01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Wade, L., & Ferree, M. M. (2022). Gender: Ideas, Interactions, Institutions (3rd ed.). W. W. Norton & Company.
章の要約
第3版は、序論、番号付きの12の章、結論からなり、印刷ページ数は約500(Norton UKの表記は496)である。出版社は本書を、理論的概念と日常生活への応用を行き来しながら、歴史、大衆文化、時事問題からの例を用いる、親しみやすく包摂的なジェンダー社会学の入門書と説明している。第3版は全体を通じて、より包摂的でインターセクショナルになるよう改訂され、ノンバイナリーとトランスの経験についての扱いが拡充され、新型コロナウイルス感染症が家族と労働に与えた影響についての新しい議論が加わったとされる。出版社の目次は章の題名のみを示すため、以下の記述は題名と出版社の説明に沿った範囲にとどめる。
序論(Introduction)
冒頭の部分が本書の枠組みを示す。副題は三つの分析水準、すなわち観念、相互行為、制度(Ideas, Interactions, Institutions)を挙げており、初版の紹介文には、学生が授業にしばしば持ち込む問いが、読みやすい各章の枠組みになっているとある。
第1–4章:観念、身体、パフォーマンス、交差(Ideas; Bodies; Performances; Intersections)
最初の4章の題名はいずれも一語である。「Ideas」が最初に来て副題の最初の語に対応し、「Bodies」と「Performances」が続く。「Intersections」はインターセクショナリティに独立した章を与えており、第3版が全体を通じてより包摂的でインターセクショナルになるよう改訂されたという出版社の説明と整合する。
第5–6章:不平等:男性性、不平等:女性性(Inequalities: Masculinities; Inequalities: Femininities)
題名のとおり、この2章は対になっており、男性性と女性性という二つの側面からジェンダー不平等を検討する。
第7–8章:制度、変化(Institutions; Change)
「Institutions」は副題の最後の語に対応し、「Change」がそれに続くので、配列は制度から変化へと進む。
第9–12章:セクシュアリティ、家族、仕事、政治(Sexualities; Families; Work; Politics)
残りの章は、この枠組みを社会生活の四つの領域、すなわちセクシュアリティ、家族、仕事、政治に当てはめる。出版社は、第3版で新型コロナウイルス感染症が家族と労働に与えた影響の議論が新たに加わった点を強調している。
結論(Conclusion)
本書は結論で閉じられる。目次はこれ以上の詳細を示していない。
主要概念
第1–4章:観念、身体、パフォーマンス、交差
- ジェンダーについての観念:第1章の主題で、副題の最初の語に対応する。
- 身体とパフォーマンス:第2章と第3章の主題。
- インターセクショナリティ:第4章の主題であり、出版社によれば全体を通じた改訂の主題でもある。
第5–8章:不平等、制度、変化
- 不平等の場としての男性性と女性性:二つの「Inequalities」章。
- 制度:副題と第7章に示される、本書の第三の分析水準。
- 変化:第8章の主題。
第9–12章:社会生活の領域
- セクシュアリティ、家族、仕事、政治:章題に挙げられた四つの領域。
- ノンバイナリーとトランスの経験:出版社によれば第3版で扱いが拡充された内容。
批判的分析
長所
- 明快な三水準の枠組み。 副題は観念、相互行為、制度を挙げ、章題の「Ideas」と「Institutions」がその最初と最後を示すため、学生にとって簡明な見取り図となる。初版の紹介文は、問いが各章の枠組みになっていると付け加えている。
- 組み込まれたインターセクショナリティ。 交差を扱う独立した章と、出版社の言う全体にわたる改訂により、これは付け足しではなく中心的な主題となっている。この版ではノンバイナリーとトランスの経験の扱いも拡充されている。
- 学生に身近な領域への応用。 セクシュアリティ、家族、仕事、政治の章により、授業は概念から身近な場面へ移れる。初版の紹介文は、例が大衆文化、歴史、心理学、生物学、日常生活から取られていると述べている。
- 教科書としての支援。 Nortonは教員向け資料として300問のテストバンク、34本のストリーミング動画、スライドを挙げ、単体の電子書籍も提供している。
短所
- グローバルな焦点を掲げた章がない。 どの章題にも、国境を越えた、あるいは比較の枠組みを示すものはない。コンネルとブリッジズの『Gender: In World Perspective』はその枠組みの上に作られている。
- 1学期の授業には分量が多い。 14の単位と496ページがあるため、この本だけを使う授業では章を選ぶか圧縮する必要がある。
- 教科書であって原典ではない。 著者たちの語りで書かれた入門書であり、理論家自身の議論に触れたい学生は一次文献を読む必要がある。
コースにおける位置づけ
ジェンダーの書目の中で、本書は幅広い内容の教科書であり、自然な最初の一冊である。レイウィン・コンネルとトリスタン・ブリッジズの『Gender: In World Perspective』は、ジェンダーを社会構造として扱い、多くの国の研究を用いる短い入門で、とくにグローバルな視点を求める場合に、よい併読書、あるいはより軽い代替となる。ジェフリー・ウィークスの『Sexuality』はセクシュアリティの社会的・歴史的研究への短い入門で、第9章と並べて読める。
残りの本は、教科書のあとに読む作品である。ジュディス・バトラーの『Gender Trouble』は、ジェンダーが反復される遂行であるという議論を展開しており、「Performances」の章のあとに読める。パトリシア・ヒル・コリンズの『Black Feminist Thought』は、黒人女性の知と、人種・ジェンダー・階級・権力の交差する体系を扱い、「Intersections」の章を発展させる。コンネルの『Masculinities』は、男性性を実践の配置として詳しく論じており、「Inequalities: Masculinities」の章のあとに読める。
本書の使い方
本書は、ジェンダー社会学やジェンダー研究の入門科目を履修する学部生向けである。出版社は前提条件を示していない。ジェンダーについての事前学習は不要だが、社会学の入門科目を履修していると用語の理解に役立つ。
実際的な進め方は次のとおり。
- **中核:**序論に続いて第1〜4章を順に読む。後の章が頼る語彙がここで築かれるからである。
- **その次:**不平等、制度、変化を扱う第5〜8章。
- **関心や授業の主題に応じて:**第9〜12章(セクシュアリティ、家族、仕事、政治)はシラバスに合わせて選んだり順序を入れ替えたりでき、結論が授業のまとめとなる。
各章に書目の一次文献を一つ組み合わせ(たとえば第3章のあとにバトラー、第4章のあとにコリンズ)、授業で使う場合は教員向け資料も念頭に置くとよい。
