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Principles of Accounting, Volume 2: Managerial Accounting(会計学原理 第2巻:管理会計) cover

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Principles of Accounting, Volume 2: Managerial Accounting(会計学原理 第2巻:管理会計)

Mitchell Franklin; Patty Graybeal; Dixon Cooper

英語原題: Principles of Accounting, Volume 2: Managerial Accounting

管理者が原価情報と業績情報をどのように使って計画・意思決定・評価を行うかを示す、オープンライセンスの管理会計入門書です。原価の概念と製品原価計算から、予算編成、差異分析、設備投資の意思決定へと進みます。OpenStaxがオンラインで無料公開しています。

前提知識: 第1巻のような財務会計の基礎知識があると役立ちますが、必須ではありません。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Franklin, M., Graybeal, P., & Cooper, D. (2019). Principles of Accounting, Volume 2: Managerial Accounting. OpenStax, Rice University. Free official edition: https://openstax.org/details/books/principles-managerial-accounting

章の要約

本書はOpenStaxの2巻本『Principles of Accounting』の後半にあたり、序文によれば会計専攻・専攻外の両方の学生を対象とする2学期制科目のうち、管理会計の部分のために書かれている。全13章は、経営者が会計に何を求めるか(第1〜2章)から始まり、CVP分析と製品原価計算のシステム(第3〜6章)、計画と統制(第7〜9章)、意思決定(第10〜11章)、業績評価とサステナビリティ報告(第12〜13章)へと進む。各章は主に学生や小規模事業を題材とする「Why It Matters」の場面で始まり、各節は学習目標に対応した要約で締めくくられる。巻末には第1巻と同じ付録(財務諸表分析、貨幣の時間価値、参考資料)と、多肢選択問題と設問の奇数番号の解答集がある。

第1章:経営者のツールとしての会計

管理会計を、内部の意思決定者に財務・非財務の情報を提供するものと定義し、経営者の仕事を計画、統制、評価の三つにまとめる。利用者や報告書の種類から検証の有無まで、財務会計との七つの違いを示し、管理会計はGAAPに従う必要がないことを指摘する。管理会計担当者のスキルとキャリアパス、米国管理会計士協会(IMA)とその倫理規程、サーベンス・オクスリー法と海外腐敗行為防止法、そしてERPシステム、リーン生産、TQM、JIT生産、リーン・シックスシグマ、バランスト・スコアカード、グローバル化、企業の社会的責任といった潮流を説明する。

第2章:管理会計の基礎

車を持つことにかかる固定費と変動費の話から始め、商品販売業、製造業、サービス業を比較し、それぞれの損益計算書の違いを示す。原価を固定費、変動費、準変動費、準固定費(段階的原価)に、また直接材料費、直接労務費、製造間接費、素価と加工費に分類し、関連範囲の重要性を強調する。続いて散布図と高低点法で準変動費を固定部分と変動部分に分ける方法を示す。最小二乗回帰は名前だけが挙げられ、より上級の科目に委ねられている。

第3章:CVP分析

学生クラブのTシャツ販売を軸に、単位当たり、比率、総額で表した貢献利益と、貢献利益方式の損益計算書を導入する。数量と金額での損益分岐点を計算し、価格、販売量、変動費、固定費が変化したときの感度分析を行い、売上構成に基づく複合単位を使って複数製品の損益分岐分析に広げ、最後に安全余裕度と営業レバレッジを扱う。

第4章:個別原価計算

個別原価計算と総合原価計算を対比し、三つの製品原価を個別原価計算システムの中で追う。材料出庫請求書、作業時間票、予定配賦率による製造間接費の配賦を、すべて製造指図書別原価計算表に記録する。原価が原材料から仕掛品、製品を経て売上原価へと流れる過程をたどり、配賦不足・配賦超過の製造間接費の処理と仕訳を示し、サービス業でも同じ手法が使えることを示す。

第5章:総合原価計算

家族経営のクッキー事業を例に、大量生産品のための総合原価計算を説明する。部門ごとの仕掛品勘定、加工費、材料費と加工費それぞれの完成品換算量、次工程や製品に振り替えられる単位の原価を扱い、最初の工程と後続の工程について計算と仕訳を行う。本章は平均法を用い、先入先出法は通常より上級の科目で扱うと述べている。

第6章:活動基準原価計算、直接原価計算、全部原価計算

労働時間、労務費、機械時間に基づく単一の配賦率による伝統的な製造間接費の配賦から始め、コスト・ドライバーと活動基準原価計算(ABC)の五つのステップを導入し、それぞれの方法がどのような企業に適するかを比べる。最後に、すべての製造原価を製品に負担させる全部原価計算と、変動費だけを負担させる直接原価計算を対比し、両者の利益の調整方法を示して、直接原価計算はGAAPでは認められないがCVP分析とは相性がよいことを指摘する。

