01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Douglas, M. (1966). Purity and Danger: An Analysis of Concepts of Pollution and Taboo. Routledge & Kegan Paul.
章の要約
本書は序論と全10章からなる。出版社の紹介によれば、主題は「清浄」への関心であり、ダグラスはそれをあらゆる社会に共通する中心的なテーマと見なし、社会、価値、宇宙観、知識に対する人々の態度にどう影響するかをたどる。2002年のRoutledge Classics版には、本書の現在までの意義を評価した著者の序文が加えられている。
序論
序論は、清浄・汚染・タブーの観念をめぐる探究を開く。本書と最も結びつけられる定式は、汚れとは「場違いの物」(matter out of place)だというものである。この見方では、何が汚れとされるかは、衛生だけでなく、社会が物事をどう秩序づけているかによって決まる。
第1章:Ritual Uncleanness(儀礼的不浄)
第1章は儀礼的不浄、すなわちある物や状態が人を儀礼上ふさわしくない者にするという観念を扱う。なぜ社会が特定のものを汚染的と見なすのかを問う出発点である。
第2章:Secular Defilement(世俗的な穢れ)
第2章は、宗教的でない日常的な場面での穢れに目を向ける。第1章と並べて読むと、本書が聖なる汚れの観念だけでなく、ふつうの汚れの観念も扱っていることがわかる。
第3章:The Abominations of Leviticus(レビ記の忌むべきもの)
最もよく知られた事例研究は、ヘブライ語聖書の食物規定である。ダグラスは初版で、禁じられた動物はイスラエル人の創造の分類に収まらない動物であると論じた。この読みは、律法を原始的な衛生規則や恣意的な服従の試験としてではなく、象徴的な境界維持として捉えるものである。2002年の序文で彼女は、この説明は誤りだったと述べ、食物規定は身体と祭壇を互いに対応させているのだと提案した。したがって、この章はその序文と併せて読むべきである。
第4〜5章:Magic and Miracle(魔術と奇跡);Primitive Worlds(未開の世界)
この2章は、ヘブライ語聖書の事例から、魔術と奇跡、そして著者が「未開の世界」と呼ぶものへと枠組みを広げる。目次には章題しか示されていないので、詳しい議論は本文で確かめてほしい。
第6〜7章:Powers and Dangers(力と危険);External Boundaries(外部の境界)
章題から見ると、この2章は、社会のカテゴリーをまたぎ、あるいは脅かすものに帰せられる力と危険、そして社会集団の外部の境界へと進む。
第8〜10章:Internal Lines(内部の境界線);The System at War with Itself(自己と戦う体系);The System Shattered and Renewed(打ち砕かれ、更新される体系)
最後の諸章は、章題が示すとおり、社会体系の内部に引かれた線、自己と戦う体系、そして打ち砕かれたのち更新される体系へと向かう。出版社の紹介は、これらの章をそれ以上詳しく分けてはいない。
主要概念
序論と第1〜3章
- 清浄と汚染:本書の中心となる対概念で、ダグラスはこれがあらゆる社会に存在すると見る。
- 汚れとは場違いの物:本書で最も知られた定式。汚れは物の物理的性質ではなく、分類の乱れによって定義される。
- 儀礼的不浄と世俗的な穢れ:本書が最初に汚染の規則を検討する二つの場面。
- タブー:こうした分類に結びついた禁止で、レビ記の食物規定を通して論じられる。
第4〜10章
- 象徴的な境界:章題に挙げられた外部と内部の境界線で、本書はこれを社会秩序と結びつける。
- 分類の体系:その安定、緊張、更新を最終部の諸章が検討する枠組み。
批判的分析
長所
- 射程の広い問い。 出版社は、本書が清浄への関心を宗教、社会理論、価値、宇宙観、知識に結びつけていると強調する。この幅広さのために、人類学の外でも広く読まれている。
- 明快で記憶に残る主張。 出版社が引く書評は文章を称賛している。New Society は優雅で明晰かつ論争的だと評し、Times Literary Supplement(TLS)は思考が働いているさまを見せると述べた。1991年にはTLSが、本書を1945年以降に出版された最も影響力のあるノンフィクション100冊に挙げている。
- 著者が自らの議論を見直している。 2002年の序文により、ダグラス自身がレビ記の章をどう再評価したかがわかり、理論が著者本人によって修正される有用な例となっている。
短所
- レビ記の解釈は著者自身が退けている。 ダグラスは食物規定についての最初の説明を撤回したので、1966年の議論をそのまま受け取る読者は、彼女の最終的な見解とずれてしまう。
- 比較による議論であって民族誌ではない。 目次は一つの調査地ではなくテーマ別に組まれており、出版社も本書を概念の分析と説明している。まとまった現地調査資料を求める読者は、民族誌の研究書と併せて読むとよい。
- 用語が古い。 章題の「Primitive Worlds」は1966年の用法を反映しており、当時の文脈で読む必要がある。
コースにおける位置づけ
親族・宗教・儀礼のコースでは、『Purity and Danger』は他の書物が論じる原典にあたる。Bieloの Anthropology of Religion: The Basics とStephensonの Ritual: A Very Short Introduction は、問いや理論を軸に組まれた短い概観で、この分野が初めてなら最初に読むのに向いている。Steinらの The Anthropology of Religion, Magic, and Witchcraft は、民族誌の事例を伴う入門的な教科書である。
ダグラスの著作は、ンデンブ人の資料に基づく儀礼研究であるTurnerの The Ritual Process や、学者たちが儀礼をどう捉えてきたかを概観し、儀礼を実践として捉える考えを提案するBellの Ritual Theory, Ritual Practice と組み合わせて読むのが自然である。Carstenの After Kinship とLancyの The Anthropology of Childhood はコースの家族・親族の側面を扱い、汚染を直接論じるものではない。
本書の使い方
『Purity and Danger』は、短い入門書などで宗教と儀礼への人類学的アプローチの基本的な見取り図を得ており、古典的な理論的議論を読みたい学生に向いている。教科書ではなく思想の書なので、ゆっくり読み、メモを取ると報われる。
進め方の例:まず序論と第1〜2章で問題と中心的な定式をつかむ。次に第3章を、Routledge Classics版にある著者の2002年の序文と合わせて読み、彼女の解釈がどのように、なぜ変わったかに注意する。第4〜5章は議論を比較の枠組みに置く。第6〜10章は議論を展開する部分で、1章ずつ一気に読み、述べられている境界が社会構造にどう対応するかを短くメモするとよい。各事例について、何が分類されているのか、何が「場違い」とされるのかを問うこと。
さらに、ある儀礼についての短い民族誌を組み合わせ、ダグラスの分類への強調とTurnerの過程への強調を比べてみるとよい。
