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Sexuality(セクシュアリティ) cover

社会学

社会学

Sexuality(セクシュアリティ)

Jeffrey Weeks

英語原題: Sexuality

イギリスのセクシュアリティの歴史学者・社会学者ジェフリー・ウィークスによる、セクシュアリティの社会的・歴史的研究への短い入門書である。ウィークスはセクシュアリティが自然によって固定されたものではなく、文化・権力・歴史によって形づくられると論じ、近年の性的アイデンティティ、規範、政治の変化をたどる。

前提知識: 不要。セクシュアリティの社会学に初めて触れる読者向けに書かれている。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Weeks, J. (2023). Sexuality (5th ed.). Routledge.

章の要約

第5版は約218ページ、六つの章と推薦文献からなる。出版社によれば、1980年代に初版が出た本の改訂増補版で、LGBTQ+の権利、トランスの経験とジェンダーの流動性、同性婚、性的自律と同意、性的選択の意味といった議論を取り込んでいる。出版社が述べる中心的な主張は、人々が性について考え語る仕方が、その生き方に大きく寄与するというものである。セクシュアリティは生物学的な可能性に根ざしているかもしれないが、歴史的・社会的な言語と意味を通じて形づくられ、経験される。以下の要約は出版社の節見出しに沿っている。

第1章:序論――性のことば

三つの見出しのもとで枠組みを示す。セクシュアリティの重要性、言葉と意味、歴史と社会のなかのセクシュアリティである。言語と意味を本書全体の出発点として位置づけている。

第2章:セクシュアリティの発明

「セクシュアリティの歴史研究の小史」から、「絶えず変化する主題」としてのセクシュアリティへと進む。セクシュアリティの「社会的構築」とその組織化を論じ、なぜセクシュアリティが重要か、他の社会的区分とどう交差するかで締めくくる。

第3章:性差の意味

「真の性」とは何かという問いから始め、生物学的な議論――生物学的命令、進化論の迂回、生物学的な議論の様式――を検討する。次に社会的な説明、すなわちセクシュアリティと社会関係、複数の現実と多様な社会的世界、アイデンティティの遂行を扱う。章の終わりでは、無意識、情動と感情の構造化、恐怖症と規範といった心理的・感情的側面を取り上げる。

第4章:多様性という挑戦

性の多様性がどのように記述され分類されてきたかをたどる。「倒錯」の言語や性の分類から、多様性の言説へ。さらにカテゴリーの脱構築と、選択をすることの問題を検討する。

第5章:セクシュアリティ、親密性、政治

セクシュアリティを政治的な主題として扱う。最前線にあるセクシュアリティ、伝統を超えて、HIV/エイズという不確実性とともに生きること、性的・親密な市民権、グローバル化と人間の性的権利が扱われる。

第6章:私的な快楽と公共政策

最終章は、科学の限界、倫理的ジレンマ、性的民主主義への展望を取り上げ、「人間的なしぐさ」と題した節で終わる。

主要概念

第1〜2章

  • 性のことば:言葉と意味は、セクシュアリティを記述する手段であるだけでなく、それが生きられる仕方の一部であるという考え方。
  • セクシュアリティの社会的構築:第2章の見出しで示される、セクシュアリティを歴史と社会によって形づくられたものとみる立場。
  • 交差:セクシュアリティと他の社会的区分との関係。第2章で挙げられる。

第3章

  • 性差と生物学的議論:「真の性」という問いと、この章で検討される生物学的議論の様式。
  • アイデンティティの遂行:社会生活のなかで演じられるセクシュアリティ。無意識や情動とあわせて扱われる。

第4〜6章

  • 多様性の言説:「倒錯」の分類から、さまざまなセクシュアリティの記述への移行。
  • 性的・親密な市民権:親密な生活について人々が行う政治的主張。第5章で挙げられる。
  • 人間の性的権利:第5章でグローバル化との関連で導入される。
  • 性的民主主義:第6章で検討される展望。

批判的分析

長所

  • 明確な組織原理。 出版社は本書全体を、性的意味がいかに発明され再発明されるかの説明として示しており、六つの章には言語から歴史、生物学、多様性、政治、政策へという見通しやすい筋道がある。
  • 長い改訂の歴史。 1980年代に初版が出た本の第5版であり、出版社は議論と証拠を最新にしたと述べる。用語や法律が変わる主題では、更新された版の意味は大きい。
  • 生物学と社会の両方に目配り。 第3章は生物学的議論を、社会的・心理的・情動的な説明と並べて扱い、読者がそれらがどう比較検討されるかを見られる。
  • 著者の実績。 Jeffrey Weeksはロンドン・サウスバンク大学の社会学名誉教授で、『The World We Have Won』や『Sex, Politics and Society』など、性の歴史と規制について広く書いている。

短所

  • 範囲の広さに比べて短い。 約218ページで、歴史、生物学、心理学、多様性、政治、倫理を扱うため、HIV/エイズやグローバル化と性的権利など、目次に挙がる話題は簡潔にしか扱えない。
  • 理論的な語彙。 「カテゴリーの脱構築」「情動と感情の構造化」といった見出しは、予備知識は不要でも、理論的な用語に出会うことを示唆する。データ中心の研究を求める読者は、実証的な資料を併用する必要がある。

コースにおける位置づけ

ジェンダーとセクシュアリティのコースにおいて、Weeksは一般的なジェンダーではなく、セクシュアリティに焦点を当てた出発点である。Raewyn ConnellとTristan Bridgesの Gender: In World Perspective は、世界各地のジェンダーの社会科学への短い入門書で、Weeksとの組み合わせに適している。一方がジェンダーの構造を、もう一方が性的意味と政治を扱う。Lisa WadeとMyra Marx Ferreeの Gender: Ideas, Interactions, Institutions は、観念・相互行為・制度の三つの水準でジェンダーを分析するより詳しい教科書で、交差性にも継続的に注意を払う。

この入門のあとで原典の理論を読みたい読者には、Judith Butlerの Gender Trouble が、ジェンダーは規範と言説によって生み出される反復的な遂行であると論じており、Weeksの第3章「アイデンティティの遂行」と自然につながる。Patricia Hill Collinsの Black Feminist Thought は、黒人女性の知と、人種・ジェンダー・階級が交差する体系についての主要な著作であり、Raewyn Connellの Masculinities は、男性性をジェンダー関係のなかの実践の配置として説明する。

本書の使い方

予備知識は不要である。社会学、ジェンダー研究などの1、2年次の学生や、性をめぐる公共の議論を追いながら歴史的・社会的な背景を知りたい読者に向く。

実践的な進め方は次のとおり。

  • まず第1章と第2章を読む。 言語と社会的構築に関する中心的な主張が置かれ、以降の議論はそれに依拠する。
  • 第3章はゆっくり読む。 最も多様な内容をもつ章で、生物学的・社会的・心理的な議論が並ぶ。それぞれの議論がどう扱われているかをノートに取るとよい。
  • 第4〜6章は主題別に使う。 第4章はカテゴリーとアイデンティティ、第5章は政治・市民権・権利、第6章は倫理と政策。政策や法のコースの読者は第5〜6章から始めてもよい。
  • 推薦文献を使う。 末尾の推薦文献は、著者自身の著作を含む、より専門的な研究への道筋である。
  • 版を確認する。 第5版(2023年)は、トランスの経験、ジェンダーの流動性、同意をめぐる近年の議論を加えている。旧版では同じようには扱われていない。