01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Eriksen, T. H. (2014). Globalization: The Key Concepts (2nd ed.). Bloomsbury Academic (now published by Routledge).
章の要約
第2版はKey Conceptsシリーズの一冊で、約210–224ページの短い教科書である。序文、序論、それぞれ一つの概念を題名とする9つの章、そして後書きから成る。オスロ大学の社会人類学者Thomas Hylland Eriksenは、グローバル化は本質的に二重の過程であり、上からも下からも進行すること、そして世界を縮めると同時に人々に互いの違いをいっそう意識させることを論じる。出版社と、Anthropological Notebooks に掲載されたCecilie Endresenの書評(2015年)によれば、各章には囲み記事のケーススタディ、短い導入、箇条書きの要約、レポート・討論用の問い、解説付きの読書案内がある。
序論:Introduction: A Shrinking Planet(縮みゆく惑星)
序論は出発点を示す。世界の人口の大多数がいまや貿易、旅行、生産、メディア、政治を通じて結びついている一方で、各地の人々は自らのアイデンティティを根づかせ続けようとしている。Endresenは、グローバル化は差異と不平等について語るための共通の文法を生み出し、そのため摩擦と対立はこの過程の一部であるという序論の主張を引用している。
第1章:Disembedding(脱埋め込み)
社会生活が地域的な文脈から抽象的なシステムへと引き離される仕組みを扱う。節は、距離と抽象化から始まり、抽象的な時間、コミュニケーション手段としての貨幣、抽象的な音楽、印刷と工場、グローバル化の雛形としてのナショナリズムを経て、脱埋め込みされた友情、新自由主義経済学、脱埋め込みへの批判へと進む。
第2章:Speed(速度)
グローバル化の特徴としての加速を扱う。時間と空間の圧縮、加速する変化、トーマス・フリードマンの「フラット化の要因」、メディアにおける加速、ピエール・ブルデューの悲観論、同時性、そして世界における速度の不均等である。
第3章:Standardization(標準化)
グローバルな近代の標準とその現代的な形態を扱う。陳腐化、二言語使用、「無のグローバル化」、「マックワールドとその不満」、ワープロソフトのMS Word、輸送用コンテナを取り上げ、標準化への抵抗で終わる。Endresenは、世界的に標準化されていながら各地で独特の性格を帯びるマクドナルドが、繰り返し例として使われていると指摘している。
第4章:Connections(つながり)
方法論的ナショナリズムへの批判に続いて、ネットワーク社会、コミュニケーション・ネットワーク、ネットワーク化されたグローバル経済という問い、下からのグローバル化、グローバル・ガバナンス、翻訳、送金と安価な通話、サッカー、選択された切り離しと強いられた切り離し、スラムの拡大、そしてつながりに伴う断絶を扱う。
第5章:Mobility(移動性)
トランスナショナルな移民とつながり、国民国家のアウトソーシングという問い、観光の拡大、観光客と難民の対比、遠隔地ナショナリズム、ジェンダー化された移民、ノスタルジアを扱う。
第6章:Mixing(混淆)
文化的混淆の諸形態、ハイブリディティとクレオール化の概念、ワールドミュージック、そしてEriksen自身がフィールドワークを行ったモーリシャスの混成家族のケーススタディを扱い、混淆のモデルで締めくくる。
第7章:Risk(リスク)
自然のリスクと人為的に作り出されたリスク、知覚されたリスクとその現実の帰結、侵略的外来種、気候変動とグローバルな民主主義、専門家システムへの信頼の揺らぎ、グローバルなリスクへの地域的な対処、テロとの戦い、人権と安全保障を扱う。
第8章:Identity Politics(アイデンティティ・ポリティクス)
政治化された文化の概念と、グローバル化への応答としてのアイデンティティ・ポリティクスを扱い、アイデンティティ・ポリティクスの「文法」、先住民の戦略、ディアスポラにおける再埋め込み、信頼と社会関係資本、ネオナショナリズムとイスラーム主義の比較、人権を論じる。Endresenは、純粋性と真正性の追求、そして集合的アイデンティティの分極化はグローバル化の産物であるというこの章の議論を評価している。
第9章:Alterglobalization(オルターグローバリゼーション)
グローバル化そのものの拒否ではなく、別のグローバル化を求める運動を扱う。抗議運動、トランスナショナルなオキュパイ運動、グローバル・サウスにおけるオルターグローバル化の戦略、スローネス運動、そして「アラブの春」からスノーデン事件に至る出来事である。
後書き:Afterword: An Overheated World(過熱する世界)
後書きは、あまりに多くのやりとりが同時に起きている世界を表す「過熱」という比喩を導入する。Endresenの要約によれば、それは指数関数的な成長、加速する変化、そして全体像と予測可能性の喪失につながる。
主要概念
序論と第1–3章
