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Mims' Pathogenesis of Infectious Disease(ミムス感染症の病原機構) cover

医学

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Mims' Pathogenesis of Infectious Disease(ミムス感染症の病原機構)

Anthony A. Nash; Robert G. Dalziel; J. Ross Fitzgerald

英語原題: Mims' Pathogenesis of Infectious Disease

微生物がどのように疾患を引き起こすかを扱う簡潔な上級テキスト。個々の病原体ではなく感染の段階に沿って構成され、付着と侵入から、体内での拡散、食細胞や免疫応答との遭遇、組織傷害、回復または持続感染までをたどり、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫から例を引く。

前提知識: Mims' Medical Microbiology and ImmunologyやBasic Immunologyなどによる医微生物学と免疫学の入門。

難易度レベル
上級
学術レベル
学部
infectious diseasepathogenesishost-pathogen interactionmicrobiologyimmune response教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Nash, A. A., Dalziel, R. G., & Fitzgerald, J. R. (2015). Mims' Pathogenesis of Infectious Disease (6th ed.). Academic Press (Elsevier).

章の要約

本書は、感染の各段階に対応した短い12の章からなり、末尾に結論の短い付録、用語集、索引が付く。各章の終わりには参考文献が置かれている。章の順序は体内での出来事の順に沿っている。侵入、初期の増殖、食細胞との接触、拡散、免疫応答、組織障害、回復、持続感染と進み、最後に宿主の感受性を左右する要因とワクチンの働きが扱われる。

第1章:General Principles(総論)

冒頭の章で、以降の章が用いる枠組みを示す。感染は微生物と宿主の相互作用として捉えられ、あらゆる感染症に共通する要因が、生物ごとではなく、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫をまたいで説明される。

第2章:微生物の体内への付着と侵入

まず付着と侵入に関する一般的な考察を述べ、次に表面ごとに、皮膚、呼吸器、消化管、中咽頭、泌尿生殖器、結膜を順に取り上げる。さらに常在微生物叢と、微生物が体外へ出る過程も扱い、新たな宿主への伝播へと話がつながる。

第3章:病原体侵入後の感染初期

微生物が表面を越えた後に起こることを扱う。上皮細胞での増殖、細胞内微生物と体内での拡散、上皮下への侵入、そして侵入した微生物の栄養要求である。

第4章:微生物と食細胞の遭遇

多形核白血球とマクロファージにおける食作用の細胞生物学から始め、食細胞に対する微生物の戦略へ進む。食細胞内での増殖、食細胞の殺傷、食作用以外の経路による宿主細胞への侵入である。最後に食細胞の欠陥がもたらす結果と要約が置かれている。

第5章:微生物の体内での拡散

直接の拡散、拡散を促す微生物側の因子、リンパ管を介する拡散、血流を介する拡散、その他の経路を介する拡散を扱う。

第6章:感染に対する免疫応答

抗体応答、T細胞が担う免疫応答、NK細胞、マクロファージ・好中球・肥満細胞、補体と関連する防御分子を概観し、微生物に対する免疫応答についての結論で締めくくる。免疫学の基礎をすでに学んだ読者が、それを感染に当てはめて理解するための章である。

第7章:免疫応答に対する微生物の戦略

微生物が免疫を回避し、あるいは利用する方法の一覧である。免疫寛容の誘導、免疫抑制、免疫応答の標的となるものの欠如、免疫応答が届かない部位での存在、不適切な抗体およびT細胞応答の誘導、可溶性の微生物抗原による抗体の消費、免疫の働きへの局所的な干渉、インターフェロン誘導または応答性の低下、抗原変異が取り上げられる。

第8章:細胞・組織障害の機序

細胞や組織の障害を伴わない感染と、微生物による直接障害、微生物毒素、炎症を介した間接障害、免疫応答を介した間接障害(免疫病理)、その他の間接的機序を区別して述べる。章の最後は下痢についての節である。

第9章:感染からの回復

回復に関わる免疫学的要因、炎症、補体、インターフェロン、多機序による回復の一例、体温、組織修復、再感染への抵抗性を取り上げる。

第10章:微生物の排除の失敗

潜伏、排出を伴う持続感染とその疫学的意義、排出を伴わない持続感染、そして持続感染が個人にとって持つ意味を扱う。

第11章:感受性に影響する宿主因子と微生物因子

微生物側および宿主側の遺伝的要因、ストレスとホルモンの要因、その他の要因を検討する。

第12章:ワクチンとその仕組み

ワクチンの一般原則、ワクチンの合併症と副反応、リバース・ワクチノロジーを紹介する。

主要概念

第1〜3章:侵入と感染初期

  • 侵入門戸:皮膚、呼吸器、消化管、泌尿生殖器、結膜の各表面は、付着と侵入に対してそれぞれ異なる障壁をもつ。
  • 常在微生物叢:侵入と排出に関連して論じられる常在菌叢で、表面に定着できるものを左右する。
  • 上皮下への侵入:上皮細胞内での増殖の次の段階で、微生物がより深い組織に達する過程である。

