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The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft(宗教・魔術・呪術の人類学) cover

人類学

人類学

The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft(宗教・魔術・呪術の人類学)

Rebecca L. Stein; Philip L. Stein; Benjamin R. Kracht; Marjorie M. Snipes

英語原題: The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft

人類学の概念と民族誌的事例を通じて、宗教的な信念と実践を学ぶ入門書です。儀礼、象徴、治療、魔術、呪術を文化的文脈の中で考察し、特定の伝統を珍しいものとして扱わず比較します。宗教人類学を学び始める学生に適しています。

前提知識: 人類学や宗教学の予備知識は前提としない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
anthropology of religionritualmagicwitchcraft教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Stein, R. L., Stein, P. L., Kracht, B. R., & Snipes, M. M. (2025). The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft (5th ed.). Routledge.

章の要約

第5版は全12章からなる。各章は結語、要約、学習のための問いで終わり、多くの章には、番号付きのコラム(長めの事例)、表、そして出版社がこの版の特色として挙げる短い「余白の事例(マージナリア)」がある。Routledgeは414ページ、白黒図版114点と記載している。

第1章:The Anthropological Study of Religion(宗教の人類学的研究)

基礎を扱う章。節は、文化の概念、文化相対主義と倫理、人類学の四分野、全体論的アプローチ、民族誌的フィールドワーク(ニューギニアのフォレ族の例とキオワ族のフィールドワークのコラムを含む)に及ぶ。続いて宗教研究の理論的アプローチ(進化論的、マルクス主義的、機能主義的、解釈的、心理社会的、生物認知的、ポストモダン)を概観し、宗教を定義する試みを取り上げ、宗教の従属変数と独立変数を示す。世界の文化領域と食料獲得戦略の表が付く。

第2章:Religious Symbols(宗教的象徴)

象徴とは何か。卍、五芒星、キリスト教の象徴などの例、聖なる芸術と建築(マヤの建築と聖体顕現〈ヒエロファニー〉)、色の意味、聖なる空間と時間(マヤの時間観、オーストラリアのトーテミズムとドリームタイム)、音楽と舞踊の象徴、入れ墨やその他の恒久的な身体変工が扱われる。

第3章:Mythology(神話)

神話の性質、世界観、口承テクスト。分析の方法は、19世紀の起源探しから、機能的、構造的、心理学的な読み方に及ぶ。共通の主題は、起源神話、出現神話、終末神話、英雄神話で、ナバホの創世物語と映画における「単一神話」(モノミス)の表が添えられる。

第4章:Ritual(儀礼)

儀礼の実演の基本と、儀礼の分類。技術的儀礼、保護儀礼、占い儀礼、治療儀礼と反治療儀礼、イデオロギー的儀礼(供物と犠牲。マヤの自己犠牲を含む)、強化儀礼である。通過儀礼とその移行・リミナリティ、再活性化の儀礼、身体変工、巡礼(ハッジ、ウイチョル族とズニ族の巡礼)、禁忌を含む宗教的義務も扱われる。

第5章:Altered States of Consciousness(変性意識状態)

変性意識状態の性質とそこに入る方法(断食、聖なる痛み)、その生物学的基盤、そして民族誌上の事例。サン族の治癒儀礼、シャイアン族のサンダンス、ホーリネス教会と蛇をつかむ人々、さらに南米のシャーマニズムからペヨーテとネイティブ・アメリカン・チャーチまでの幻覚剤による状態が扱われる。

第6章:Religious Specialists(宗教的職能者)

シャーマン(なり方、役割、シベリア、ヤクート、韓国のシャーマニズム、ペンテコステ派の治療者、ネオ・シャーマニズム)、司祭(ズニの司祭、沖縄の女性祭司、東方正教会の司祭、アトス山の修道士)、そしてキオワ族のフクロウの預言者のようなその他の職能者。

第7章:Magic and Divination(呪術と占い)

呪術の性質、宗教との関係、その規則(類感呪術と感染呪術)、トロブリアンド諸島、アザンデ族、キオワ族、ウィッカにおける呪術、易経、神判、占星術、神託などの占いの諸形態、そして呪術的思考と呪術が効くと信じられる理由。

第8章:Souls, Ghosts, and Death(魂、幽霊、死)

魂の観念(ユピック、ヤノマミ、モン、カトリック、ヒンドゥー教と仏教)、祖先、幽霊、吸血鬼とゾンビ、そして葬送の慣行からハロウィーンや死者の日に至る死の儀礼。

第9章:Gods and Spirits(神々と霊)

霊(日本の神〈カミ〉、守護霊、ジンを含む)、神々の種類と社会との関係、女神、ユダヤ教・キリスト教・イスラームの一神教、無神論。

第10章:Witchcraft, Sorcery, and Wizardry(妖術、邪術、魔法使いの術)

妖術、邪術、魔法使いの術を区別し、アザンデ族、ズニ族、フォレ族、キオワ族の事例を検討する。そのうえで欧米の妖術信仰とヨーロッパの魔女狩りの熱狂、現代の魔女狩り、ネオ・ペイガニズムとウィッカに移る。

