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Classical Indian Philosophy: A History of Philosophy without Any Gaps, Volume 5(古典インド哲学:「隙間のない哲学史」第5巻) cover

哲学

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Classical Indian Philosophy: A History of Philosophy without Any Gaps, Volume 5(古典インド哲学:「隙間のない哲学史」第5巻)

Peter Adamson; Jonardon Ganeri

英語原題: Classical Indian Philosophy: A History of Philosophy without Any Gaps, Volume 5

ピーター・アダムソンの「隙間のない哲学史」シリーズ第5巻で、ジョナルドン・ガネリとの共著です。短く読みやすい章で古代・古典期インドの哲学をたどり、主要な学派とその論争を厳密な哲学として提示しながら、仏教、ジャイナ教、バラモン教系の思想家たちのあいだの議論を追います。

前提知識: インド哲学やサンスクリットの予備知識は不要ですが、哲学的な議論に多少慣れていると役立ちます。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
indian philosophybuddhismnyayavedantahistory of philosophy

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Adamson, P., & Ganeri, J. (2022). Classical Indian Philosophy: A History of Philosophy without Any Gaps, Volume 5. Oxford University Press.

章の要約

本書は49の短い章からなり、「起源」「スートラの時代」「仏教徒とジャイナ教徒」「古代インドを越えて」の四部に分かれる。ピーター・アダムソン(Peter Adamson)のポッドキャストのシリーズから生まれた本で、出版社は、シリーズの他の巻を読まなくても読める独立した一冊だと説明している。出版社の紹介によれば、冒頭の部分は哲学を、苦しみからの解放をめざす生き方として描く。以下の章題は、出版社が公表している目次(変音記号なし)に基づいて訳した。

第I部「起源」:第1〜2章

「終わりから始めよ:インド哲学入門」と「聖典・学派・体系:歴史的概観」。歴史の叙述が始まる前に、この伝統とその主要な文献・学派を読者に紹介する。

第3〜6章:ヴェーダ期、ウパニシャッド、自己とカルマ

「馬一頭と引き換えの王国:ヴェーダ期のインド」「かくれんぼ:ウパニシャッド」「インドラの探索:ウパニシャッドにおける自己」「あなたの行いがあなた:ウパニシャッドにおけるカルマ」。現存する最古の文献から、ウパニシャッドによる自己とカルマの扱いへと進む。

第7章:「格」の係:パーニニの文法

パーニニの文法を扱う一章。言語は第18章と第21章でも再び主題となる。

第8〜9章:ブッダ

「苦しみと微笑み:ブッダ」と「境界を越える魅力:ブッダの教えの性質」。

第10〜11章:政治と女性

「大きな棒を携えて:古代インドの政治思想」と「より良き半分:古代インドの女性」。出版社が強調する、政治的権威と女性の地位という主題を扱う。

第12〜14章:叙事詩と非暴力

「大いなる幻影:『マハーバーラタ』におけるダルマと欺瞞」「糸に吊られた世界:『バガヴァッド・ギーター』」「おおむね無害:非暴力」。

第II部「スートラの時代」:第15〜21章

「もつれた網:スートラの時代」「疑わしきときは:懐疑主義の台頭」「儀礼の司会者:ジャイミニのミーマーンサー・スートラ」「無罪推定:ミーマーンサーの知識論と言語論」「ソースコード:バーダラーヤナのヴェーダーンタ・スートラ」「二通りはない:シャンカラとアドヴァイタ・ヴェーダーンタ」「意思疎通の断絶:バルトリハリの言語論」。懐疑主義、ミーマーンサーとヴェーダーンタ(アドヴァイタの一元論を含む)、そして言語についてのもう一章が扱われる。

第22〜24章:サーンキヤ、医学、ヨーガ

「進化論:イーシュヴァラクリシュナのサーンキヤ・カーリカー」「誰が永遠に生きたいか:初期アーユルヴェーダ医学」「習うより慣れよ:パタンジャリのヨーガ・スートラ」。

第25〜28章:ニヤーヤ

「煙のあるところに火あり:ガウタマのニヤーヤ・スートラ」「見たものがそのまま得られる:ニヤーヤの知覚論」「標準的な演繹:ニヤーヤの推論論」「真理はあなたを自由にする:ニヤーヤの心論」。論理学と認識論の学派に四章が充てられている。

第29〜31章:ヴァイシェーシカと時間

「きめ細かな分析:カナーダのヴァイシェーシカ・スートラ」「全体の話:ヴァイシェーシカの複合体論と因果論」「ある一日:時間の理論」。

第32〜33章:自然主義と唯物論

「狼の足跡:インドの自然主義」と「物質から心へ:自己の唯物論的理論」。出版社の紹介が挙げるカールヴァーカ学派を含む、唯物論的な批判者たちを扱う。

第III部「仏教徒とジャイナ教徒」:第34〜39章

「意見を異にする:仏教徒とジャイナ教徒」に続いて、空・変化・四句に関するナーガールジュナ(「すべては依存している」「否定される運動」「四通りもない」)と、立場と真理に関するジャイナ教の理論(「視点を変える」「条件つき」)が論じられる。

第40〜44章:ヨーガーチャーラ、無我、ディグナーガ

「心変わり:ヴァスバンドゥとヨーガーチャーラ仏教」「誰があなたの糸を引いているのか:ブッダゴーサの無我論と自律論」、そしてディグナーガについての三章、「構築中:ディグナーガの知覚論と言語論」「証拠に従え:ディグナーガの論理学」「知覚の扉:ディグナーガの意識論」。

