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Embedded Autonomy: States and Industrial Transformation(埋め込まれた自律性:国家と産業転換) cover

社会学

社会学

Embedded Autonomy: States and Industrial Transformation(埋め込まれた自律性:国家と産業転換)

Peter B. Evans

英語原題: Embedded Autonomy: States and Industrial Transformation

ピーター・エヴァンズが、発展途上国において国家が産業転換をどう形づくるかを比較した研究。ブラジル、インド、韓国のコンピュータ産業を検討し、成功した開発国家は、一貫性のある能力主義的な官僚制と民間資本との緊密な結びつきを兼ね備えていると論じ、この組み合わせを「埋め込まれた自律性」と呼ぶ。

前提知識: 開発研究または政治社会学の授業を修了し、国家論と経済発展論の基礎を知っていること。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
developmentdevelopmental stateindustrializationpolitical economycomparative sociology

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Evans, P. B. (1995). Embedded Autonomy: States and Industrial Transformation. Princeton University Press.

章の要約

本書は産業変動における国家の役割についての比較研究で、10章からなり、本文は全344ページのうち約250ページ、残りは注、文献、索引である。出発点は、国家は組織のされ方と社会との結びつき方が異なるという考えである。Evansが挙げる例でいえば、ザイールのように略奪的で、価値あるものを何も返さずに搾取する国家もあれば、韓国のように発展志向的で産業転換を推進する国家もあり、ブラジルやインドはその中間で、助けることもあれば妨げることもある。証拠となるのは、1970〜80年代のブラジル、インド、韓国におけるコンピュータ産業の登場と、そこで国家機関、地元の企業家、多国籍企業が果たした役割である。出版社は結論を次のように要約している。成功する国家の行動には、自らの限界の理解、グローバル経済との現実的な関係、そして一貫した内部組織と社会との密接な結びつきの組み合わせが必要であり、Evansはこの組み合わせを「埋め込まれた自律性」(embedded autonomy)と呼ぶ。

第1〜2章:States and Industrial Transformation;A Comparative Institutional Approach

第1章(約20ページ)は、国家の経済への関与がうまくいく場合と破滅的な結果を生む場合があるのはなぜかという問いを立てる。Evansが介入への罵倒に堕したと述べる論争に対する立場である。第2章は、各事例の土台となる比較制度的アプローチを示す。

第3〜5章:States;Roles and Sectors;Promotion and Policing

この三章はアプローチの章に続き、産業ごとの章の前に置かれている。題名からは、国家そのものから、部門ごとに国家が担う役割へ、そして産業の促進と監督の対比へと進むことがうかがえる。

第6〜7章:State Firms and High-Tech Husbandry;The Rise of Local Firms

本書の中ほどは、コンピュータ産業の担い手に向かう。「畜産・育成」のイメージで論じられる国有企業と、地元の民間企業の台頭である。

第8〜9章:The New Internationalization;Lessons from Informatics

第8章は国際的な側面を扱う。紹介文はこれを多国籍企業、およびグローバル経済と国家の関係に結びつけている。第9章は情報産業(コンピュータ産業)の事例から教訓を引き出す。

第10章:Rethinking Embedded Autonomy

最終章は本書の中心概念に戻り、事例に照らして再考する。

主要概念

第1〜2章:枠組み

  • 国家間の違い:国家は組織と社会との結びつきが異なり、略奪的なものから発展志向的なものまであり、中間的な事例もある。
  • 比較制度的アプローチ:国家の関与の効果を制度的な特徴によって説明する本書の方法。

第3〜7章:国家、役割、担い手

  • 埋め込まれた自律性:一貫した内部組織と社会との密接な結びつきの組み合わせで、議論の中心用語。
  • 促進と監督:第5章の題名に示される国家活動の二つの面。
  • 国有企業と地元企業:第6、7章の担い手。

第8〜10章:国際化と教訓

  • 国際化:新しい国際環境と、多国籍企業の位置。
  • 情報産業:本書が教訓を引き出す部門。

批判的分析

長所

  • 明確な中心概念。 本書は議論に「埋め込まれた自律性」という名前を与え、書名と最終章に登場させているので、国家をめぐる他の議論にも持ち込みやすい。
  • 意図的な事例設計。 三か国は発展志向的なものから中間的なものまでの範囲に置かれ、どの国でも同じ産業、すなわちコンピュータが研究されているため、幅広い概観よりも比較を統制しやすい。
  • 二つの単純な見方の間に立つ。 出版社の紹介文は、国家介入への一括した攻撃に対置しつつ、成功する国家の行動には自らの限界を知ることが必要だと述べており、どちらの極端に対しても是正になる。
  • コンパクト。 10章、本文約250ページで、大学院のゼミで扱いやすい。

短所

  • 一つの産業と時期。 証拠は1970〜80年代のコンピュータ産業に関するもので、他の部門やその後の年代への拡張は読者の解釈に委ねられる。
  • 三つの事例。 ブラジル、インド、韓国が議論を支える。紹介文は略奪的な型の例示としてザイールを挙げるだけである。
  • 方法論の付録がない。 目次にはアプローチの章はあるが独立した方法論の付録はなく、事例がどのように集められたかを知りたい読者は注と文献を見る必要がある。

コースにおける位置づけ

Embedded Autonomyは研究書であり、開発とグローバル化についての一般的な入門書を読んだ後に読むのが最もよい。StegerのGlobalization: A Very Short IntroductionとIntroduction to International Developmentは広い概観を与え、McMichaelとWeberのDevelopment and Social Changeは開発を歴史的なプロジェクトとしてたどり、PeetとHartwickのTheories of Developmentは経済成長と社会発展についての主要な学派を概観する。

Held、McGrew、Goldblatt、PerratonのGlobal Transformationsは、グローバル化が国家と経済を全般にどう作り変えるかを問う。Evansは、個々の国家が一つの産業に対して何をしたかを綿密に比較する。併せて読めば、概観と事例に基づく議論の組み合わせになる。

本書の使い方

国家と経済発展をめぐる大まかな論争をすでに知っている、社会学・政治経済学・開発研究の上級の学部生や大学院生に向く。

実践的な読み方は次のとおり。

  • 中核: 問いとアプローチのために第1、2章、改訂された概念のために第10章。
  • 分析の土台: 第3〜5章。国家、役割と部門、促進と監督。
  • 事例: 第6〜9章。国有企業、地元企業、国際化、情報産業からの教訓。
  • 初読では任意: 注と文献。本書が応答している文献をたどるのに役立つ。

第2章を読み終えた後で、国家が産業を促進するにはどのような特徴が必要だと考えるかを書き出し、第10章と照らし合わせるとよい練習になる。