第4〜5章:食細胞と拡散

  • 食作用:多形核白血球とマクロファージによる微生物の取り込みと殺傷。微生物はこれに抵抗し、利用し、あるいは食細胞を破壊することがある。
  • 拡散の経路:直接の拡散、リンパ管、血流、その他の経路であり、拡散を促進する微生物因子が関与する。

第6〜7章:免疫と微生物の回避

  • 免疫エフェクター系:抗体、T細胞応答、NK細胞、食細胞、補体。
  • 抗原変異:免疫応答を常に一歩遅れさせる微生物の戦略。
  • 免疫抑制と寛容の誘導:感染が宿主の応答を弱め、あるいは誤らせる方法。

第8〜10章:障害、回復、持続感染

  • 免疫病理:微生物ではなく免疫応答そのものが引き起こす組織障害。
  • 潜伏と持続:微生物の排出を伴う場合も伴わない場合もある、排除されない感染。

第11〜12章:感受性とワクチン

  • 宿主と微生物の遺伝:曝露の結果に影響する双方の遺伝的要因。
  • リバース・ワクチノロジー:ワクチンの話題の中に挙げられているワクチン設計の手法。

批判的分析

長所

  • 生物種を横断する枠組み。 章が感染の段階ごとに構成されているため、侵入、初期増殖、食細胞、拡散、免疫、障害、回復、持続という同じ流れがウイルス、細菌、真菌、寄生虫のすべてに適用される。出版社は、本書が多様な微生物を統合的に扱うと説明している。
  • 簡潔さ。 各章に参考文献が付いた12章の構成なので、辞書的に引くだけでなく通読できる。出版社ページに引用された旧版の書評は、本書を短いが包括的で読みやすく、医学・獣医学・微生物学の学生に適した本と評している。
  • 感染に応用された免疫学。 第6章と第7章は、免疫のエフェクター系と、それに対する微生物の対抗戦略の体系的な一覧を組み合わせており、生物種ごとに構成された教科書ではしばしば分散してしまう内容がまとまっている。

短所

  • 病原体ごとの参考書ではない。 目次には個別の微生物、診断、治療の章がないため、臨床的な詳細については体系的な微生物学の教科書の代わりにならない。
  • 微生物学と免疫学の既習を前提とする。 第6章は抗体、T細胞、NK細胞、食細胞、補体の応答を1章にまとめているため、初めて学ぶ入門というより、免疫学をすでに学んだ人の復習として機能する。
  • 古くなっている部分がある。 2015年刊の第6版が現在も最新版であり、それ以降の進展は含まれない。

コースにおける位置づけ

このコースの図書リストの中で、本書は上級の概念的な併読書である。『Mims' Medical Microbiology and Immunology』は微生物学と免疫学を統合し、臓器系ごとに感染症を扱う。『Medical Microbiology and Infection at a Glance』は病原体、防御、診断、治療を短い図解で示す。『Basic Immunology』と『How the Immune System Works』は免疫系そのものを扱い、前者は短い教科書、後者は会話調の入門書である。本書の前にこれらのいずれかを読むのがよい。

『Jawetz, Melnick & Adelberg's Medical Microbiology』は、生物群ごとに構成され、診断と治療も扱う一巻本の参考書である。二冊は補い合う関係にある。Jawetzは、ある微生物が何をし、どう同定され、どう治療されるかに答え、Mimsは、感染一般がなぜそのような経過をたどるのかに答える。Mimsは、病原体ごとの講義の後に、あるいは並行して読み、細部を理解する助けとするとよい。

本書の使い方

本書は、基礎的な微生物学と免疫学を修めた医学・獣医学・生物医科学の学生、感染生物学の大学院生や研修者に向いている。出版社が挙げる読者は、微生物学・免疫学の学部生と大学院生、医学生、そして微生物学や感染症を初めて学ぶ人々である。

実践的な進め方:各章は前の段階を受けているので、順に読む。ほかの場面で出会う病原体ごとに、どう侵入し、どこで増え、どう拡散し、食細胞と免疫にどう対処し、どのように組織を傷つけ、持続するかを1枚の表にまとめておく。第6章と第7章を本書の中核とみなし、免疫学の講義の後で読み返す。疾患の機序を学ぶときには第8〜10章を、ワクチンを学ぶときには第12章を併せて使う。各章末の参考文献は、セミナーや課題で一次文献にたどり着くための手がかりになる。