第IV部「古代インドを越えて」:第45〜49章

「味わいの良さ:ラサの美学理論」「実践して学ぶ:タントラ」「東を見る:ギリシア思想へのインドの影響」「ブッダと私:イスラム・ヨーロッパ思想へのインドの影響」「その後どうなったか:ディグナーガ以後のインド哲学」。美学、タントラ、インドがギリシア思想とその後の思想に与えた影響の問題、そしてディグナーガ以後を述べる最終章が含まれる。

主要概念

第1〜14章:起源

  • ウパニシャッドにおける自己とカルマ:第5・6章は自己とカルマを中心的な主題として扱う。
  • ダルマと非暴力:第12〜14章は『マハーバーラタ』のダルマ、『バガヴァッド・ギーター』、非暴力を取り上げる。

第15〜33章:スートラの時代

  • スートラの伝統:ミーマーンサー、ヴェーダーンタ、サーンキヤ、ヨーガ、ニヤーヤ、ヴァイシェーシカなどの学派の基礎となる文献。
  • アドヴァイタ・ヴェーダーンタ:第20章で扱われる一元論。
  • ニヤーヤの認識論と論理学:第26・27章が知覚と推論を扱う。
  • 唯物論・自然主義の思想:カールヴァーカ学派と、それに関連する自己の理論。

第34〜49章:仏教徒、ジャイナ教徒、その後

  • 空と四句:「非依存的」概念に対するナーガールジュナの批判。
  • 立場:出版社が特に挙げるジャイナ教の認識論。
  • ディグナーガ:知覚、言語、論理、意識。出版社が言及する無我の心の哲学に属する。
  • ラサとタントラ:インド思想の概説では省かれがちな伝統。

批判的分析

長所

  • 通常の学派を越える幅広さ。 出版社は、本書がカールヴァーカ学派、タントラ、美学理論、および非暴力・政治的権威・女性の地位といった主題も扱うと強調している。目次には、政治、女性、アーユルヴェーダ、自然主義、ラサ、タントラの独立した章があることが確認できる。
  • 短く自己完結した章。 約400ページの本に49章が収められ、各章は短く、出版社も短く生き生きとした章と述べている。一つの学派、一人の思想家、一つの主題を一度に読み通せる。
  • 予備知識を前提としない。 出版社は本書を初心者にも読みやすく、シリーズの他の巻から独立したものとして紹介しており、最初の一冊として使いやすい。
  • 二人の著者。 出版社の著者紹介は、アダムソンを「哲学史」(History of Philosophy)ポッドキャストの司会者、ガネリ(Ganeri)を英国学士院フェローで、複数の哲学的伝統に依拠して研究する人物としている。

短所

  • 各学派の扱いが短い。 全体で平均すると各章は10ページに満たず、議論は再構成されるよりも素描される。特に仏教哲学を深く学ぶには、専門的な研究書が必要になる。
  • 物語的な歴史であり、資料集ではない。 出版社の資料は、本書を学派と論争への生き生きとした案内として説明しており、翻訳文の選集ではない。一次資料は別に当たる必要がある。
  • 終わりが圧縮されている。 後期のインド哲学は最終章「その後どうなったか:ディグナーガ以後のインド哲学」の一章で扱われ、49章のうち44章はディグナーガかそれ以前で終わるため、本書はその時期に重点がある。
  • 目録上のページ数が一致しない。 OUPインドは432ページ、Google Booksは397ページとしており、読む範囲をページで指定するときは手元の版で確認する必要がある。

コースにおける位置づけ

このコースでは、本書は概観を担う一冊である。スー・ハミルトン(Sue Hamilton)の Indian Philosophy: A Very Short Introduction は同じ領域をより短くまとめ、インドの思想家が実在や知識についての問いを解放の探究とどう結びつけたかを説明している。マイケル・キャリザース(Michael Carrithers)の The Buddha: A Very Short Introduction は初期仏教に焦点を当て、本書の第8・9章と並べて読める。

マーク・シデリッツ(Mark Siderits)の Buddhism as Philosophy は仏教の側をはるかに深く掘り下げる。無我、アビダルマ、ヨーガーチャーラ、中観、ディグナーガの認識論を扱うため、ナーガールジュナ、ヴァスバンドゥ、ディグナーガは両書に登場する(本書では第35〜44章)。まずアダムソンとガネリで全体像をつかみ、次にシデリッツで論証に進むという順序が理にかなっている。ブライアン・ヴァン・ノーデン(Bryan Van Norden)の Introduction to Classical Chinese Philosophy とA・C・グレアム(A. C. Graham)の Disputers of the Tao は中国思想を扱い、比較哲学の授業で本書の対になる。

本書の使い方

この主題に初めて触れる読者、宗教学や南アジア研究の学生、インド思想を西洋の伝統と並べて見たい哲学の読者に向いている。サンスクリット語の知識は要らない。

実践的な進め方は次のとおり。

  • 導入: 第1・2章、続いて第I部を自分のペースで読む。
  • 哲学の授業の中核: ウパニシャッドの第4〜6章、ブッダの第8〜9章、ミーマーンサー、ヴェーダーンタ、ニヤーヤ、ヴァイシェーシカの各学派から一章ずつ、そしてナーガールジュナとディグナーガの第35〜37章と第42〜43章。
  • 選択的に: 政治、女性、医学、時間、ラサ、タントラの章。より広い文化に関心のある読者に向く。
  • 結び: 影響とその後を扱う第47〜49章。観念の歴史に関心のある読者に向く。

各章が短く独立しているので、全体ではなくまとまりごとに読む範囲を指定するとよい。翻訳された一次文献と組み合わせ、同じ主題の関連するポッドキャストの回を復習の補助として利用することもできる。