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forall x: Calgary. An Introduction to Formal Logic(forall x カルガリー版:形式論理学入門) cover

哲学

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forall x: Calgary. An Introduction to Formal Logic(forall x カルガリー版:形式論理学入門)

P. D. Magnus; Tim Button; Robert Trueman; Richard Zach; with contributions by J. Robert Loftis and Aaron Thomas-Bolduc

英語原題: forall x: Calgary. An Introduction to Formal Logic

Open Logic Project が提供する、無償でオープンライセンスの形式論理学入門です。真理関数論理と同一性を含む一階論理を扱い、フィッチ式の自然演繹体系で証明を学びます。終盤では標準形、表現の完全性、様相論理を簡潔に紹介します。カルガリー大学のチームが維持し、定期的に改訂されています。ペーパーバックは Fall 2023 版を収めたもので、プロジェクトのサイトで無料公開されている PDF は最新の改訂版(Fall 2025)です。

前提知識: 論理学の予備知識や初等代数を超える数学は不要ですが、記号と厳密な定義に慣れていると役立ちます。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
formal logicpropositional logicfirst-order logicnatural deductionopen textbook教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Magnus, P. D., Button, T., Trueman, R., & Zach, R. (2025). forall x: Calgary. An Introduction to Formal Logic (Fall 2025 ed.), with contributions by J. R. Loftis and A. Thomas-Bolduc. Open Logic Project. Free official edition: https://forallx.openlogicproject.org/

章の要約

本書は九つの部に分かれた48の短い章から成ります。以下の要約は部ごとにまとめ、各章の題名を示します。

第1〜3章(第I部 論理の基本概念):論証/論理の範囲/その他の論理的概念

記号が登場する前に、第I部は論証とは何か(真か偽になりうる文から成る前提と結論)を説明し、妥当性を「前提がすべて真で結論が偽となる場合が存在しないこと」と定義します。第2章は妥当性の種類を区別し、形式的妥当性と健全性を導入し、演繹的な妥当性と帰納的な強さを対比します。第3章は、同時に成り立ちうること(共可能性)、必然的真理と必然的偽、必然的同値を加え、いずれも「場合」によって定義します。

第4〜8章(第II部 真理関数論理):記号化への第一歩/結合子/TFLの文/曖昧性/使用と言及

第II部は真理関数論理(TFL)の言語を導入します。形式によって妥当になる論証があることを示して記号化の動機を与え、文字記号と記号化のキーを導入し、五つの結合子(否定、連言、選言、条件法、双条件法)を、「unless」のような英語表現への注意深い助言とともに示します。第6章はTFLの文の再帰的定義と括弧の慣例を与え、第7章は記号化が語彙的・構造的曖昧性をどのように解消するかを示し、第8章は引用、対象言語とメタ言語、メタ変数を説明します。

第9〜15章(第III部 真理表):特性真理表/真理関数的結合子/完全な真理表/意味論的概念/TFLの限界/真理表の近道/部分的な真理表

この部はTFLに意味論を与えます。特性真理表と真理関数性についての議論(実質条件法が英語の「if」の近似にすぎない理由を含む)の後、完全な真理表の作り方を示し、それを用いて恒真式、矛盾式、同値、充足可能性、そして二重ターンスタイルで表される帰結関係を定義します。第13章はTFLが捉えられないものを例で示し、最後の二章はより速く判定するための近道と部分的な真理表を教えます。

第16〜22章(第IV部 TFLの自然演繹):自然演繹という考え方/TFLの基本規則/証明の構成/TFLの追加規則/証明論的概念/派生規則/健全性と完全性

第IV部は、各結合子に導入規則と除去規則をもつフィッチ式の自然演繹体系を、下位証明と間接証明を含めて展開します。第18章は証明を見つけるための戦略(目標から逆向きに考える、前提から順向きに進める、間接的に進める)を示します。選言三段論法、モーダス・トレンス、二重否定除去、排中律、ド・モルガン規則が追加され、その後それらが基本規則から導出できることが示されます。第20章は単一ターンスタイルと、定理や相互導出可能性といった証明論的概念を導入し、第22章は、完全な証明を与えずに、なぜ証明体系と真理表が一致するのかを説明します。

第23〜29章(第V部 一階述語論理):FOLの構成要素/量化子が一つの文/多重一般性/同一性/FOLの文/確定記述/曖昧性

ここでは言語が名前、述語、量化子、議論領域によって拡張されます。各章は記号化の技能を段階的に積み上げます。よく使われる量化表現、空の述語と議論領域の選択、多項述語と量化子の順序、そして同一性(「〜だけ」「〜を除いて」や個数の表現のため)です。第27章は項、論理式、自由変数、文を形式的に定義し、第28章はラッセルの確定記述の理論を示してその妥当性を論じ、第29章は記号化を用いて英語の作用域の曖昧性を解消します。