第7章:予算管理

留学する学期のために計画を立てる学生と立てない学生を対比したうえで、経営者がなぜ、どのように予算を立てるかを説明し、ボトムアップ型、トップダウン型、ゼロベース予算を紹介する。販売予算、製造予算、直接材料費・直接労務費・製造間接費の予算、販売費及び一般管理費予算から見積損益計算書を作り、さらに設備投資予算、資金予算、見積貸借対照表を作るという総合予算を組み立てる。固定予算と変動予算を対比し、予算との差異を使って成果を評価する方法を示す。

第8章:標準原価と差異

キャンパスでコーヒーショップを計画する学生を追いながら、価格と数量の標準がどのように設定されるかを説明し、材料価格差異と数量差異、賃率差異と作業時間差異、変動製造間接費の予算差異と能率差異、二つの固定製造間接費差異(予算差異と操業度差異)を計算する。差異分析の目的は差異が生じた理由を突き止めることであり、製造業、小売業、サービス業のいずれも標準を使うことを強調する。

第9章:責任会計と分権化

集権的組織と分権的組織、それぞれでの意思決定の方法を比較し、五つの責任センター(原価センター、裁量的原価センター、収益センター、利益センター、投資センター)を示し、投資利益率と残余利益を導入して、経営者は管理可能な原価で評価されるべきだと論じる。最後に振替価格(一般モデル、市場価格基準、原価基準、交渉価格)と、国際的な振替における税、関税、為替の問題を扱う。

第10章:短期的意思決定

コーヒーショップで出る使用済みのコーヒー豆かすの話から始め、回避可能原価と回避不能原価、定性的要因を含む関連情報を定義する。これを五つの意思決定に適用する。特別注文の受諾・拒否(遊休生産能力の有無による)、部品の自製・購入、セグメントや製品の存続・廃止(配賦された共通費が問題になる)、分離点での販売と追加加工、そして制約資源1単位当たりの貢献利益で製品を順位づけする制約資源の使い方である。

第11章:設備投資の意思決定

選別の意思決定と選好の意思決定を含む設備投資予算のプロセスを説明し、回収期間法と会計的利益率法でプロジェクトを評価する。続いて貨幣の時間価値(一括払いと通常年金の現在価値・将来価値を表を使って求める)を教え、正味現在価値法と内部利益率法に応用する。最後の節では四つの方法の長所と短所を比較する。

第12章:バランスト・スコアカードとその他の業績指標

学生が営む清掃業を例に、目標の整合性のために業績測定がなぜ重要かを説明し、管理可能性、適時のフィードバック、短期・長期の指標の組み合わせなど、効果的な指標の特徴を挙げる。売上高利益率と資産回転率に分解した投資利益率、残余利益、経済付加価値を計算し、財務、社内ビジネス・プロセス、顧客、学習と成長の四つの視点からなるキャプランとノートンのバランスト・スコアカードを紹介する。

第13章:サステナビリティ報告

最終章はビジネスのサステナビリティとそれが価値を生む仕組みを定義し、企業に説明責任を求める流れを生んだボパールのユニオンカーバイド事故などの事例を紹介し、社会契約という考え方を含めて、株主、貸し手、従業員、顧客、政府、地域社会の情報ニーズを整理する。重要性の概念と三つの報告イニシアティブ(GRI、SASB、国際統合報告評議会の六つの資本)を紹介し、人工知能や今後労働者に必要となるスキルなど将来の課題で締めくくる。

主要概念

  • 計画・統制・評価:管理会計が支える経営者の三つの主な責任。
  • 原価態様:関連範囲の中で成り立つ固定費、変動費、準変動費、準固定費。
  • 高低点法:最高と最低の操業度から準変動費の固定部分と変動部分を推定する方法。
  • 貢献利益と損益分岐点:売上高から変動費を引いた額と、それが固定費をちょうど回収する販売量。
  • 安全余裕度と営業レバレッジ:売上高が損益分岐点をどれだけ上回るかと、営業利益が売上高の変化にどれだけ敏感か。
  • 個別原価計算と総合原価計算:受注品ごとに原価を集計するか、同一製品の原価を部門ごとに平均するか。
  • 予定配賦率:見積製造間接費を見積操業度で割ったもので、期中の配賦に使う。
  • 完成品換算量:仕掛中の単位を完成品何単位分にあたるかで表したもの。
  • 活動基準原価計算:複数のコスト・プールとコスト・ドライバーを通じて製造間接費を配賦する方法。
  • 全部原価計算と直接原価計算:固定製造間接費を製品原価に含めるか含めないか。
  • 総合予算・固定予算・変動予算:営業予算と財務予算の全体、そして一つの操業度で作る予算と実際の操業度に合わせて調整する予算。
  • 標準原価と差異:価格差異、数量差異、賃率差異、能率差異、予算差異、操業度差異。
  • 責任センター:原価センター、裁量的原価センター、収益センター、利益センター、投資センター。
  • 振替価格:同じ会社のセグメント間で受け渡す財の価格設定。
  • 関連原価:代替案の間で異なる原価と収益。埋没原価や回避不能原価は考慮しない。
  • 正味現在価値と内部利益率:設備投資の意思決定のための割引キャッシュ・フロー法。
  • ROI、残余利益、EVA:セグメントの業績を測る財務指標。
  • バランスト・スコアカード:財務、社内ビジネス・プロセス、顧客、学習と成長の指標を組み合わせて使う枠組み。
  • 重要性とサステナビリティ報告の枠組み:GRI、SASB、統合報告。

