索引 / 001 JA
Why Parties? A Second Look(なぜ政党か?再考) cover

政治学

政治学

Why Parties? A Second Look(なぜ政党か?再考)

John H. Aldrich

英語原題: Why Parties? A Second Look

アメリカの政治家がなぜ政党を作り維持するのかを合理的選択の立場から説明する著作。ジョン・オルドリッチは、政党とは野心ある公職志望者と公職者が、集合行為、社会的選択、選挙動員の問題を解決するために築いた制度であると論じ、こうした問題の変化に応じてアメリカの政党がどう変わってきたかをたどる。

前提知識: アメリカ政治の授業を修了していること。集合行為問題など合理的選択の基本的な考え方を知っていると理解しやすい。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
american politicspolitical partiesrational choicecongresspolarizationmonograph

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Aldrich, J. H. (2011). Why Parties? A Second Look. University of Chicago Press.

章の要約

本書は四部九章からなり、約400ページで、24点の線画と24の表を含み、「シカゴ・アメリカ政治研究叢書」(Chicago Studies in American Politics)の一冊である。15年前に刊行された Why Parties? を書き改めた後継版である。出版社は、政党が復活しているのか衰退しているのかという論争を超えて、アメリカの政党システムの基礎を根本から見直したものだと説明している。その議論は、政党は民主主義の三つの根本問題、すなわち公職を目指す人の数をどう調整するか、有権者をどう動員するか、そして就任後に目標を達成するために必要な多数派をどう獲得し維持するか、に対処するために存在する、というものである。歴史を扱う章は1790年代から南北戦争までの政党の発展を追い、後の章は叙述を現在にまで進める。

第I部:政党と民主主義

第1章:アメリカの政治と政党

冒頭の章は、本書の主題としてアメリカの政党を導入し、この研究が何を説明しようとするのかを示す。

第2章:政党はなぜ形成されるのか

理論の章。そもそも政党はなぜ形成されるのかを問う。続く歴史の章の副題(制度と社会的選択、集合行為、争点アジェンダと野心)は、この章が提供する概念を指している。

第II部:アメリカにおける政党の形成、1790–1860年

第3章:最初の政党の創設:制度と社会的選択

第II部の序に続き、この章は1790年代の最初の政党の形成を扱う。副題は、この物語を制度と社会的選択に結びつけている。

第4章:ジャクソン流民主主義:大衆政党と集合行為

副題によれば、ジャクソン期を扱うこの章は、大衆政党の台頭を集合行為の問題と結びつける。

第5章:ホイッグ党と共和党:制度、争点アジェンダ、野心

三番目の歴史的事例はホイッグ党と共和党を扱い、制度、争点アジェンダ、野心を政党の形成に結びつける。第3章、第4章とあわせて、叙述を南北戦争の直前まで運ぶ。

第III部:現代アメリカの新しい政党

第6章:政党の活動家と党派的亀裂

序に続き、第III部は政党の活動家と、現代の選挙における党派的な分裂から始まる。

第7章:政党と統治

統治を扱うこの章は政党の統治における役割を検討し、出版社が挙げる民主主義の第三の問題、すなわち政権にあって多数派を獲得し維持することに関わる。

第8章:1960年代という決定的な時代

この章は1960年代を現代の政党の発展における決定的な時代として扱う。出版社による本書全体の説明は、第二次世界大戦以後の政党の性格の大きな変化に触れ、その中に南部での共和党の台頭を挙げている。

第IV部:結論

第9章:政党、歴史的力学、民主的政治

最後の章は議論をまとめる。出版社によれば、本書は政党システム一般、とりわけアメリカの二党制についてより十分な考察を行い、その制度がなぜ効果的な民主主義に必要なのかを説明する。

主要概念

第I~II部:理論と形成

  • 集合行為:ジャクソン流民主主義の章の副題で、大衆政党が解決するとされる問題の一つ。
  • 社会的選択:第3章で最初の政党が対処した問題。
  • 野心:第5章で、制度や争点アジェンダとともに、ホイッグ党と共和党に結びつけられる動機。
  • 民主主義の三つの問題:公職志望者の数の調整、有権者の動員、多数派の維持。

第III~IV部:現代の政党

  • 政党の活動家と党派的亀裂:第6章の主題。
  • 政党と統治:第7章の焦点。
  • 二党制:結論でより十分に論じられる対象。

批判的分析

長所

  • 二世紀にわたる一つの説明的議論。 本書は同じ民主主義の三つの問題を用いて、1790年代の政党、ジャクソン期の大衆政党、ホイッグ党と共和党、20世紀後半の政党を説明するので、読者は何が変わり何が変わらないかを見ることができる。
  • 理論と歴史の併用。 第I部が理論的な問いを提供し、第II部と第III部が歴史的・現代的事例にそれを適用する。出版社が引用する John Ferejohn は、第1版が新しい理論を展開し、現代の統計的方法と伝統的な歴史的アプローチの両方を用いたと評価した。
  • 全面的に改訂された第2版。 出版社によれば、本書は新しい千年紀に向けて書き改められ、叙述を現在まで進め、南部での共和党の台頭などの展開を扱っている。R. J. Gelm は Choice の書評で、政党に関する第一級の標準的な本と呼んだ。
  • 量的な素材。 24の表と24の線画があり、政党の変化について主張する議論を支える。

短所

  • アメリカに焦点がある。 本書はアメリカの政党についてのもので、出版社は政党システム一般についてもより十分な考察があると述べるが、事例の素材はアメリカのものである。
  • 特定の理論的視角。 歴史の章の副題は制度、社会的選択、集合行為、野心に言及しており、議論は選択理論の枠組みにとどまる。政党への別のアプローチを好む読者は、他の本を要する。
  • 前提知識が必要。 本書は研究書で、出版社が言及する教育用の仕掛けはない。読者にはアメリカ政治の基礎と、集合行為問題へのある程度の理解が必要である。

コースにおける位置づけ

アメリカ政治のコースでは、本書は一つの制度に関する上級の研究書である。入門書が先に来る。Krutz と Waskiewicz の OpenStax American Government、Richard Valelly の American Politics: A Very Short Introduction、教科書の We the People と The Logic of American Politics である。後者は政治制度が集合行為問題への設計された解決策であるという考えを軸に書かれており、オルドリッチが用いるのと同じ系統の考えであるため、彼の各章を読む準備として役立つ。

デイヴィッド・メイヒューの Congress: The Electoral Connection は、議員がひたすら再選を求める存在だとしたら議会はどのようなものになるかを問い、政党が弱いという説明を組み立てる。オルドリッチの本は、政治家の野心が彼らに政党を作らせると論じる。二冊を併読すると、政治家の目標が政治組織に何を意味するかについての二つの答えが見える。

本書の使い方

本書は、アメリカ政治、政党、選挙を学ぶ上級の学部生と大学院生、そして政党の合理的選択による説明を知りたい研究者に向く。アメリカ政治の授業と、集合行為問題の基本的な理解が有益な準備である。

実際の読み方は次のとおり。

  • まず第1章と第2章を読む。 歴史の章が依拠する理論がここにある。第II部を読んだあとで戻ってくる。
  • 第II部は三つの事例として読む(第3~5章)。それぞれが政党形成の一時期に理論を適用する。現代政治に主な関心がある読者は、流し読みでよい。
  • 第III部(第6~8章)に最も時間をかけ、現代の政党、すなわち活動家、統治、1960年代を理解する。
  • 第9章を最後に読み、二党制と民主主義についての叙述を、政党や議会を扱う別の著作と比較する。