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Mind in a Physical World: An Essay on the Mind-Body Problem and Mental Causation(物理世界のなかの心――心身問題と心的因果) cover

哲学

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Mind in a Physical World: An Essay on the Mind-Body Problem and Mental Causation(物理世界のなかの心――心身問題と心的因果)

Jaegwon Kim

英語原題: Mind in a Physical World: An Essay on the Mind-Body Problem and Mental Causation

ジェグォン・キムのタウンゼント講義に基づく短く密度の高いモノグラフで、根本的に物理的な世界のなかに心の居場所を見出す問題を扱う。付随性と創発を再検討し、非還元的物理主義は心的性質がどう因果的な違いをもたらすかを説明できないと論じ、機能的還元のモデルに基づく部分的に還元主義的な解決を提案する。

前提知識: 機能主義、付随性、心的因果の問題を扱う中級の心の哲学の授業を修了していることを前提とする。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
philosophy of mindmental causationphysicalismreductionsupervenience

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Kim, J. (2000). Mind in a Physical World: An Essay on the Mind-Body Problem and Mental Causation. MIT Press (Bradford Books).

章の要約

本書はキムの1996年のタウンゼント講義に基づき、講義形式のくだけた調子を保っている。序文と、各約30ページの4つの章があり、その後に約14ページの注、短い参考文献、索引が続く。本文は全体で約120ページである。出版社の紹介は、主題を心身問題、心的因果、還元主義とし、心身問題を、根本的に物理的な世界の中に心の居場所を見つける課題として捉えている。

第1章:The Mind-Body Problem: Where We Now Are(心身問題:現在地)

議論の現状を整理し、以後の語彙を定める。各節は、付随性・実現・創発、付随性はそれ自体では心身の理論ではないという主張、階層モデルと部分全体的付随性、そして心身の付随性を説明するとされる「物理的実現論」を扱う。出版社によれば、キムは付随性と創発がこの議論で果たす役割を捉え直している。

第2章:The Many Problems of Mental Causation(心的因果の多くの問題)

心的因果の三つの問題を区別し、続いて「付随性論証、あるいはデカルトの復讐」に向かう。この論証は第4章の終わりで再び取り上げられる。本章はさらに、この論証をめぐるサールとフォーダーの立場を論じ、ブロックの二階の性質に関する懸念を検討する。

第3章:Mental Causation: The Backlash and Free Lunches(心的因果:反動とただ飯)

心的因果の問題への応答を検討する。各節は、排除問題、反事実条件文が助けになるか、プログラム説明と付随的因果、心的因果の問題が心的なものを超えて一般化するか、そして階層と階の観念を扱う。出版社は、キムが現代のさまざまな心的因果の説明は不十分だと論じると述べている。

第4章:Reduction and Reductionism: A New Look(還元と還元主義:新たな見方)

積極的な提案を展開する。本章は橋渡し法則の難点を振り返り、還元の機能モデルを示し、機能的性質と機能的概念を区別し、多重実現を再び取り上げ、付随性論証を再訪する。最後は「良い知らせと悪い知らせ」という節で終わる。出版社によれば、結果は斬新な還元モデルに基づく部分的に還元主義的な解決である。

主要概念

第1〜2章:問題

  • 心身の付随性:心的性質は物理的性質に依存するという主張。キムは、それだけでは両者の関係の理論にはならないと論じる。
  • 物理的実現論:この章の見出しに現れる、心的性質は物理的に実現されるという見解。心身の付随性を説明するものとして提示される。
  • 付随性論証:「デカルトの復讐」とも呼ばれる論証で、心的性質がどうして何かを引き起こせるのかという問題を提起する。

第3〜4章:応答と提案

  • 排除問題:物理的原因があると、心的原因の因果的な仕事がなくなってしまうように見える難点。
  • 橋渡し法則:古典的な還元モデルで、還元される理論の語彙と還元する理論の語彙を結びつける法則。
  • 還元の機能モデル:機能的な定義を与え、その物理的な実現者を特定することで、心的性質を還元するモデル。
  • 多重実現:一つの心的性質が多くの物理的性質によって実現されうるという主張。キムはこれを再考する。

批判的分析

長所

  • 簡潔で論証的な議論。 4つの章、本文約120ページで、問題を述べ、競合する解決を検討し、自らの解決を示す。出版社はこれを明快でありながら洗練されていると評している。
  • 明確な構成。 章と節の見出しは、現状の整理から、付随性論証とそれへの応答を経て、還元のモデルへという流れを示し、各章が次の章の準備になっている。
  • 名指しされた立場との対話。 見出しにはサール、フォーダー、ブロックの名があり、反事実、プログラム説明、排除問題が検討されるので、本書はキム自身の見解の提示であるとともに、主な非還元主義的応答への入口にもなる。
  • 講義調の語り口。 講義形式のくだけた文体が保たれており、背景知識のある読者には取り組みやすい。

短所

  • 凝縮されている。 本書は短く、付随性、実現、機能主義になじんでいることを前提とするので、心の哲学の授業を受けた後に読むのが最もよい。
  • 単一の議論の線。 一つの立場、すなわち部分的還元主義の立場を擁護するのが目的なので、応答の全体像は他の文献で補う必要がある。
  • 部分的な還元。 出版社はこの解決を部分的に還元主義的と述べているので、心的なもののどの部分が還元されずに残るかを丁寧に確かめ、還元に抵抗する立場とこの提案を比較すべきである。

コースにおける位置づけ

心の哲学のリストの中では、これは上級の研究書にあたる。レイヴンズクロフトの『Philosophy of Mind: A Beginner's Guide』、エイミー・カインドの『Philosophy of Mind: The Basics』、ヘイルの『Philosophy of Mind: A Contemporary Introduction』は、二元論から機能主義までの主要な理論を扱い、自然な準備になる。キム自身の教科書『Philosophy of Mind』は、20世紀の主要な立場を通じて心身問題をたどり、心的なもののどれだけが物理的世界に収まるかを検討して終わる。本書が前提とする範囲をカバーしている。

チャーマーズの『The Conscious Mind』は有益な対比になる。意識経験は物理的な言葉では還元的に説明できないと論じる一方、キムは部分的に還元主義的な解決を提案する。両者を併せて読めば、心への還元的アプローチと反還元的アプローチがどこで分かれるかが見える。

本書の使い方

機能主義、付随性、心的因果の問題を扱う中級の心の哲学の授業を受けた大学院生や学部上級生向けである。

実践的な読書計画:

  • 最初の通読: 第1、2章を読んで語彙と付随性論証を身につける。後の章はこれらの上に築かれるので、丁寧な再読に値する。
  • 応答: 第3章はその論証への応答を与えるので、自分ならどれを擁護するかを考えながら読む。
  • 提案: 第4章はキム自身の解決を与えるので、最後に読み、応答と比較する。
  • 併読: 背景にはキムの教科書を、対立する見解にはチャーマーズを読む。

付随性論証を番号付きの論証として自分の言葉で書き出し、第3章の各応答がどの前提を否定しているかを記す。そのうえで、第4章の還元の機能モデルがこの問題を避けているかを確かめる。