- 上からと下からのグローバル化:グローバルな過程は強大な制度と普通の人々の双方によって動かされるという、本書の中心命題。
- 脱埋め込み:社会関係が地域的な文脈から、貨幣、時計の時間、国民といった抽象的なシステムへと移されること。
- 時間と空間の圧縮と加速:距離の縮小と変化の加速。
- 標準化:コンテナからソフトウェアに至る共通のグローバルな規格と、それへの抵抗。
第4–6章
- 方法論的ナショナリズム:第4章で批判される、国民国家を自明な分析単位とみなす習慣。
- ネットワーク社会:コミュニケーション・ネットワークを通じて組織される世界。
- トランスナショナルな移民と遠隔地ナショナリズム:複数の国にまたがる生活と忠誠。
- ハイブリディティとクレオール化:文化的形態の混淆。
第7–9章と後書き
- 人為的リスク:気候変動のように、人間の活動が生み出す危険。
- アイデンティティ・ポリティクスと再埋め込み:グローバル化への応答として根づきを取り戻そうとする試み。
- オルターグローバリゼーション:別のかたちのグローバル化を求める運動。
- 過熱:歯止めなく同時多発的に変化する世界を表す後書きのイメージ。
批判的分析
長所
- 概念ごとの構成。 それぞれ一つの考え方を中心に組み立てられた9つの短い章は、どのような事例にも適用できる語彙を学生に与える。Endresenは、各章の見出しがわかりやすく、授業で討論するための問いが付いていることを指摘している。
- 平易だが単純化しすぎない。 Endresenは、Eriksenが学問の境界を越えて複雑な問題を平易に説明するのにふさわしい書き手だと評し、経験的な事例の多様さを称賛している。本書はグローバル化を単純に善とも悪ともせず、人々の生活に異なる影響を及ぼす複雑なものとして扱う。
- 教育用の装置。 各章のケーススタディ、要約、討論の問い、解説付きの読書案内によって、教室での利用にも独習にも適している。
- 刊行時点では新しい。 第2版は大幅に改訂されており、目次にはオキュパイ運動、「アラブの春」、スノーデン事件、気候変動に関する内容が見られる。
短所
- 宗教の扱いが弱い。 Endresenは、宗教とグローバル化についての扱いが薄く、ついでのように主にイスラームとの関連で触れられるだけで、関連文献もほとんど引かれていないと指摘する。彼女は、「イスラーム主義」という語の不正確な使い方や、それを標準化への抵抗とする特徴づけ、ファトワを死刑宣告と同一視する箇所など、具体的な主張や用語にも疑問を呈している。
- 英語圏の文献。 Endresenは、参考文献が一つの例外を除いて英語で、主にイギリスとアメリカの大学に所属する研究者のものだと述べている。
- 短い項目。 各概念には数節から成る1章しか割かれておらず、本書はいずれかの論争を十分に扱うものではなく、論争への入門である。2014年以降の出来事は扱われていない。
コースにおける位置づけ
グローバル化の人類学のリストの中で、Eriksenは概念上の出発点である。他の本が開発や植民地主義に適用する語彙(脱埋め込み、標準化、移動性、ハイブリディティ、アイデンティティ・ポリティクス)を与えてくれる。Emma CreweとRichard Axelbyの Anthropology and Development は、開発を援助供与者、政府、組織、そして支援の対象となる人々のあいだの関係として扱う入門教科書で、Eriksenのつながり、移動性、オルターグローバリゼーションの章と自然に組み合わせられる。Katy GardnerとDavid Lewisの Anthropology and Development は、1990年代以降に開発の思想と実践がどう変わったかをより批判的に論じ、開発産業が狭く技術官僚的になったと主張する。
二つの古典は批判をさらに推し進める。Talal Asad編の Anthropology and the Colonial Encounter は、人類学の植民地的起源とその知に組み込まれた権力関係を検討し、文化の政治をめぐるEriksenの議論に歴史的な深みを与える。Arturo Escobarの Encountering Development は、戦後の開発言説が「第三世界」を介入の対象として作り出したと論じる。持続的な理論的議論であり、Eriksenと開発の教科書の一冊を読んだ後に読むのがよい。
本書の使い方
本書はグローバル化研究に初めて触れる学生のために書かれており、予備知識を必要としない。人類学、社会学、地理学、国際関係学の1・2年生に向いている。
- 序論と第1章から始める: 脱埋め込みは後の章の土台となる。
- 中核となる流れ: 第2–5章(速度、標準化、つながり、移動性)が主要な過程を扱う。
- テーマで選ぶ: 文化とハイブリディティなら第6章、環境とリスクなら第7章、アイデンティティとナショナリズムなら第8章、社会運動なら第9章。後書きは短く読みやすい総括である。
- 装置を活用する: 討論の問いには身の回りの事例を使って答え、解説付きの読書案内をレポートの文献選びに使う。
書評者の批判が示すように、宗教とグローバル化については第8章を専門的な文献で補う。事例は2013年ごろまでで終わっているので、各概念を自分で選んだ最近の事例で更新してみるとよい。それは概念を理解できたかどうかを確かめる最良の方法でもある。
