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Key Concepts in Geomorphology(地形学の基本概念) cover

地理学

地理学

Key Concepts in Geomorphology(地形学の基本概念)

Paul R. Bierman; David R. Montgomery

英語原題: Key Concepts in Geomorphology

地球の表面が水、氷、風、重力、地殻変動、生物によってどのように形づくられるかを説明する学部向けの地形学教科書である。地形学者が地形を測定し、年代を決め、モデル化するために使う手法を紹介したうえで、各プロセスの領域とその地形を順に取り上げ、事例研究によって概念を環境問題や人間活動と結びつけている。

前提知識: 自然地理学か地質学の入門授業を履修していると役立ち、数量的な部分は基礎的な代数を用いる。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
geomorphologyearth surface processeslandscape evolutionhydrology教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Bierman, P. R., & Montgomery, D. R. (2020). Key Concepts in Geomorphology (2nd ed.). Macmillan Learning.

章の要約

本書は4部16章から成り、巻末に参考文献と読書案内をまとめた一覧と、太字の重要用語を集めた用語集がある。初版(2013年)は米国国立科学財団(NSF)の支援を受け、地形学の研究者コミュニティによる検討を経た教科書として作られた。第2版について著者らは、学生や教員が公開の改訂ブログに寄せた60ページ近いコメントを主な手がかりに改訂したと述べている。各章は同じ型に従う。冒頭に学習目標があり、主題ごとの節が続き、多くの章に応用の節がある。さらに、ある問題について科学的な考え方がどう発展してきたかをたどる「Digging Deeper」というエッセイ、地形学を現在の問題に応用するケーススタディ(16章のうち13章に掲載)、例題、学習目標に対応した順序の章末問題が置かれている。

第1章:地球のダイナミックな表面

第1部「地形学とその道具」の3章のうち最初の章である。地圏・水圏・生物圏が出会う場としての地表を概観し、続いて景観と、この分野を貫く基本概念を扱う。Digging Deeper は地球がなぜ居住可能なのかを問い、ケーススタディは人為的な気候変動が地形に及ぼす影響を取り上げる。

第2章:地形学小史

この版で独立した章になった。地形にまつわる神話(ジオミソロジー)から、古典期の哲学者や自然哲学者、19世紀と20世紀を経て現代の地形学までをたどり、地球の理論に関するエッセイと、土地がどのように描かれてきたかについてのケーススタディを含む。

第3章:地形学者の道具箱

方法の章である。地表の特徴づけ、相対年代と数値年代の測定、地形プロセスの速度の測定、実験、代替指標(プロキシ)記録を扱う。Digging Deeper は年代測定法の仕組みを説明する。出版社は、この版の更新点の一つとしてライダー(LiDAR)による地形計測の急速な普及を挙げている。

第4章:地形水文学

第2部「供給源から堆積域へ」は、降水、蒸発散、地下水と地表水、水文作用がつくる地形から始まる。ケーススタディはヒューストンの洪水で、エッセイは人間活動が水文と景観変化をどう結びつけるかを扱う。

第5〜6章:風化と地形学/土壌と地形学

以前は一つの章だったものを二つに分けた。第5章は物理的風化と化学的風化、その相互作用、風化が支配する地形を扱い、ケーススタディは酸性岩石排水である。第6章は土壌の生成、土壌の発達、断面とその記載、景観の中の土壌を扱う。エッセイは土壌がどれほどの速さで形成されるかを問い、ケーススタディは土壌侵食と文明の衰退を結びつける。

第7章:斜面

斜面を構成する物質、マスムーブメント、斜面安定、拡散に似たプロセス、斜面の形態を扱う。エッセイは植物の根が斜面安定にどれほど寄与するかを論じ、ケーススタディはオソ地すべりである。

第8〜9章:河道/流域

第8章は河川に対する外的な制約、河川プロセス、土砂輸送、河道の平面形、区間スケールの河道形態、氾濫原、河道の応答を扱う。エッセイの主題は基盤岩の下刻で、ケーススタディはゴールドラッシュが河川に残した影響である。第9章は流域スケールのプロセス、水系網と流域の形態、上流の山地から下流の低地への移行、都市化が河川に及ぼす影響へ進む。

第10章:海岸と海底の地形学

海岸の環境、その駆動要因、地形とプロセスを扱い、続いて海洋の環境と海底地形を扱う。エッセイは世界のデルタに何が起きているかを問い、ケーススタディはハリケーン・サンディである。

第11〜13章:地形営力としての風/火山地形学/氷河・周氷河地形学

第3部「氷、風、火」は残りの営力を扱う。第11章は流体としての大気、風によるプロセスの分布、風成プロセスと風成地形を扱い、デザートペーブメントに関するエッセイを含む。第12章は火山活動の分布と様式、噴火の機構と規模、火山地形とその後の変化を扱い、2018年のキラウエア火山の噴火と山頂の陥没をケーススタディとする。第13章は氷河、氷河底の侵食、氷河による運搬と堆積、氷河地形、周氷河環境を扱う。

第14〜16章:地形学と気候/変動地形学/景観の発達

第4部「より大きな全体像」は、プロセスを扱った各章をまとめ上げる。第14章は気候の記録と周期、気候地形学、景観と気候の双方向の関係を扱う。第15章は地殻変動のプロセスと場、景観の応答を扱い、断層の最新活動の年代を決めるエッセイと、2018年のアラスカ地震のケーススタディを含む。第16章は景観発達の要因、モデル、類型、速度を取り上げ、景観が定常状態にあるかどうかを問い、人新世で締めくくる。

