や地球科学の1年生、他分野の学生、自然地理学の選択科目を選ぼうとしている人に向いている。

  • 第1〜3章をひとまとまりとして読む。 これらの章は分野を定義し、その推論がどう発展したかを示し、現代の道具立てを紹介する。後の章はその上に築かれている。
  • 第4〜7章は教科書と並行して読む。 各章は、コースの教科書でより詳しく扱われる主題に対応している。テクトニクスと気候、景観をつくる担い手としての動植物、人間の影響と災害、気候変動への敏感さである。
  • 第8章を議論に使う。 景観の文化的価値と地球遺産の保全という主題は、特定の景観がなぜ保護されるのかを考えるゼミに向いている。その後、第9章が本書を締めくくる。
  • 巻末の読書案内をたどり、 事例(ビーバーのダム、永久凍土の融解、沿岸の海面上昇)を最新の資料で調べ、2010年以降に問題がどう展開したかを確かめる。