01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Blackburn, S. (2001). Think: A Compelling Introduction to Philosophy. Oxford University Press. (First published 1999.)
章の要約
Think は、時代順ではなく問題ごとに構成された単著の入門書である。序論、一語か短い題の8章、そして注、文献表、索引から成る。序文によれば、本書は学生やより広い読者に思想への関心をもってもらおうとした長年の試みから生まれたもので、用語集は簡潔さのために省かれた。序論と第1章は見出し付きの短い節に分かれている。出版社の紹介文によれば、各章は一つの大きな問題についての自己完結した案内になっている。
序論
序論によれば、本書は「大きなテーマ」、すなわち知識、理性、真理、心、自由、運命、同一性、神、善、正義について考えたい人のための本である。ブラックバーンは哲学を「概念工学」、つまり私たちの思考の構造を研究するものと説明する。彼は私たち自身について、世界について、そして両者の関係についての問いを並べ、こうした問いは自己反省から生じるもので、経験的な手続きでは決着がつかないと論じる。哲学の技能は、知識の集積というより「やり方を知ること(knowing how)」として示される。「何の役に立つのか」と題された節では、反省がなぜ重要かについて、高い立場、中間の立場、低い立場からの三種類の答えが示される。例としては、人間は皆利己的だという信念が振る舞いをどう変えるか、コペルニクス、そして同時性についてのアインシュタインの反省が挙げられる。序論は、理性に対する「ポストモダン」の懐疑論に本書が対立することを表明して終わる。
第1章:知識
この章は、世界は夢かもしれないという考えと、現象と実在の関係から出発する。続いて、デカルトの『省察』を「ハイライト」として追っていく。節の見出しには「世界を失う」「悪霊」「動機と問い」「捉えがたい『私』」などがある。誇張された懐疑の方法、蜜蝋の例、コギト、そして懐疑のあとにどのような「私」が残るのかを扱う。さらに、明晰判明な観念を神が保証するというデカルトの訴えが二重基準を持ち込み、彼を「コギトという孤独な岩」の上に取り残すのではないかと問う。
第2章:心
第2章は心を扱う。その領域は序論で予告されている。序論は、意識とは何か、他人の経験が自分の経験と同じようなものだと確信できるかを問い、多くの人が心と身体の間に引く厳格な区別を、哲学的な厄介事の典型的な源として取り上げている。
第3章:自由意志
人間は、自分では自由にしていると思っていることをするようにプログラムされた「操り人形」かもしれない、という問題を扱う。本書の紹介文は、自由意志と決定論をめぐる論争をここに位置づけている。序論は、行動を麻痺させうる信念として運命論にも触れている。
第4章:自己
人格の同一性と自己を扱う。第1章の「捉えがたい『私』」の節が、身体、来歴、社会的関係を取り払ったあとに自己として何が残るのか、という問いをすでに提起している。
第5章:神
神の存在を支持する議論と反対する議論を扱う。序論は、本書が引用する古典の一つとしてヒュームの『自然宗教に関する対話』を挙げている。
第6章:推論
理性と論証を扱う。序論は、混乱を避け、曖昧さを見抜き、信頼できる論証を組み立てる能力を、哲学的技能の核心とみなしている。
第7章:世界
出版社の資料には、この章についての詳しい説明はない。序論の「世界についての問い」には、なぜ自然は規則的に続くのか、なぜ因果は過去から未来へと向かうのか、世界は創造者を前提とするのか、といったものが含まれている。
第8章:何をなすべきか
最終章は倫理学に向かう。本書の紹介文は、人間の意見から独立した道徳があるのかという問いに触れている。
主要概念
序論
- 概念工学:ブラックバーンによる哲学の呼び名。私たちの概念がどのように組み立てられ、どうつながり、変えたら何が起こるかを研究する。
- 経験的な問いと反省的な問い:観察と合意された手続きで決着する問いと、反省を必要とする私たち自身の概念についての問いとの対比。
- やり方を知ること:事実の蓄えではなく、論証、曖昧さ、代替案を扱う技能としての哲学的能力。