第30〜35章(第VI部 解釈):外延性/FOLにおける真理/意味論的概念/解釈の利用/解釈についての推論/関係の性質

第VI部は一階述語論理に意味論を与えます。述語は外延によって解釈され、解釈は議論領域・名前・述語について指定され、FOLにおける真理が原子文、結合子、量化子について定義されます。そのうえで妥当性、帰結、充足可能性がFOLについて定義し直され、ある文が妥当式でないことや論証が妥当でないことを示すために解釈を構成する方法と、逆に妥当であることを示すにはなぜすべての解釈についての一般的な推論が必要なのかが示されます。最終章は推移性、反射性、対称性などの性質を定義します。

第36〜41章(第VII部 FOLの自然演繹):FOLの基本規則/量化子を含む証明/量化子の変換/同一性の規則/派生規則/証明と意味論

証明体系は全称量化子と存在量化子の導入規則・除去規則によって拡張され(空の議論領域や空虚な量化にも注意が払われます)、続いて量化子を含む証明の戦略、否定をまたぐ量化子の変換規則、同一性の規則が示されます。その後、変換規則が導出可能であることが示されます。第41章は、証明可能性(⊢)と意味論的帰結(⊨)は異なる概念であることを強調し、それぞれをいつ示しやすいかを説明します。

第42〜44章(第VIII部 様相論理):様相論理入門/MLの自然演繹/MLの意味論

この部はTFLを□と◇の演算子で拡張します。必然性のさまざまな読み方(証明可能性を含む)を説明し、自然演繹体系K、T、S4、S5を示し、それぞれについて到達可能性関係をもつ可能世界意味論を与えます。

第45〜48章(第IX部 メタ理論):標準形/関数的完全性/同値の証明/健全性

最終部はTFLそのものについての結果を証明します。すべての文が選言標準形と連言標準形をもつこと、ある結合子の集合は関数的に完全である(そうでない集合もある)こと、同値は置換と同値の連鎖によって確立できること、そしてTFLの自然演繹体系が健全であることです。付録は別の記法、別の証明体系、規則の早見表を扱い、最後に用語集が付いています。

主要概念

第I部:論理の基本概念

  • 妥当性:前提がすべて真で結論が偽となる場合が存在しないとき、論証は妥当である。
  • 論証の健全性:妥当であり、かつ前提がすべて実際に真であること。
  • 共可能性:ある場合においてすべてが同時に真でありうる文の集まり。

第II部:真理関数論理

  • 記号化のキー:英語の文を文字記号に割り当てる対応表。
  • 主要論理演算子:文全体の構造を決める結合子。
  • 対象言語とメタ言語:研究対象となる言語と、それについて語るための言語。引用とメタ変数によって区別される。

第III部:真理表

  • 付値:文字記号への真理値の割り当て。真理表の一行に対応する。
  • 恒真式、矛盾式、帰結:すべての付値で真、すべての付値で偽、前提を真にし結論を偽にする付値が存在しないこと。
  • 真理関数性:結合子の出力が入力の真理値だけで決まること。

第IV部:TFLの自然演繹

  • 導入規則と除去規則:各結合子を含む文を証明するための規則と、それを使うための規則の対。
  • 下位証明と間接証明:後で解除される一時的な仮定。矛盾を導くことによる証明を含む。
  • 派生規則:便利さを加えるが、基本規則から正当化できる規則。

第V部:一階述語論理

  • 量化子と議論領域:∀と∃は選ばれた対象の領域を動く。
  • 量化子の順序:∀x∃yと∃y∀xは異なることを述べる。
  • 確定記述についてのラッセルの分析:「そのFはGである」を「Fであるものがちょうど一つあり、それはGである」と分析すること。

第VI部:解釈

  • 外延:述語が当てはまる対象(または組)の集合。
  • 解釈:議論領域と、名前の指示対象および述語の外延の組み合わせ。
  • 反例となる解釈:文が妥当式でないこと、または論証が妥当でないことを示す解釈。

第VII部:FOLの自然演繹

  • 全称導入と存在除去:使われる名前に制限が課される量化子の規則。
  • 単一ターンスタイルと二重ターンスタイル:証明可能性と意味論的帰結。

第VIII部:様相論理

  • 必然性と可能性の演算子:TFLに加えられる□と◇。
  • 体系K、T、S4、S5:強さが増していく証明体系で、可能世界意味論の到達可能性関係に対応する。

第IX部:メタ理論

  • 標準形:すべてのTFLの文を変換できる選言標準形と連言標準形。
  • 関数的完全性:結合子の集合がすべての真理関数を表現できること。
  • 証明体系の健全性:証明できるものはすべて帰結として成り立つこと。

