01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Noddings, N. (2015). Philosophy of Education (4th ed.). Westview Press.
章の要約
第4版は約300ページ(図書館の書誌ではxvii+281ページ)で、序文、注、参考文献とともに12章からなる。出版社は本書を、教育学を学ぶ学生に、教授、学習、研究、教育政策に関わる哲学的思考を包括的に示すためのテキストとして紹介しており、創始者たちから現代の理論家までの教育思想の展開をたどり、分析哲学と大陸哲学の両方の伝統を扱うとしている。章立てには明確な二部構成が見える。哲学の歴史と学派についての4章と、哲学を教育の個別領域に当てはめる8章である。
第1章:20世紀以前の教育哲学(Philosophy of Education before the Twentieth Century)
歴史的な出発点。出版社の説明でいう「創始者たち」の時代、すなわち1900年以前の教育思想を扱う。
第2章:ジョン・デューイの哲学と教育思想(The Philosophical and Educational Thought of John Dewey)
デューイに丸ごと一章を充てる。目次の中で個人に一章が与えられているのはデューイだけである。
第3〜4章:分析哲学;大陸哲学(Analytic Philosophy; Continental Philosophy)
20世紀の二つの主要な伝統を順に提示する。出版社は、本書が両方を扱う点を強調している。
第5章:論理と批判的思考(Logic and Critical Thinking)
出版社によれば、この版で学生にとってより取り組みやすいように改訂され、合衆国のコモン・コア基準に照らして批判的思考が果たす役割を検討している。
第6〜7章:認識論と教育;社会科学の哲学と教育研究(Epistemology and Education; Philosophy of Social Science and Educational Research)
知識をめぐる2章。知識の理論とその教育への意味、そして教育研究の背後にある哲学的な問いを扱う。
第8〜9章:倫理と道徳教育;社会哲学と政治哲学(Ethics and Moral Education; Social and Political Philosophy)
倫理と道徳教育、続いて教育に関わる社会哲学・政治哲学を扱う。
第10〜12章:学校改革の問題;多文化主義とコスモポリタニズム;フェミニズム、哲学、教育(Problems of School Reform; Multiculturalism and Cosmopolitanism; Feminism, Philosophy, and Education)
本書は現代の課題についての3章で締めくくられる。学校改革、多文化主義とコスモポリタニズム、そして教育との関わりにおけるフェミニズム哲学である。
主要概念
第1〜4章:思想の伝統
- 分析的教育哲学:言語と論理の注意深い分析を通じて、教育の概念と議論を明確にする伝統。
- 大陸哲学:分析哲学と並んで扱われるヨーロッパの諸伝統。
- デューイの教育思想:個人の哲学として唯一独立した章を与えられ、それ以前の歴史と20世紀の諸伝統の間に置かれている。
第5〜7章:推論と知識
- 批判的思考:主張や議論について適切に推論すること。ここでは論理およびコモン・コア基準との関係で論じられる。
- 認識論:知識の理論と、学校が何をどう教えるかへのその含意。
- 社会科学の哲学:教育研究が何をどのように明らかにできるかについての問い。
第8〜12章:価値、社会、改革
- 道徳教育:学校が生徒の倫理的成長にどう取り組むべきか。
- 多文化主義とコスモポリタニズム:国の内外における文化的多様性への応答。
- フェミニズムの教育哲学:本書の最終章が扱う視点。
批判的分析
長所
- 一冊で幅広く。 歴史、デューイ、分析・大陸の両伝統、そして研究、倫理、政治、改革への応用が約300ページに収まっており、1学期の基礎科目に適している。
- 二つの主要な伝統。 出版社は分析哲学と大陸哲学の両方を扱うことを強調しており、学生は教育哲学の二つのやり方に一冊で出会える。
- 教育に適用された哲学。 12章のうち8章は、哲学者や学派ではなく、批判的思考から学校改革まで教育上の話題を一つずつ取り上げる。
- 定評ある著者と長い実績。 Noddings はスタンフォード大学の名誉教授(Lee L. Jacks Professor of Education Emerita)で、教育哲学会とジョン・デューイ協会の会長を務めた。初版は Teaching Philosophy 誌で「この分野で最良の概説」と評され、Educational Theory 誌では標準的な教科書になると予測された(出版社が転載している引用)。
短所
- 概説としての深さ。 本文約280ページで十数の大きな主題を扱うため、各章は掘り下げるより紹介にとどまる。思想家に本格的に取り組むには原典が必要である。
- ところどころ合衆国中心。 改訂された批判的思考の章はアメリカの政策であるコモン・コア基準を軸にしており、他の制度の読者は自分で例を補う必要がある。
- 政策への言及の古さ。 現行の基準や改革についての2015年版の議論は、その時点を反映している。
コースにおける位置づけ
Noddings は、このコースの基礎文献の中で概説型の教科書にあたる。Gary Thomas の Education: A Very Short Introduction は教育の大きな問いについて、より短く一般的な出発点であり、Noddings の前に読むとよい。コースの他の本の多くは、Noddings が学生の位置づけを助ける原典である。デューイの Democracy and Education と How We Think(第2章の後に読む)、批判的教育学の Freire の Pedagogy of the Oppressed と hooks の Teaching to Transgress、そして学校教育への急進的な批判である Illich の Deschooling Society である。
Jarvis Givens の Fugitive Pedagogy は黒人の教育思想と教育実践の歴史であり、多文化主義の章や社会哲学・政治哲学の章を補うのに役立つ。
本書の使い方
本書は教育学を学ぶ学生と将来の教師に向けて書かれ、哲学の事前の学習を前提としない。出版社は、この分野の現在の動向を概観したい人すべてにも本書を勧めている。
推奨する読み方:
- 最初の4章は順番に。 後の章が前提とする歴史的・方法的な背景を与える。
- その後は話題ごとに。 第5〜12章は授業に合わせてどの順でも読める。教員志望者は第5章(批判的思考)、第8章(道徳教育)、第10章(学校改革)を優先し、研究を志す学生は第7章を飛ばさないこと。
- 原典と併せて。 歴史の章を読むたびに、そこで論じられる思想家の短い抜粋を読むとよい。たとえば第2章の後にデューイを読む。
レポートのための文献探しには注と参考文献を使い、応用の各章では、対立する立場を自分の言葉でまとめ、自分がどこに立つかを決めてから先に進むとよい。