批判的分析

長所

  • 標準的な範囲を筋の通った順序で扱う。 原価態様とCVP分析から、個別・総合・活動基準原価計算を経て、予算、差異、関連原価、設備投資予算まで、入門的な管理会計科目が通常扱う内容をカバーしている。
  • 手順が明確に示されている。 ABCの五つのステップ、完成品換算量の計算、個別原価計算と総合原価計算の仕訳など、手続きが明示的なステップとして示されるため、学生は計算を追いやすい。
  • 意思決定への焦点。 第10章と第11章は各手法を代替案の選択として位置づけ、公式だけを示すのではなく、定性的要因や各設備投資評価法の長所と短所を挙げている。
  • 原価計算を超える内容。 責任会計、業績測定、サステナビリティ報告の章が会計数値を組織設計やより広い利害関係者の関心と結びつけ、第1章ではIMAの倫理規程と米国の法律を通じて倫理を取り上げている。
  • 演習と囲み記事。 各章に多肢選択問題、設問、2組の練習問題、2組の応用問題、Thought Provokersがあり、Your Turn、Think It Through、Concepts in Practice、Ethical Considerationsの囲み記事も加わる。いくつかの章では、Continuing Applicationの囲み記事で小売業者Gearhead Outfittersを繰り返し取り上げる。

短所

  • 難しい手法の扱いが簡略。 原価推定の最小二乗回帰と総合原価計算の先入先出法は名前が挙がるだけで上級科目に委ねられ、差異の章も基本的な差異に限られる。
  • 製造業と米国の視点が中心。 サービス業でもこれらの手法を使うと述べてはいるが、多くの例は製造業を前提とし、規制の文脈(SOX、FCPA、GAAP)は米国のものである。
  • 管理システムは入門レベル。 予算スラック、目標の整合性、従業員の動機づけは予算と業績の章で取り上げられるが、管理・インセンティブ・システム全体の設計は、より専門的なテキストに委ねられている。
  • 時期に依存する内容。 サステナビリティの章は、報告機関、基準、出来事(パリ協定に対する米国の立場を含む)を2019年頃の状況で記述しており、その後変化しているため、特にこの章は最新の資料で補う必要がある。
  • 学生向けの解答が限られる。 第1巻と同様、学生が見られるのは多肢選択問題と設問の奇数番号の解答だけで、練習問題と応用問題の解答は教員専用である。

コースにおける位置づけ

管理会計の科目では、本書は入門向けのRohde, Seal, Mustard, Garrison and Noreen『Management Accounting』と範囲が近く、原価態様、CVP分析、製品原価計算、予算、差異といった中核の章について、無料の最初のテキストや副読本として使える。また、リストにあるより詳しいテキスト、Drury and Tayles『Management and Cost Accounting』とDatar and Rajan『Horngren's Cost Accounting』への準備にもなる。これらは製品原価計算、原価配分、差異分析を、本書が扱わない手法も含めてさらに掘り下げる。

より専門的な書は重点が異なる。Merchant and Van der Stede『Management Control Systems』は、本書が第9章と第12章で導入するにとどまる管理、業績評価、インセンティブを深く扱い、Atrillらの『Management Accounting for Decision Makers』はより高い水準で各手法を意思決定の文脈に位置づける。それらに進む学生は、本書の第3章と第7〜12章を基本的な計算の復習に使える。

本書の使い方

第1巻のような財務会計の基礎知識があると、特に第4章と第5章の仕訳で役立つが、意思決定の章は算数だけで読める。原価の分類は全体を通じて使われるので、第1章と第2章を最初に読むべきである。第3章(CVP分析)は第6章の直接原価計算と第10章の意思決定の土台となり、第4〜6章は製品原価計算の一つのまとまりとして順に読むべきである。標準と差異は予算の上に成り立つので第7章と第8章は一緒に読み、第9章と第12章は業績評価についての組として読むことができる。

学習の際は、本書と同じように各計算を表にまとめ(貢献利益方式の損益計算書、完成品換算量の計算表、予算など)、解答を見る前に例題を自分でやり直し、Think It Throughの囲み記事を使って意思決定を言葉で説明する練習をするとよい。第11章の貨幣の時間価値の節は、付録Bとあわせて、ファイナンス科目への準備としても役立つ。

版と出典

本ガイドは、上級寄稿著者Mitchell Franklin、Patty Graybeal、Dixon Cooperによる『Principles of Accounting, Volume 2: Managerial Accounting』(OpenStax、2019年、ハードカバーISBN 978-1-947172-60-9)に基づき、https://openstax.org/details/books/principles-managerial-accounting の公式PDFで読んだ。序文、目次全体、各章の「Why It Matters」の導入部と節ごとの章末要約全文、さらに第2章の原価推定方法、第5章の総合原価計算の方法、第12章のバランスト・スコアカード、第13章のサステナビリティの事例、Continuing Applicationの囲み記事などの一部の箇所を参照している。