第1章:知識
- 誇張された懐疑:感覚の証拠を含め、疑いうるものはすべて疑うというデカルトの方法。
- 悪霊:あらゆる経験を誤ったものにしうる欺き手の仮説。
- コギト:考えることが自分の存在を保証するという主張と、それがどのような「私」を確保するのかという問い。
批判的分析
長所
- 問題主導で自己完結している。 序論は、本書が他の資料を前提とせず、一次文献なしでも読めると述べている。同時に、デカルトの『省察』、バークリーの『三つの対話』、ヒュームの『人間知性研究』と『対話』など、本書が引用する古典と並行して読むこともできる。
- 哲学者の読み方を示している。 第1章はデカルトを要約するだけではない。「動機と問い」などの節で立ち止まり、ある一節をどう読むべきか、その動機は十分なものかを問い、序論が最も重要だとする技能を実演している。
- 明快で生き生きした文章。 マーク・セインズベリーは『マインド』誌(2001年)の書評で本書をよく書かれた本と評した。『ニューヨーク・タイムズ』(2001年)は、本書がハードカバーで多くの読者を得たと報じている。
- 哲学を擁護する議論。 序論は、経済学、天文学、物理学の例を用いて、反省がなぜ重要かを正面から論じており、なぜこの科目を学ぶのか迷っている学生に向いている。
短所
- ところどころ主張が強い。 ブラックバーンは自分の声で書き、判断を隠さない。たとえば序論では、マルクスのある発言を「最も愚かな有名な発言」の一つと呼び、本書がポストモダンの懐疑論に反対する立場にあると宣言している。こうした判断は検討すべき立場として読むべきである。
- 取り上げる範囲が限られている。 広いテーマの8章だけでは、すべての分野を概観することはできない。章題を見るかぎり、政治哲学や美学を専門に扱う章はない。
- 知識の扱いには異論がある。 セインズベリーの書評は、全体としては好意的だが、冒頭の章のテーマである知識についての議論を批判している。
- 用語集がない。 序文によれば簡潔さのために省かれたので、専門用語は、たとえばブラックバーンの『オックスフォード哲学辞典』など、別の資料で確認する必要がある。
コースにおける位置づけ
Think は入門コースの最初の一冊として自然な選択である。ラッセルの The Problems of Philosophy は知識についての古典的な一次文献で、1912年に書かれた短く一続きの議論である。ブラックバーンはより幅広い問題を現代の語り口で扱っており、両者ともデカルト流の外界への懐疑から出発する。ブラックバーンの第1章をラッセルの冒頭の章と並べて読むと、同じ問題の二つの扱い方がわかる。OpenStax の Introduction to Philosophy は、論理学、形而上学、認識論、価値論を扱い、多くの伝統を取り入れ、ガイド付きの演習を備えたオープン教科書であり、単著のエッセイよりも構造と幅を求めるコースに向いている。
歴史的背景については、アンソニー・ケニーの A New History of Western Philosophy が、ブラックバーンの論じる哲学者についての文脈を与えてくれる。トマス・ネーゲルの The View from Nowhere は主観的な立場と客観的な立場についての一つの議論を展開する本で、本書のような最初の入門書を読んだ後にとっておくのがよい。
本書の使い方
本書は哲学の訓練を受けていない読者を対象としている。まず序論を読むこと。本書全体がどのような考え方を求めているかが説明されているからである。次に第1章を読む。この章はデカルトを一節ずつ読み、一つひとつの手を検討しながら進むので、本書の方法が最もよく表れている。残りの章は、それぞれ自己完結した案内として書かれているので、授業のシラバスの順に読んでよい。
序論が勧めるように、古典のテキストを並行して読むとよい。第1章にはデカルトの『省察』を、神の章にはヒュームの『自然宗教に関する対話』を合わせるとよい。各節を読んだら、議論を番号付きのいくつかのステップに言い直し、どのステップに異議を唱えるかを決めること。それこそが本書が鍛えようとする「やり方を知ること」である。省かれた用語集の代わりに哲学辞典を手元に置き、さらに読む本を選ぶには注と文献表を使うとよい。
