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A New History of Western Philosophy(西洋哲学の新しい歴史) cover

哲学

哲学

A New History of Western Philosophy(西洋哲学の新しい歴史)

Anthony Kenny

英語原題: A New History of Western Philosophy

ソクラテス以前の哲学者から二十世紀後半までの西洋哲学を一人の著者が描いた一巻本の通史で、以前に刊行された四巻を一冊にまとめたもの。各部は思想家を年代順にたどる叙述と、知識、心、倫理、神といった個々の問題が時代を通じてどう扱われたかを追う主題別の章とを組み合わせている。

前提知識: 哲学の入門授業を終えており、哲学の主要な分野をある程度知っていること。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
history of philosophywestern philosophymetaphysics倫理学epistemology参考書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Kenny, A. (2010). A New History of Western Philosophy. Oxford University Press.

章の要約

アンソニー・ケニーによる四部構成の哲学史の一巻本で、全体で約1,060ページ。巻末に年表、略語・表記法の一覧、文献表、索引が付く。本書は四つの部からなる。古代哲学、中世哲学、近代哲学の興隆、現代世界における哲学である。各部にはそれぞれ序論と目次がある。出版社の紹介によれば、叙述はプラトンとアリストテレスから始まり、中世、近世、そして19・20世紀の思想家へと進み、いくつかの主題が全体を貫いている。何が存在し、それをどう知りうるのか、人間・心・真理・意味の本性、宇宙における神の位置、どう生きるべきか、社会はどう組織されるべきか、といった主題である。

第1部「古代哲学」:「始まり:ピュタゴラスからプラトンまで」「学派:アリストテレスからアウグスティヌスまで」

最初の二章(8ページから)は年代順である。西洋思想の創始者たちを扱い、第一章はピュタゴラスから始めてプラトンで終わり、第二章はアリストテレスからアウグスティヌスまで物語を進める。

第1部・主題別の章:論理;認識論;自然学;形而上学;魂と心;倫理学;神

七つの章(pp. 95–250)は、思想家から問題へと焦点を移す。「いかに論証するか:論理」「知識とその限界:認識論」「ものごとはどう起こるか:自然学」「何が存在するか:形而上学」「魂と心」「どう生きるか:倫理学」「神」である。各章は、その主題に対する古代の取り扱いを全体として論じる。

第2部「中世哲学」:「哲学と信仰:アウグスティヌスからマイモニデスまで」「スコラ学者たち:12世紀からルネサンスまで」

第2部の年代順の章(pp. 261–343)は千年に及ぶ中世思想を扱う。出版社はアウグスティヌス、アクィナス、オッカムを特に挙げている。

第2部・主題別の章:論理と言語;知識;自然学;形而上学;心と魂;倫理学;神

中世の部は同じ主題別の構成を七つの章(pp. 344–494)で繰り返す。ここでは古代の「論理」にかわって「論理と言語」が置かれる。

第3部「近代哲学の興隆」:「16世紀の哲学」「デカルトからバークリーまで」「ヒュームからヘーゲルまで」

三つの年代順の章(pp. 503–587)は、16世紀から近世の偉大な人物たちへと進む。出版社はデカルト、ホッブズ、ロック、ライプニッツ、スピノザ、ヒューム、カントの名を挙げている。

第3部・主題別の章:知識;自然学;形而上学;心と魂;倫理学;政治哲学;神

七つの章(pp. 588–748)が近世を通じて主題をたどる。政治哲学が独立した章となるのは、この部が初めてである。

第4部「現代世界における哲学」:「ベンサムからニーチェまで」「パースからストローソンまで」「フロイトからデリダまで」

年代順の章(pp. 757–828)は19世紀から20世紀後半までを扱う。出版社は、ヘーゲル、ミル、ニーチェ、フロイト、ウィトゲンシュタインを、世界の見方を変えた人々として挙げている。

