01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Elliott-Cooper, A. (2021). Black Resistance to British Policing. Manchester University Press. (Racism, Resistance and Social Change series.)
章の要約
背景と論旨
Black Resistance to British Policing は、「人種主義、抵抗、社会変革」叢書の一冊で、約224頁の短い本であり、英国における警察活動への黒人の抵抗の歴史を扱う。エリオット=クーパーは、人種主義を偏見や対人的な振る舞いを超えて、人種の分類、搾取、暴力というグローバルな体系の一部として理解すべきだと論じ、黒人の抵抗はその体系に立ち向かうものだとする。この説明では、警察の人種主義は帝国の文化や政策、そして植民地戦争や植民地の治安活動と結びついており、本書はこれらのつながりを二十世紀から現在までたどる。本書は、自発的な反乱、運動、抗議についての十年にわたる活動家との研究に基づいており、警察活動の改革ではなく廃止を支持する立場から書かれている。
本書は、序論、六つの章、結論からなる。各章はおおよそ時間順に、戦後のカリブ海からの移民から、現在の警察活動と廃止の可能性へと進む。
第1章:「私たちは英国で生まれ出たのではない」:英国の警察活動に対する黒人の抵抗の歴史
冒頭の章は、警察活動に対する黒人の抵抗が反植民地政治からどのように育ったかをたどる。英国で人種的敵意に直面したカリブ海からの移民から始め、ジョン・ラ・ローズの演説や著作を用いて、そうした経験がカリブ海の以前の闘争とどう結びついていたかを示す。戦後初期の黒人の政治組織は、しばしばカリブ海の労働組合に根を持ち、人種暴力と警察の暴力に抵抗した。この章は、警察活動への抵抗は、資本主義と帝国主義に対するより広い闘争に属すると論じる。
第2章:二十一世紀へ:抵抗、体面、そして警察拘留中の黒人の死
この章は世紀転換期前後に移り、拘留中の黒人の死をめぐる運動における体面と抗議の緊張を扱う。スティーヴン・ローレンスの家族が率いた運動と、それが明るみに出した制度的人種主義を論じ、国家主導の反人種主義が、人種主義の原因ではなく多様性と代表性に重点を置いていると批判する。
第3章:黒人の男性性と犯罪化:背景の中の2011年の「暴動」
この章は、黒人男性が犯罪者として描かれる仕方と、その描写が強硬な警察活動をどう正当化するかを考察する。2011年8月の騒乱を、人種化された警察活動のより長い歴史の中に置き、黒人コミュニティを汚名化する上でのメディア報道と政治的言辞の役割を検討する。
第4章:2011年:反乱とコミュニティの防衛
この章は2011年に戻り、この騒乱を、自発的な暴力ではなく、警察の暴力と社会的不正義への長年の不満に根ざすものとして扱う。また、地元の人々が自分たちを守るために組織したコミュニティの防衛を、歴史を持つ抵抗の一形態として考察する。
第5章:全面戦争:監視、集団懲罰、警察権力の最先端
この章は、軍事化された警察活動と監視の利用を検討し、これらの手法のいくつかを植民地の反乱鎮圧に遡り、それが国内の不穏を管理するためにどう転用されたかをたどる。それらが黒人コミュニティに不均衡に降りかかり、集団懲罰とより強い監視を招くと論じ、対テロ警察活動が市民的自由に与える影響も考察する。
第6章:黒人の抵抗の未来:妨害、反乱、廃止
最後の章は未来に向かう。漸進的な改革に懐疑的で、妨害、持続的な反乱、そして警察と刑務所の権力を支える構造の廃止を主張し、国際的連帯と、人種主義と資本主義の結びつきを強調する。
主要概念
第1〜2章
- 人種主義への反対の反植民地的な根:英国の黒人の抵抗は、帝国に対する以前の闘争を引き継ぐという見方。
- 体面の政治:声を聞いてもらうために、運動が体面を保たなければならないという圧力。
- 国家主導の反人種主義:多様性と代表性を強調する公的な対応。
第3〜6章
- 黒人の男性性の犯罪化:黒人男性を生来の犯罪者として描くこと。
- コミュニティの防衛:警察の暴力から集団で身を守ること。
- 集団懲罰と監視:コミュニティ全体を標的として扱う慣行。
- 廃止:警察と刑務所の権力を改革ではなく解体すべきだという主張。
批判的分析
長所
- 現在の出来事のための歴史的枠組み。 戦後のカリブ海からの移民とその反植民地的な背景から始めることで、本書はスティーヴン・ローレンス事件や2011年の騒乱といった周知の出来事を、より長い物語の中に位置づける。
- 偏見を超えた人種主義の定義。 人種主義を、分類、搾取、暴力のグローバルな体系として扱うことで、学生に個人の態度による説明に代わる明快な枠組みを与える。
- 短く焦点が絞られている。 約224頁、六章からなるので、ゼミのグループで分担しやすい。
短所
- 概説ではなく、立場のある議論である。 本書は警察権力の廃止という立場を主張しており、警察活動をめぐる学術的議論の全体を示してはいないので、一般的なテキストと並べて読むのがよい。
- 英国の具体的な事例。 各章はスティーヴン・ローレンス事件や2011年の騒乱などの出来事を基にしているため、それらを知らない読者は背景の読書が必要かもしれない。
- 範囲。 焦点は黒人コミュニティと英国であり、警察活動の影響を受ける他の集団や他国との比較は本書の主題ではない。
コースにおける位置づけ
人種とエスニシティを扱うこのコースで、Black Resistance to British Policing は、一つの制度と一つの国の場面についての事例研究である。キヴィスト&クロール『人種とエスニシティ:基礎』、ラッタンシ『人種主義:ごく短い入門』、ガーナー『人種主義(複数形):入門』は、エリオット=クーパーの議論が土台にしている人種、人種主義、人種化の語彙を提供する。オミ&ウィナントの『アメリカ合衆国における人種形成』は、人種が国家の政策と闘争を通じてどのように作られるかについての理論を示し、英国の事例との比較に役立つ。バッタチャリヤらの『帝国の終局』は、人種主義と英国の国家を大学院レベルで扱っており、併読に適している。
本書の使い方
本書は学部生にも読みやすく、英国の近現代史にある程度なじみがあれば、専門的な背景は要らない。まず序論と第1章で歴史的な枠組みをつかみ、次に第2〜4章を、運動と2011年の騒乱についてのひとまとまりとして読み、続いて第5章で警察の手法をめぐる議論を読む。第6章と結論は議論の到達点であり、最後に、あるいは廃止をテーマにしたゼミで読むとよい。
読みながら、各章でどのような種類の証拠が使われ、著者がそれをどのようにより大きな議論に結びつけているかを書き留めておくとよい。上に挙げた一般的な入門書のいずれかと組み合わせると、本書自身の主張と、人種の社会学の標準的な背景とを区別しやすくなる。
