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人類学

人類学

儀礼の過程:構造と反構造

Victor Turner

英語原題: The Ritual Process: Structure and Anti-Structure

通過儀礼における閾性とコムニタスの概念を探究する儀礼研究の画期的著作で、儀礼がいかに社会変容の空間と社会階層の一時的解体として機能するかを示している。

難易度レベル
中級
学術レベル
大学院
儀礼研究閾性コムニタス通過儀礼象徴人類学社会変容

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Turner, V. (1969). The Ritual Process: Structure and Anti-Structure. Aldine Publishing Company.

章の要約

本書は短く、Routledgeの書誌では約230ページ、全5章からなる。一連の講義から生まれた。ターナーは本書で、ザンビアのンデンブ人(Ndembu)の儀礼を検討し、「コムニタス」(communitas)の概念を展開する。出版社はこれを、あらゆる構造の形式を超えた絶対的な人間どうしの関係と説明している。彼はアーノルド・ファン・ヘネップ(Arnold van Gennep)の通過儀礼の「境界段階」(liminal phase)の考えをより一般的な水準に広げ、広範な社会現象に適用する。

第1章:Planes of Classification in a Ritual of Life and Death(生と死の儀礼における分類の諸平面)

第1章はンデンブ人の事例研究である。題からすると、生と死にかかわる儀礼のなかで働く分類の諸平面を検討している。

第2章:Paradoxes of Twinship in Ndembu Ritual(ンデンブ儀礼における双子のパラドクス)

ンデンブ人についての二つ目の研究で、双子を扱う。題は、この章が双子性がンデンブ儀礼のなかで引き起こすパラドクスを問題にしていることを示している。

第3章:Liminality and Communitas(境界性とコムニタス)

本書の理論的な中心。ターナーはここで、通過儀礼の境界段階、すなわちある地位から別の地位への移行の敷居の時期を取り上げ、それをコムニタスと結びつける。題は、本書が最もよく知られる二つの概念を並べている。

第4章:Communitas: Model and Process(コムニタス:モデルと過程)

第4章は、題が述べるとおり、コムニタスをモデルかつ過程としてさらに展開する。これは、ターナーが境界性の議論を広範な社会現象に適用するという出版社の説明と合致する。

第5章:Humility and Hierarchy: The Liminality of Status Elevation and Reversal(謙譲と階層:地位の上昇と逆転の境界性)

最終章は、地位が引き上げられ、あるいは逆転される儀礼を扱う。境界性の議論を謙譲と階層の関係に適用しており、儀礼が社会変化の生じ、実践に吸収される場になりうるという出版社の説明に沿っている。

主要概念

第1〜2章

  • 分類の諸平面:第1章の題にある用語で、ンデンブ人の生と死の儀礼における象徴の配列を捉えるために使われる。
  • ンデンブ儀礼:初期の章が拠って立つ、ザンビア由来の民族誌資料。
  • 儀礼におけるパラドクス:双子についての章が、儀礼上の扱いのなかに見いだす矛盾。

第3〜5章

  • 境界性:通過儀礼の敷居の段階。ターナーはファン・ヘネップの枠組みから、これを社会現象一般へと拡張する。
  • コムニタス:出版社が、あらゆる構造の形式を超えた絶対的な人間どうしの関係と説明するもの。
  • 構造と反構造:副題が示す対比で、本書はこれによって儀礼を社会構造と結びつける。
  • 地位の上昇と逆転:人々の地位が引き上げられたり、逆転されたりする儀礼。

批判的分析

長所

  • 射程の長い概念。 出版社は本書を小さな古典と呼び、儀礼的行動と象徴の分析が社会構造と社会過程を理解する鍵になりうることを示したと述べる。ターナーはファン・ヘネップから借りた境界性を、広範な社会現象へと拡張している。
  • 民族誌と理論の結合。 ロジャー・エイブラハムズ(Roger Abrahams)は改訂版の序文で、ターナーが具体的な現地調査資料から議論を組み立てたこと、そして大陸の理論と民族誌の報告をうまく総合したために本書が地位を得たことを書いている。5章のうち2章はンデンブ人の研究なので、理論は資料に結びついている。
  • 儀礼への別の見方。 出版社によれば、儀礼はかつて社会的保守主義の「痕跡器官」と考えられていたが、ターナーはそれを変化が生じうる場として扱う。儀礼を秩序の強化としてのみ読む見方に対する有益な対抗軸となる。
  • コンパクト。 5章なので、数回に分けて読み通せる。

短所

  • 民族誌の基盤が狭い。 二つの事例研究の章はンデンブ人を扱い、後の章は一般化を行う。読者は、これらの概念が他の社会にどこまで当てはまるかを問うべきである。
  • 型破りで幅広い議論。 本書は講義として始まり、エイブラハムズはこれを「多くの点で並外れて風変わり」と呼ぶ。ターナーの知的関心の広さを反映している。教科書的な概観ではなく、独自色の強い議論を期待すべきである。

コースにおける位置づけ

親族・宗教・儀礼のコースでは、『The Ritual Process』は儀礼理論の原典である。Stephensonの Ritual: A Very Short Introduction とBieloの Anthropology of Religion: The Basics は、学者が儀礼と宗教にどう取り組んできたかを説明する短い入門書で、適切な予備知識になる。Steinらの The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft は、入門的な水準で民族誌の事例を提供する。

ダグラスの Purity and Danger は最も近い古典の相棒である。やはり儀礼と象徴についての古典だが、主題は移行や地位ではなく、清浄と汚染である。Bellの Ritual Theory, Ritual Practice は、学者たちが儀礼をどう捉えてきたかを概観し、儀礼を実践として理解することを提案する後年の書で、自然な次の一冊である。Carstenの After Kinship とLancyの The Anthropology of Childhood は、コースの家族・親族の側面を扱う。

本書の使い方

本書は、宗教の人類学の基礎を学んだ学部生や大学院生、また「境界性」と「コムニタス」という語の出典を知りたい人に向いている。ターナーはファン・ヘネップの通過儀礼の境界段階の考えに拠っているので、儀礼についての短い入門書を先に読むと役に立つ。

読む順序の例:理論の核心である第3章から始め、続けて第4章でコムニタスがどう展開されるかを見る。そのあと第1〜2章に戻り、議論を支えるンデンブ人の資料を読み、最後に地位の上昇と逆転を扱う第5章で締める。時間が限られているなら、第3〜4章が不可欠の一組である。

読みながら、ターナーが境界的な状態とコムニタスに帰している特徴を書き出し、自分が知っている通過儀礼や巡礼で試してみるとよい。そのうえでダグラスと比べる。ダグラスが、社会はどのように分類し、ものを切り離すのかを問うのに対し、ターナーは、地位と地位のあいだの敷居の段階で何が起こるのかを問う。