第4部・主題別の章:論理;言語;認識論;形而上学;心の哲学;倫理学;美学;政治哲学;神

九つの主題別の章(pp. 829–996)で本書は閉じられる。美学と言語を独立した主題として章立てしているのはこの部だけで、ほかに論理、認識論、形而上学、心の哲学、倫理学、政治哲学、神がある。

主要概念

年代順の章

  • 西洋思想の創始者たち:プラトン、アリストテレスとその周辺の思想家。物語の出発点。
  • 哲学と信仰:中世の諸章における理性とキリスト教信仰の関係。
  • 近世の偉大な体系:出版社が必読と呼ぶ、デカルトからカントまでの著作。
  • 19・20世紀の変革:ヘーゲルやミルからウィトゲンシュタインとその後へ。

主題別の章

  • 論理と言語:いかに論証するか、言葉は何を意味するか。
  • 知識とその限界:各部の認識論の章。
  • 自然学と形而上学:ものごとはどう起こるか、何が存在するか。
  • 心と魂:人間の本性。
  • 倫理学、政治哲学、神:どう生きるか、社会をどう組織するか、宇宙における神の位置。

批判的分析

長所

  • 全歴史を貫く一つの声。 出版社は、一人の著者が25世紀にわたって読者を導く点を強調している。これにより、四つの部に一貫した方法と共通の語彙が与えられる。
  • 叙述の章と主題の章が並ぶ。 各部は、年代順の章を、繰り返し現れる問題をめぐる主題別の章と組み合わせており、読者は人物を追うことも主題を追うこともできる。
  • 参照用の装備。 年表、略語・表記法の一覧、約30ページの文献表、索引があり、通読だけでなく調べ物にも使える。
  • 一般読者向けに書かれている。 出版社は、観念とその歴史に関心のあるすべての人に勧めており、「いかに論証するか」「どう生きるか」といった章題もその語り口を反映している。

短所

  • 分量。 1,000ページを超え、一つの授業では消化しきれない。読者は部や章を選ばなければならない。
  • 西洋中心。 書名のとおり西洋の伝統を扱う。中国やインドなど他の伝統を知りたい読者は別の本が必要である。
  • 構成の反復。 主題別の章は四つの部で繰り返される(論理、知識、心、倫理、神はどの部にも現れる)。時代間の比較には便利だが、一つの主題が数百ページに分散することになる。
  • 20世紀後半で終わる。 最後の年代順の章は「フロイトからデリダまで」であり、近年の数十年は扱われない。

コースにおける位置づけ

哲学入門のリストの中で、ケニーは長大な歴史の参照書である。『Introduction to Philosophy』(OpenStax)は大学の最初の哲学の授業向けの公開教科書で、論理、形而上学、認識論、価値論、哲学史を主題別に概観し、多様な伝統の資料を用いる。ラッセルの『哲学入門』は知識論を軸に組み立てられた短い古典、ブラックバーンの『Think』は少数の根本的問題を中心にした短い入門、ネーゲルの『The View from Nowhere』は分野を概観するのではなく一つの首尾一貫した見方を論じる研究書である。

ケニーは、これらが前提とする歴史的背景を補う役割を果たす。短い入門書に出てくる人名や議論を、その時代に位置づけたいときに参照するとよい。

本書の使い方

西洋の伝統全体の地図を求める1・2年次の学生や一般読者に向く。専門的な予備知識は要らないが、後半の主題別の章は、哲学をすでに少し学んでいる読者により報いる。

進め方の例:まず第1部の序論と二つの年代順の章を読んで古代思想の輪郭をつかみ、その後は選んで読む。特定の時代を扱う授業なら、その部の年代順の章と、授業が扱う話題の主題別の章を読む。知識、心、倫理のような一つの問題を扱う授業なら、その主題別の章を四つの部にわたってたどると、問いが時代とともにどう変わるかが見える。年表と文献表は、一次資料や読書案内を探すのに使う。