第11章:Magic, Medicine, and Religion(呪術、医療、宗教)

宗教と治癒についての新章。説明モデル、疾患(disease)と病い(illness)、保健医療の各部門にいる治療者、人格論的医療体系と自然論的医療体系、体液病理学と生物医学の台頭、臨床の場における宗教を扱う。

第12章:The Search for New Meaning(新たな意味の探求)

再活性化運動(ヴォドゥン、サンテリア、カーゴ・カルト、ゴースト・ダンス、モルモン教)、原理主義、要求の高い宗教と「カルト」問題、そして「スピリチュアルだが宗教的ではない」といった新たな方向。

主要概念

第1–4章

  • 文化相対主義:信念や実践をそれ自体の基準で研究すること。倫理の議論とともに導入される。
  • 聖体顕現と聖なる空間:聖なるものが場所に現れること。マヤの建築に見られる。
  • 通過儀礼とリミナリティ:地位の変化を儀礼で印づけるもので、その間に敷居の段階がある。
  • 再活性化:文化を新たにする儀礼と運動。

第5–8章

  • 変性意識状態:断食から幻覚剤まで、誘発される状態で、宗教体験と結びつく。
  • シャーマンと司祭:対照的な宗教的職能者。
  • 類感呪術と感染呪術:第7章における呪術の二つの規則。
  • 占い:超自然的な手段で知識を得る技法。

第9–12章

  • 妖術、邪術、魔法使いの術:有害な力の異なる区分(第10章)。
  • 説明モデル:ある医療体系が病いをどう説明するか(第11章)。
  • 要求の高い宗教:第12章で検討される集団。

批判的分析

長所

  • 明快な教育的構成。 各章は結語、要約、学習のための問いで終わり、出版社によれば各章が前の基礎を復習して、学生が学んだことをつなげられるようにしている。付属のウェブサイトには、インタラクティブな活動、事例研究、更新された学習のための問いがある。
  • 幅広い主題と事例。 12章は、象徴と神話から、儀礼、トランス、職能者、呪術、死、神々を経て、妖術と新しい宗教運動までに及び、事例は世界の多くの地域から取られている。
  • 北米先住民の資料が充実。 キオワ族の事例は第1、6、7、9、10章に現れ、著者のフィールドワークに対応している。出版社はさらに、この版には特に先住民コミュニティからの新しい事例資料があり、序論が改訂されて、宗教人類学の脱植民地化を後押ししていると述べる。
  • 有用な追加。 宗教と治癒についての新章、象徴、治癒、魔法使いの術についての記述の拡充、教室での事例のきっかけとして使える余白の事例。

短所

  • 理論が圧縮されている。 七つの理論的アプローチが第1章の一つの節にまとめられており、理論をもっと扱いたい授業では一次文献が必要になる。
  • 深さより広さ。 第4章や第8章のような章は、数十の短い事例を駆け足で通り過ぎる。概観には向くが、持続的な民族誌の余地は少ない。
  • 伝統別ではなく主題別の構成。 一つの伝統に関する材料が複数の章に分散している。ユダヤ教、キリスト教、イスラームは第9章の一神教の項に、ヒンドゥー教と仏教の魂の観念は第8章にある。一つの宗教を体系的に知りたい学生は、別の資料が必要になる。

コースにおける位置づけ

親族、宗教、儀礼の書目のなかで、Steinらの本は、幅広く事例に基づく最初の教科書である。James BieloのAnthropology of Religion: The Basicsは、研究者が立てる問いを軸に構成された、より短い入門書で、短期の授業ではこちらを先に読むか、代わりに使うこともできる。Barry StephensonのRitual: A Very Short Introductionは、儀礼がどう理論化されてきたかを短く概観する。

第4章の主題については、Victor TurnerのThe Ritual Processが通過儀礼におけるリミナリティとコミュニタスを論じ、Mary DouglasのPurity and Dangerが汚れと禁忌を分析し、Catherine BellのRitual Theory, Ritual Practiceは儀礼を実践として捉えることを提案する理論的な研究である。いずれも、この教科書が数ページで扱う節を深めてくれる。Janet CarstenのAfter KinshipとDavid LancyのThe Anthropology of Childhoodは、宗教よりも家族と関係性を扱うもので、別の方向である。

本書の使い方

宗教人類学を学び始める学生、また比較的で事例に基づくアプローチを求める宗教学・社会学の学生に向く。人類学や宗教の予備知識は不要で、第1章が必要な語彙を与えてくれる。

実際的な進め方は次のとおり。

  • 中心: 第1章から第4章を順に読む。後の章が、文化、象徴、神話、儀礼の概念に依拠しているためである。
  • 関心に応じて選ぶ: 第5章から第9章はどの順でも読める。第7章と第10章、第8章と第9章は組み合わせるとよい。
  • 応用的な主題: 新設の治癒の章である第11章は、医療人類学や健康研究の授業に、第12章は社会運動と変化の授業に向く。
  • 学習の補助: 学習のための問いと余白の事例を議論のきっかけに使い、各章を同じテーマの民族誌と組み合わせる。