01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Biggs, J., Tang, C., & Kennedy, G. (2022). Teaching for Quality Learning at University (5th ed.). Open University Press (McGraw Hill).
章の要約
第5版は3部14章、約384ページである。初版は1999年に出版され、この版はビッグスとタンによる2011年版を受け継ぎ、グレゴール・ケネディが新たに共著者に加わった。出版社は、構成的整合性(constructive alignment)を「逆向き設計」の教授法として説明する。まず学生の達成すべき成果を特定し、教師はそれを学生が達成できるよう教授活動を設計し、評価によってどの程度達成されたかを確かめる。各章は、学習の成功のために、学習成果、教授、評価をどう設計するかを概説する。この版は、教師が省察するための研究に基づく教授理論、構成的に整合した教授で教育テクノロジーをどう活用できるかの説明、スタッフ開発者への支援、そして機関全体の質保証と質向上の枠組みを提供するものだとされている。
第1部、第1–3章:大学教育の進化する文脈/学生の学び方に沿った教授/効果的な教授の舞台づくり
第1部は「今日の大学における効果的な教授と学習」と題され、大学教育の文脈の変化から始まる。第2章は教授を学生の学び方に根ざしたものとし、第3章は効果的な教授のための舞台を整える。
第1部、第4–6章:効果的な教授と学習のための文脈/知識と理解/構成的に整合した教授と評価
第4章は教授と学習が行われる文脈を検討する。第5章は知識と理解に移る。第6章は、構成的に整合した教授と評価を導入して第1部を締めくくり、これが後の部で応用される枠組みとなる。
第2部、第7–9章:意図された学習成果の設計/宣言的な意図された学習成果のための教授・学習活動/機能的な意図された学習成果のための教授・学習活動
第2部「構成的に整合した教授と学習の設計」は、逆向き設計の順序に従う。第7章は意図された学習成果の書き方を扱う。第8章と第9章は、宣言的と機能的という二種類の成果のために、教授・学習活動を選ぶ。
第2部、第10–12章:評価課題を意図された学習成果と整合させる:原則/宣言的な意図された学習成果の評価と採点/機能的な意図された学習成果の評価と採点
第10章は、評価課題を意図された学習成果と整合させる原則を示す。第11章と第12章は、二種類の成果について評価と採点を順に扱い、第8章と第9章の対構成に対応している。
第3部、第13–14章:構成的整合性の実施、支援、強化/実施された構成的整合性:いくつかの例
第3部「実践における構成的整合性」は、この方法を実践に移し、支え、強化することを扱い、実施された構成的整合性の例で締めくくる。
主要概念
第1部:効果的な教授と学習
- 構成的整合性:意図された学習成果、教授活動、評価課題が互いを支えるように設計すること。
- 逆向き設計:まず学生の成果を特定し、次にそれを達成し確認するための活動と評価を設計すること。
第2部:整合した教授の設計
- 意図された学習成果:学生ができるようになるべきことの記述で、教授と評価はここから設計される。
- 宣言的成果と機能的成果:二種類の意図された学習成果で、それぞれに教授・学習活動の章と評価・採点の章が割り当てられている。
- 評価と採点:成果と整合した課題を用い、到達の質を判断すること。
第3部:実践に移す
- 実施と支援:構成的整合性を実践に移し、持続させること。第13章の主題である。
- 質保証と質向上:機関全体に適用される枠組み。
批判的分析
長所
- 全体を貫く一つの原理。 第6章が構成的整合性を導入し、第2部の各章が成果、活動、評価課題、採点へと段階的にそれを適用するため、本書は理論であると同時に設計の手順でもある。
- 二種類の成果に対応する平行構造。 第8–9章と第11–12章は、宣言的成果と機能的成果を対の形で扱うため、教授と評価がそれぞれでどう異なるかを比較しやすい。
- 長い歴史。 本書は1999年に遡り、出版社はそれが世界中で高等教育の教授システムを設計する枠組みとして使われていると述べている。
- 教室だけでなく機関にも目を向ける。 第3部は構成的整合性の実施と支援を扱い、出版社の説明はスタッフ開発者への支援と質保証の枠組みに言及しているため、個々の教師を超えて役立つ。
短所
- 単一の枠組み。 本書は構成的整合性を軸に組み立てられている。大学教育の競合するモデルの概観を求める読者は、他の文献が必要になる。
- 長さと密度。 約384ページ、14章と分量があり、用語(宣言的成果、機能的成果など)に慣れるにも時間がかかる。
- 設計中心。 本書の多くは成果、活動、評価の設計に充てられており、短い授業の技法を求める読者には回りくどく感じられるかもしれない。
コースにおける位置づけ
高等教育のコースの中で、本書は科目設計の本である。ジェームズ・ラングの『Small Teaching』は、学習に関する研究を、科目全体を作り直さなくても使える短い活動や小さな科目設計の変更に置き換えたもので、手軽な改善を求める教員に向く。ビッグス、タン、ケネディは、科目やプログラム全体を設計・再設計する教員に向く。『How Learning Works』は、学生がなぜうまく学び、あるいはつまずくのかを八つの原則に整理した研究に基づく手引きで、第2章の学習の側面の自然な併読書になる。ベインの『What the Best College Teachers Do』は、観察とインタビューに基づいて、優れた教師に共通するものを調べた研究である。
『A Handbook for Teaching and Learning in Higher Education』は、政策的文脈、教授の中核的な実践、評価と学生支援を扱う編著のハンドブックであり、バステド、アルトバック、ガンポートらの『American Higher Education in the Twenty-First Century』は、高等教育を教授の場としてではなく社会の中の制度として扱う編著書である。ビッグス、タン、ケネディはこれらの中間に位置する。ラングやベインよりも体系的で、ハンドブックや制度を扱う書よりも教授の設計に焦点を当てている。
本書の使い方
本書は、新任・ベテランの大学教員、プログラムリーダー、スタッフ開発者に向いている。高等教育における教授と学習の基本原則に慣れていれば(たとえば新任講師向けの入門書などで)、準備として十分である。
実践的な読み方は次のとおり。
- 中核: 中心的な考え方として第6章、続いて第7章から第12章を順に。各段階が前の段階の上に築かれるためである。
- 基礎: 文脈、学生の学び方、知識と理解を扱う第1章から第5章。この分野に不慣れな人は最初に、設計の各段階の理由を知りたい人は後で読む。
- 機関での取り組み: 構成的整合性の実施と支援、および具体例を扱う第13章と第14章。
読みながら、自分が教えている科目の一つについて、成果、活動、評価課題を書き直し、各段階でそれらが互いを支えているかを確認するとよい。
