01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Daft, R. L. (2026). Management (15th ed.). Cengage.
章の要約
本書は6部19章に、付録、用語集、索引が付き、784ページである。経営の分野とその環境を扱う2つの部の後、各部は経営の古典的な4つの機能、すなわち計画、組織化、リーディング、統制に沿って進む。Cengage は、近年の研究がこの4つの機能のもとに整理されているとし、企業、政府、非営利組織からの550を超える事例を含むと述べている。
第I部 マネジメント入門:第1章 最先端のマネジメント/第2章 マネジメント思想の進展
第I部は、現在の状況でマネージャーが何をするかを紹介し、次にマネジメント思想がどう発展してきたかをたどる。出版社の「新規内容」リストによれば、両方の章で生成AIが論じられ、バーチャルなマネジメントも扱われている。
第II部 マネジメントの環境:第3章 環境と企業文化/第4章 グローバル環境でのマネジメント/第5章 倫理と社会的責任のマネジメント/第6章 スタートアップと新規事業のマネジメント
4つの章がマネジメントを文脈の中に位置づける。外部環境と社内の文化、グローバルなビジネス、倫理と社会的責任、そしてスタートアップや新規事業に特有の問題である。
第III部 計画:第7章 計画と目標設定/第8章 戦略の策定と実行/第9章 マネジメントの意思決定
計画の機能は3つの章で扱われ、目標と計画から戦略、そして意思決定へと進む。Cengage の新規内容のリストは、生成AIを第8章に置いており、この章にはオールドネイビーの戦略上の失敗の例も出てくる。
第IV部 組織化:第10章 組織構造の設計/第11章 イノベーションと変革のマネジメント/第12章 人材のマネジメント/第13章 多様性とインクルージョンのマネジメント
組織化は、構造、次にイノベーションと変革、そして人材と、多様性・インクルージョンのマネジメントを扱う。生成AIは第11章・第12章で取り上げられている。
第V部 リーディング:第14章 個人の行動の理解/第15章 リーダーシップ/第16章 従業員の動機づけ/第17章 コミュニケーションのマネジメント/第18章 チームを率いる
リーディングの部は、個人の行動から、リーダーシップ、動機づけ、コミュニケーション、チームへと進む。出版社は、第15章・第18章に新しいバーチャル・リーダーシップのモデルがあると述べている。
第VI部 統制:第19章 品質と業績のマネジメント
統制は1章で扱われ、その後に付録「バリューチェーンのマネジメント」が続く。
主要概念
第I〜II部:分野とその環境
- マネジメント思想の進展:第2章。
- 環境と企業文化:第3章のマネジメントの文脈。
- 倫理と社会的責任:第5章。
- スタートアップと新規事業:第II部の最後の章。
第III〜VI部:4つの機能
- 計画、戦略、意思決定:第III部。
- 組織構造、イノベーションと変革、人材、多様性とインクルージョン:第IV部。
- 個人の行動、リーダーシップ、動機づけ、コミュニケーション、チーム:第V部。
- 品質と業績、バリューチェーン:第VI部と付録。
批判的分析
長所
- なじみのある構成の枠組み。 4機能の構造は授業計画に対応させやすく、部の題名がそれを明確に示している。
- 事例の新しさ。 Cengage は、企業、政府、非営利組織の新しい事例が550を超えるとし、生成AI、リモートワーク、ESG への反発、DEI への反発といった最近のテーマを挙げている。
- 個人の関与を促す項目。 出版社は、各章の冒頭に「自分を知る」という個人向けの診断があり、各章に現実のマネジメント課題やスナップショット的な事例があると説明している。
- スタートアップと多様性の専用章。 目次は、スタートアップと新規事業、多様性とインクルージョンにそれぞれ独立した章を与えている。
短所
- 統制は手薄。 統制の機能は1章とバリューチェーンの付録のみで、他の機能にはそれぞれ3〜5章がある。
- 深さより幅広さ。 784ページ19章で経営学全体をカバーするため、各トピックは概観にとどまる。組織行動、戦略、オペレーションを深く学びたい読者には、専門書が必要である。
- 事例は古くなる。 最新の事例は生成AIやリモートワークなどの最近の話題と結びついており、それらが例示する枠組みよりも早く古くなる。
- 演習の情報がない。 出版社の資料は診断やケースを説明しているが章末問題には触れておらず、その質は目次からはわからない。
コースにおける位置づけ
Daft の Management は、計画、組織化、リーディング、統制を軸にした経営学原理の教科書である。Robbins、Coulter、Long の Management も同じ4機能の枠組みに立ち、簡潔な説明と短いケース、スキル育成の演習を組み合わせているため、両者の選択は主に文体や授業の好みの問題になる。Bright らの OpenStax Principles of Management も4機能を軸に構成され、無料なので、費用の低い代替、または第二の参考書になる。
Wren と Bedeian の The Evolution of Management Thought は経営思想の学術的な歴史で、Daft の第2章を掘り下げる。Hatch の Organization Theory は、モダニズム、象徴解釈、ポストモダンという三つの視点から組織を論じており、原理の授業の前提を問い直したい読者向けの上級の教科書である。
本書の使い方
本書は、経営系の学部1〜2年生が受ける最初の本格的な経営学の授業のために書かれており、組織がどう運営されているかの概観を必要とする他学部の学生にも向いている。ビジネスの事前の履修は必要ない。
実践的な読み方は次のとおり。
- 中核: 授業が4機能を提示する順に、第I部から第VI部まで読む。
- 時間が限られる場合: 第1、7、8、14〜16、19章が計画・リーディング・統制の骨格になる。組織化には第10章・第12章を加える。
- 自己診断: 各章を読む前に冒頭の診断に取り組み、読んだ後で答えと見比べる。
- 併用: 戦略と意思決定の章を、身近な組織のケースと突き合わせ、第2章の背景となる歴史には Wren と Bedeian を使う。