批判的分析

長所

  • 意味論と証明の丁寧な区別。 本書は論理的概念をまず非形式的に(第I部)、次に真理表と解釈によって、さらに証明論的に定義し、⊨と⊢の違いを強調します(第20章、第22章、第41章)。この構成は、論理を技法の寄せ集めとして扱うのではなく、学生をメタ理論へと準備させます。
  • 記号化の充実した指導。 「unless」、曖昧性、空の述語、量化子の順序、同一性、確定記述を扱う章は、初学者にとって最も難しい技能である英語から形式表記への翻訳について、多くの例題とともに詳しい指針を与えます。
  • 規則だけでなく証明の戦略も。 第18章と第37章は証明の探し方(逆向き・順向きの作業、間接証明)を教えます。体系はゲンツェン流の規則を用い、間接証明だけが古典的な規則であるため、基本規則から派生規則への移行が見通しよくなっています。
  • オープンで支援が充実。 本文はCC BYライセンスで、アクセシブルなHTML版があり、多くの演習の解答が無料で公開されています。構文と証明体系(様相論理を除く)は、自動採点ができるオンラインソフトウェアCarnapに対応しています。

短所

  • 完全性の証明がない。 第22章は健全性と完全性を非形式的に論じ、第IX部はTFLの自然演繹の健全性だけを証明します。TFLやFOLの完全性はより上級のテキストに委ねられています。
  • 様相論理は短い付け足し。 第VIII部はK、T、S4、S5を三つの章で扱いますが、一階様相論理や哲学的応用を深くは扱わないため、様相論理の授業というより入門的な紹介に向いています。
  • 頻繁に変わる版。 序文は、オンラインのPDFは「頻繁に変わる」と述べ、教員に版を固定するよう勧めています。本ガイドが基にした版と印刷版とでは、章番号やページ番号が異なることがあります。
  • 非形式論理ではなく形式論理。 第I部での帰納的論証の扱いを除けば、本書は誤謬、論証の図式化、批判的推論を扱っていないため、非形式論理と形式論理を組み合わせる授業では別の教材が必要です。

コースにおける位置づけ

「論理学」のリストで、forall x: Calgary は最初の授業向けの形式論理の教科書であり、Barker-Plummer、Barwise、Etchemendyの Language, Proof and Logic と並びます。後者は一般に、似た範囲(フィッチ式の証明体系による命題論理と一階論理)を扱い、独自の付属ソフトウェアを中心に構成されていると説明されます。Copi、Cohen、Rodychの Introduction to Logic は一般に、非形式的推論と伝統的論理をより広く扱うとされています。誤謬や批判的推論を学びたい学生は、形式的な内容がより体系的なforall xと並行してそれを使うことができます。

後続の二冊は自然な次の段階です。Siderの Logic for Philosophy は哲学者向けにメタ論理、様相論理、非古典論理へと進み、第II〜VII部の内容を前提とします。forall xの第VIII部と第IX部はその橋渡しとして役立ちます。Boolos、Burgess、Jeffreyの Computability and Logic は、forall xが証明しない計算可能性と主要なメタ定理(完全性定理や不完全性定理を含む)を扱っており、本書に基づく最初の授業の後に取り組むのが最適です。

本書の使い方

本書は、主に哲学科で行われる1学期の形式論理入門のために書かれており、定義を注意深く扱うこと以上の数学は前提としていません。序文は、部分的な真理表と派生規則を除いて、第I〜VII部と第45〜47章を12週間で扱う計画を紹介しています。1学期の授業はこの計画に従えばよく、第VIII部(様相論理)と第48章(健全性)は、より長い授業や上級コースに向いています。

ほとんどの章末にある練習問題に取り組み、本書のサイトで公開されている別冊の解答集で答えを確認してください。授業でCarnap(carnap.io)を使う場合は、記号化、真理表、証明を自動フィードバック付きで練習できます。オンラインのPDFは更新されるため、序文の勧めどおり一つの版をダウンロードし、学期を通してそれを使い続けるとよいでしょう。早見表の付録と用語集は、証明や試験の際に役立ちます。

版と出典

本ガイドは forall x: Calgary のFall 2025版(PDFのリビジョンc5cb415、2026年9月27日付)に基づいており、底本は公式サイト https://forallx.openlogicproject.org/ からダウンロードしたものです。このサイトで現在公開されているPDFはこのFall 2025版であり、以前のFall 2020版とFall 2021版のPDFは保存されていますが、Fall 2023版のファイルは提供されていないため、本ガイドは本ページに記載されたFall 2023の印刷版と細部で異なる可能性があります。本ガイドは、序文(範囲、クレジット、教員向けの注記)、目次全体、全48章それぞれの冒頭部分とすべての節見出しおよび練習問題の有無に基づいており、第13、22、35、41、42章はより詳しく参照しています。