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Quantum Mechanics: The Theoretical Minimum(量子力学 理論的ミニマム) cover

物理学

物理学

Quantum Mechanics: The Theoretical Minimum(量子力学 理論的ミニマム)

Leonard Susskind; Art Friedman

英語原題: Quantum Mechanics: The Theoretical Minimum

レナード・サスキンドの Theoretical Minimum シリーズ第2巻で、アート・フリードマンとの共著。数式を使う意志のある読者に向けて量子力学の論理と数学を紹介する。波動力学ではなくスピンや単純な2状態系から出発し、状態・観測量・測定・エンタングルメントを一歩ずつ組み立てていく。

前提知識: 代数と微積分の基礎。複素数や必要な線形代数は短い数学の補講で導入される。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
quantum mechanicsspinentanglementlinear algebra入門

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Susskind, L., & Friedman, A. (2015). Quantum Mechanics: The Theoretical Minimum. Basic Books.

章の要約

本書は10の章からなる。出版社によれば、これらはサスキンドがスタンフォード大学の継続教育で行っている量子力学の講座と並行しており、各章に練習問題が付いている。本書は「理論の最小限」(Theoretical Minimum)シリーズの第2巻で、第1巻は古典力学を扱った。章題は図書館の目録記録によるもので、各章の内容の記述は出版社の説明、Publishers Weekly の書評、C. Burrell の書評に依拠する。これらの資料は章ごとには説明していないため、まとめて示す。

第1–3章:系と実験;量子状態;量子力学の原理

Burrell によれば、著者らは単純な量子系、つまり一つの量子スピンから始め、それを使って量子状態の奇妙な論理と古典論理との違いを示す。これらの章は、残りのすべてを支える枠組み(状態と、それを支配する原理)を築く。Publishers Weekly は、本書がスピンとキュービットを提示し、その大部分がブール論理や統計からベクトル、行列に至る数学であると述べている。

第4–5章:時間と変化;不確定性と時間依存

Burrell は、著者らが時間に依存しない量子力学と依存する量子力学の両方を論じ、前者は系のエネルギー状態を求めるために、後者は系が時間とともにどう発展するかを求めるために強調していると述べる。Publishers Weekly が挙げる時間発展とハイゼンベルクの不確定性原理は、本書のこの部分に属する。

第6–7章:系の結合:エンタングルメント;エンタングルメントの続き

エンタングルメントには2章が当てられ、Burrell は本書のおよそ3分の1がこれに費やされていると見積もっている。彼はさらに、著者らが、時に言われるのとは異なり、エンタングルメントはいかなる意味の非局所性も含意しないと論じていると付け加える。

第8–9章:粒子と波;粒子の力学

Burrell は後半を、波動関数と粒子への移行であり、場の量子論の縁に忍び寄って向こう側をのぞき込むものと述べる。Publishers Weekly は、波動関数とシュレーディンガー方程式を提示される概念に挙げている。

第10章:調和振動子

本書は量子調和振動子で終わる。Burrell はこれを最も単純でありながら最も重要な量子系の一つと呼んでいる。

主要概念

第1–5章:状態、原理、時間発展

  • 量子スピンとキュービット:本書が出発点とする単純な系。
  • 量子状態:第2章の主題。
  • 不確定性原理:第5章の話題。

第6–10章:エンタングルメント、波、振動子

  • エンタングルメント:第6・7章の主題。
  • 波動関数とシュレーディンガー方程式:粒子と波の章。
  • 調和振動子:第10章。

批判的分析

長所

  • 概念と数学の両立。 Burrell は、本書が一般向けの入門でも高度な教科書でもないと見る。概念的基礎を丁寧に探る一方、有名な予測がどう導かれるかを読者が確かめられるだけの、穏やかで適切な数学も含んでいる。
  • 明快な教え方。 彼は、途中の計算が示され、結論の意義が強調され、親しみやすい調子であり、必要な数学(複素数、基礎的な微積分、線形代数)は本文で手短に説明されると述べる。
  • 各章の練習問題。 出版社は各分野の習得を確かにするための練習問題を強調しており、本書は読むだけでなく、手を動かして進めるように作られている。
  • 独特な道筋。 波動力学ではなくスピンと状態の論理から始めることで、エンタングルメントや測定を早くから十分に扱える。

短所

  • 数学が中心。 Publishers Weekly は、本書をこの分野に必要な高度な数学への入門と述べ、本文の大部分が数学に集中していると指摘しているので、気軽な一般向けの読み物ではない。
  • 対象読者が不明確。 Burrell は、本書が誰向けか言いにくいと述べ、工学の訓練を受けた読者、意欲的な高校生、物理に戻ってきた人に向く可能性を挙げる。
  • 完全な授業ではない。 10の章は調和振動子で終わり、題には近似法や散乱の章が挙がっていないので、大学の授業には教科書が必要になる。

コースにおける位置づけ

サスキンドとフリードマンの本は、量子力学のリストにおける独習の入口である。Rae と Napolitano の Quantum Mechanics は大学で最初の授業のためのコンパクトな教科書で、実験的証拠から波動力学を展開し、続いて角運動量、近似法、多粒子系を扱う。Griffiths の Introduction to Quantum Mechanics は大学の教科書であり、Sakurai と Napolitano の Modern Quantum Mechanics は、ディラック記法を用い、角運動量、対称性、近似法、散乱を扱う、数学的に成熟した教科書である。

Albert の Quantum Mechanics and Experience は、完全な形式を使わずに、状態、測定、非局所性、解釈を扱う概念的な案内書である。大学の授業の前にサスキンドとフリードマンを読めば、Sakurai のような教科書が依拠する状態に基づく見方が身につく。授業と並行して読めば、より穏やかな2つ目の説明になる。

本書の使い方

ページのメタデータは、基礎的な代数と微積分を前提とし、複素数と線形代数は短い挿入部分で導入されるとしている。Burrell も、必要な数学は複素数、基礎的な微積分、線形代数を大きく超えず、それらは本文で説明されると述べている。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 順に進める。 各章は積み上がっているので、内容が見慣れたものに思えても、初めの状態と原理の章を飛ばさない。
  • 練習問題を解く。 出版社が強調しており、数学は使って初めて身につく。
  • エンタングルメントに時間をかける。 第6・7章は本書の特色ある部分なので、ゆっくり読む。
  • 先へ進む。 第10章の後は、Rae と Napolitano や Griffiths のような教科書で、角運動量、近似法、散乱へ進む。