01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Huggett, R., & Shuttleworth, E. (2023). Fundamentals of Geomorphology (5th ed.). Routledge.
章の要約
本書は全18章、4部構成で、682ページに及び、地質年代表に関する付録が付く。Routledge は本書を、世界の地形をシステムの視点から見る総合的な入門書と説明しており、地表の形態とプロセスの基礎に加えて最新の進展にも触れている。出版社の章メタデータにあるページ範囲を見ると、重心がどこにあるかがわかる。最も長いのは河川の章(約60ページ)で、カルスト、海岸、氷河の各章がそれぞれ40〜50ページを占める。
第I部、第1〜5章:地形学とは何か;プロセスと形態の入門;歴史の入門;地形学と地球システム;地形営力としての生命と人間
冒頭の部は、社会との関係を含めて学問分野を定義し、全体を通じて使われる考え方を示す。プロセスと形態、歴史的な説明、そして地形システムの一部としての地形である。後半の2章は、地形学をより広い地球システムの中に位置づけ、生物と人間を地表を形づくる営力として扱う。
第II部、第6〜7章:プレートテクトニクスと関連する構造地形;火山、褶曲、断層
内因的プロセスの部で、構造に支配された地形を扱う。プレートテクトニクスに関連する地形と、火山や褶曲・断層・節理によって生じる地形である。
第III部、第8〜17章:風化と関連する地形;風化、レゴリス、土壌;斜面;河川地形;氷河・融氷水地形;周氷河地形;風成地形;海岸・海底地形;カルスト地形;惑星地形学
最も長い部で、外因的な営力を順に取り上げる。風化とその産物、斜面、流水、氷と融水、地中の氷と凍結、風、海、そして石灰岩の地形である。最後に地球外の地形を扱う章があり、Routledge はこれを本書の主題の一つに挙げている。
第IV部、第18章:長期の地形学
最終章は、「深い時間の視点」と題された部で、景観の進化と古い地形を長い目で見る。
主要概念
第I部:枠組み
- プロセスと形態:地表のプロセスとそれが生む地形との対の関係で、景観を読む基本的な方法として導入される。
- 地形システム:地形を相互に結びついたシステムの一部と捉えること。Routledge が強調する「システムの視点」である。
- 地形営力:地表を変える力としての生物と人間。
第II〜IV部:地形のシステム
- 内因的プロセスと外因的プロセス:内部に駆動される地形(テクトニクス、火山、褶曲と断層)と、地表の営力によって形づくられる地形とを分ける、本書の区分。
- レゴリスと土壌:風化の産物で、独立した章で扱われる。
- プロセス領域:斜面、河川、氷河、周氷河、風成、海岸、カルストの各景観で、それぞれ1章を持つ。
- 惑星と長期の景観:地形研究を他の惑星天体と深い地質学的時間へ広げること。
批判的分析
長所
- 1冊に収まる幅広さ。 Routledge の紹介は、構造地形から地球外の地形までの全範囲に及ぶ。出版社が引用する Andrew Goudie は、本書の幅広さ、国際的な視野、表現の明快さ、図版を特に挙げており、Jonathan Phillips は、本書が網羅的でありながら簡潔で、確立した考え方と現在の考え方の両方を扱っていると述べている。
- 明快な構成。 4つの部が、枠組み、内因的プロセス、外因的プロセス、深い時間を分けているので、各章が全体のどこに位置するかがわかる。
- 学習の支援。 出版社は、章末の要約、参考文献ガイド、充実した重要用語集、数百点のカラー図版と写真、学生・教員向けのオンライン資料を挙げている。
- 現在のテーマ。 Goudie は、今版が人新世と惑星地形を扱っていることが、この分野の新しい進展を反映していると指摘する。
短所
- 分量。 682ページの本書は複数の科目に足る量であり、通読する課程は少ない。
- 方法論の章がない。 目次には、地形を測定・年代測定・モデル化する方法の章がない。それらの道具を紹介する教科書や、景観の物理に関する定量的な扱いが、有用な補いになる。
- 水文学が少ない。 河川と斜面は扱われるが、目次には水文学の独立した扱いがないため、地形学と水文学を合わせた科目では水文学の教科書も必要になる。
- 掲載ごとに章題が異なる。 出版社のウェブページでは、いくつかの章の名称が電子版のメタデータと少し異なる(たとえば「海岸地形」や「惑星地形」)。手元の版で確かめるとよい。
コースにおける位置づけ
Huggett と Shuttleworth の本は、このコースにおける、地形の種類ごとに進む総合的な概観である。Goudie と Viles の Landscapes and Geomorphology: A Very Short Introduction は、この分野とその歴史への短い最初の手引きで、680ページに取りかかる前に全体像をつかみたい読者に向く。Bierman と Montgomery の Key Concepts in Geomorphology はもう1冊の学部向け教科書で、景観を測定・年代測定・モデル化する道具も紹介するため、Huggett に欠けている方法をカバーしている。
さらに深く学ぶには、Anderson と Anderson の Geomorphology: The Mechanics and Chemistry of Landscapes が、保存則と単純なモデルから各主題を組み立てており、ここでの記述的・概念的な扱いの次に進む定量的な一歩となる。水文学の2冊、Hendriks の簡潔な Introduction to Physical Hydrology と Dingman の定量的な Physical Hydrology は、Huggett が河川と斜面の章を通してしか扱わない水循環の内容を補う。
本書の使い方
Routledge は本書を、平易で生き生きとした、学部の地理学・地球科学の学生向けの本として提示している。自然地理学や地球科学の入門科目を履修していると用語の理解に役立つが、必須ではない。
実際的な進め方は、まず第I部(第1〜5章)を読むことである。後のすべての章が頼る概念がここにある。そのうえで科目に合わせて読み進める。第6〜7章は構造とテクトニクス、第III部では風化、斜面、河川の章が通常の中核で、氷河、周氷河、風成、海岸、カルストの章は学ぶ景観に応じて選ぶ。惑星表面や長い時間尺度での景観進化に関心のある学生には、第17章と第18章が向く。
章末の要約と用語集で理解を確かめ、参考文献ガイドから専門文献へ進む。本書は記述的・概念的であるため、定量的な扱いが必要な読者は、上で挙げたより数学的な教科書と組み合わせるとよい。