主要概念

第1部:地形学とその道具

  • 境界面としての地表:景観は地圏・水圏・生物圏が相互作用する場所で形成される。
  • 相対年代と数値年代:地形を時間的に並べることと、地形に年代値を与えることの違いで、プロセスの速度を測る基礎となる。
  • プロキシ記録:過去の地表の状態を復元するために用いる間接的な証拠。

第2部:供給源から堆積域へ

  • 供給源から堆積域へ(source to sink):第2部を組み立てる考え方で、斜面での風化から河道と流域を経て海岸と海底に至るまで、水と土砂の動きを追う。
  • 土壌生成:岩石が土壌に変わる過程で、本書はその速度を直接論じている。
  • 斜面安定と拡散に似たプロセス:斜面が物質を動かす二つの方法で、急激な崩壊によるものと、クリープのような緩やかな移動によるもの。
  • 土砂輸送と河道の応答:河川が土砂をどう運び、流量や土砂供給が変わったときに形をどう調整するか。

第3〜4部:氷、風、火/より大きな全体像

  • 風・火山・氷河の営力:どこにでも働くわけではないプロセス領域で、それぞれに特徴的な地形がある。
  • 景観と気候のフィードバック:気候が景観を形づくり、景観もまた気候に影響する。
  • 変動地形学:地殻変動の記録であり、それへの応答でもある景観。
  • 定常状態:隆起と侵食がつり合い、景観がその形を保っているかどうかという問い。

批判的分析

長所

  • 初学者向けの設計。 著者らは本書を、地表プロセス、自然地理学、第四紀地質学の最初の授業を受ける学部生のための本と説明しており、各章に初学者向けに作られた8〜16点の図と20〜30点のカラー写真がある。学習目標、応用、例題、目標に対応した問題という一貫した章の型により、学習の見通しが立てやすい。
  • コミュニティによる検討。 初版は構成、執筆、査読の各段階で地形学のコミュニティから広く意見を得て作られ、第2版は公開されたコメントに応えて改訂された。教科書としては珍しい作り方である。
  • 応用と進行中の科学。 多くの章に応用の節があり、どの章にも、研究者が一つの未解決の問い(土壌はどれほどの速さでできるか、氷河はどれだけ侵食するか、景観は定常状態にあるか)にどう取り組んだかをたどる Digging Deeper がある。これにより地形学が、地形の一覧ではなく発展途上の科学として示される。
  • 方法と歴史に独立した章。 年代測定、速度の測定、学史が付録ではなく章として置かれているので、学生はプロセスの章で使われる前に道具に出会う。

短所

  • 入門的な深さ。 本書は最初の授業向けに書かれており、目次では各章に例題が一つずつ挙げられている。物理に基づくプロセスモデルを学びたい読者には、より数学的な扱いが必要になる。
  • 水文は一章のみ。 地形水文学は第4章にまとめられている。地形学と水文学を合わせた授業の学生は、水文学専用の教科書が必要になる。
  • ケーススタディの不均一。 出版社はケーススタディをすべての章の特徴として挙げているが、出版社自身の目次では第11、13、14章にケーススタディはなく、代わりに章ごとの参考文献一覧が載っている。

コースにおける位置づけ

地形学・水文学のリストの中で、本書は標準的な分量の入門教科書である。Goudie と Viles の Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction はこの分野を短く概観する本で、本書の前に読める。Huggett と Shuttleworth の Fundamentals of Geomorphology はプロセス系と景観の変化を軸に構成されたもう一つの幅広い入門教科書で、代わりの主教科書としても、別の角度からの説明を得る本としても使える。Anderson と Anderson の Geomorphology: The Mechanics and Chemistry of Landscapes は各主題を保存則と簡単なモデルから組み立てる本で、プロセスの背後にある物理を学びたい学生が Bierman と Montgomery の次に進む自然な一冊である。

コースの水文学の側では、Hendriks の Introduction to Physical Hydrology が大気中の水、土壌水、地下水、地表水を扱うコンパクトな入門書として第4章を補い、Dingman の Physical Hydrology はその後に読む定量的な教科書である。

本書の使い方

本書は地形学、自然地理学、第四紀地質学の最初の授業を受ける学生に向いており、著者らは林学、農学、土木工学の学生も想定している。地質学や自然地理学の入門的な授業を受けていると役に立つ。

読む順序の例:

  • 中核: 第1章と第3章(道具箱は全体を通じて使われる)、次に第2部の第4〜10章を順に読む。第2部は土砂を供給源から堆積域まで追う構成で、各章が前の章を土台にしている。
  • 選択: 第3部は地域や関心に応じて選ぶ。氷河・周氷河地形学(第13章)は最も広く関係し、風と火山の章は野外調査の地域に合わせて選べばよい。
  • 総合: 第14〜16章はコースの最後に読み、プロセスの各章をまとめる。学史の第2章は早い段階で読んでも、地理学思想の授業と並行して読んでもよい。

各章は学習目標から始め、本文の順序に沿って並んだ章末問題に答えて終えること。例題は手で解く。Digging Deeper は研究上の問いの立て方の手本として読み、ケーススタディは討論や短いレポートの題材に使うとよい。用語集と巻末の文献一覧は復習とさらなる読書に役立つ。