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How to Read a Paper: The Basics of Evidence-Based Healthcare(論文の読み方:エビデンスに基づく医療の基礎) cover

医学

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How to Read a Paper: The Basics of Evidence-Based Healthcare(論文の読み方:エビデンスに基づく医療の基礎)

Trisha M. Greenhalgh; Paul Dijkstra

英語原題: How to Read a Paper: The Basics of Evidence-Based Healthcare

臨床研究論文を探し、読み、批判的に吟味するための、短く読みやすい入門書。研究の種類ごとに論文がどう組み立てられているか、それぞれにどんな問いを向けるべきか、そしてその結果が臨床実践をどう変えるべきか、あるいは変えるべきでないかを説明する、公表文献への実践的な最初の手引きである。

前提知識: 医療についての一般的な知識以外は不要で、統計学や研究の訓練は前提としない。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
evidence-based medicinecritical appraisalresearch methodsclinical researchsystematic reviews教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Greenhalgh, T. M., & Dijkstra, P. (2024). How to Read a Paper: The Basics of Evidence-Based Healthcare (7th ed.). Wiley-Blackwell.

章の要約

第7版は352ページで20章からなり、二つの付録が続く。エビデンスの検索・批判的吟味・実践のためのチェックリスト集と、介入の効果の評価についての短い付録である。各章は演習と参考文献で終わる。冒頭の章が全体の計画を示している。第1章、第2章、第16章はエビデンスに基づくヘルスケアのより広いステップ(問いを立てる、検索する、患者とともにエビデンスを適用する)を扱い、第3〜15章は批判的吟味、つまり「実際に論文を目の前にしたとき」にすべきことを扱う。Wileyによれば、この版では合意形成法、機序に関するエビデンス、ビッグデータと人工知能の章が新たに加わった。吟味を扱う章の多くは、ある種類の論文に向けるべき問いを番号付きで並べたリストを軸に組み立てられている。

第1章:そもそもなぜ論文を読むのか

サンプル章は、エビデンスに基づく医療(EBM)を、より広いエビデンスに基づくヘルスケアの中に位置づけて定義し、Sackettの五つのステップ(問う、探す、吟味する、実践する、評価する)を示し、Greenhalghが患者の視点を含めて八段階に拡張したことに触れる。続いて、臨床実践が実際にどの程度エビデンスに基づいているか、そしてエビデンスに基づかない意思決定、たとえば逸話や新聞の切り抜きによる意思決定を、筆頭著者自身の臨床経験を交えて検討する。最後に、問題を答えられる問いとして定式化する方法を扱う。

第2章:文献を検索する

エビデンスのレベルと探す場所として、統合された情報源、事前吟味済みの要約、専門的な情報源、一次研究、統合検索エンジンを扱い、人工知能を用いた検索や助けを求めることについての節もある。

第3章:方向を見定める:この論文は何についてのものか

読者が方向を見定めるための三つの予備的な問いを示し、続いて主な研究デザインを扱う。ランダム化比較試験、コホート研究、症例対照研究、横断調査、症例報告、そして伝統的なエビデンスの階層である。

第4章:方法論的な質を評価する

研究の独自性、研究の対象者、デザインの妥当性、バイアスが回避または最小化されたか、評価が盲検化されていたか、予備的な統計上の問題が検討されたかを問い、倫理についての注記を加える。

第5章:統計学者でない人のための統計学

統計の訓練を受けていない読者が、適切な検定が使われたかどうかを判断する方法を扱う。前提の設定、対応のあるデータ、片側・両側と外れ値、相関と因果、確率と信頼区間、そして利益と害を定量化する「要点(bottom line)」である。

第6〜8章:単純な介入の臨床試験を報告する論文、複雑な介入の試験、診断・スクリーニング検査

第6章は、薬の臨床試験とマーケティング、代替エンドポイント、CONSORT声明、製薬会社の担当者への対応、ワクチン試験を扱う。第7章は複雑な介入に関する論文のための十の問いを示す。第8章は、ゴールドスタンダードとの比較による妥当性の検証、診断・スクリーニング研究のための十の問い、尤度比、臨床予測モデルを扱う。

第9〜11章:他の論文を要約する論文、何をすべきかを助言する論文、費用を推計する論文

システマティックレビューとメタアナリシス(五つの問い、異質性、新しいアプローチ)、診療ガイドライン(ガイドラインをめぐる論争、十の問い)、医療経済評価(費用、質調整生存年、「Choosing Wisely」、十二の問い)を扱う。

第12〜15章:質的研究、質問紙調査研究、質改善の事例研究、遺伝的関連研究

第12章は質的研究とその統合を説明し、吟味のための九つの問いを示す。第13章と第14章は、質問紙研究と質改善の報告について、それぞれ十の問いを示す。第15章はゲノムワイド関連解析、消費者直結型遺伝子検査、メンデルランダム化、エピジェネティクスを扱う。

第16章:患者とともにエビデンスを適用する

患者の視点、患者報告アウトカム尺度、共有意思決定、オプショングリッド、n-of-1試験を扱う。

第17〜19章:医療における人工知能の論文、EBM+:機序に関するエビデンスの重要性、合意形成の取り組みを報告する論文

この版で新たに加わった三つの章である。第17章は、AI、ビッグデータ、機械学習、生成モデルを定義し、倫理原則と数多くの吟味用チェックリストを論じ、AI研究のための十の問いを示す。第18章は、機序に関するエビデンスと臨床的エビデンスを組み合わせること(「どちらか一方」ではなく「両方」)を主張し、COVID-19パンデミックの例を挙げる。第19章は専門家がどのように合意に至るかを説明し、合意声明のための十の問いを示す。

第20章:エビデンスに基づくヘルスケアへの批判

エビデンスに基づくヘルスケアが下手に行われたときに何がうまくいかないか、うまく行われたときでさえ批判者が何に異を唱えるか、そしてエビデンスに基づく政策決定がなぜ難しいかを扱う。

主要概念

第1〜5章:基礎

  • エビデンスに基づくヘルスケア:ケアに関する意思決定において、現時点で最良のエビデンスを明示的に用いること。論文を読むことはその一つのステップにすぎない。
  • 答えられる問い:臨床上の問題を、検索で扱える焦点の定まった問いに置き換えたもの。
  • エビデンスの階層:研究デザインをバイアスの受けやすさによって順位づける伝統的な序列。
  • バイアス:研究結果をゆがめる系統的な誤差。
  • 治療必要数(NNT):介入が患者に利益または害をもたらす可能性を表す一つの方法。

第6〜15章:特定の種類の論文の吟味

  • 代替エンドポイント:患者にとって重要なアウトカムの代わりに用いられる測定可能な指標。
  • 尤度比:検査結果が診断の確率をどれだけ変えるか。
  • 異質性:メタアナリシスで統合される研究間のばらつき。
  • 質調整生存年(QALY):経済評価で用いられる、生存と生活の質を組み合わせた指標。
  • メンデルランダム化:遺伝的バリアントを用いて因果関係を検証すること。

第16〜20章:患者、新しい種類のエビデンス、批判

  • 共有意思決定:臨床医と患者がエビデンスと価値観に照らしてともに選択すること。
  • EBM+:機序に関するエビデンスを臨床研究を補うものとして扱うこと。
  • 合意形成法:専門家が合意された声明に至るための構造化された方法。

批判的分析

長所

  • 研究の種類ごとの問いのセット。 吟味を扱う章のほとんどが番号付きの問いのリストを備えており(システマティックレビューには五つ、質的研究には九つ、診断研究、複雑な介入、ガイドライン、質問紙、質改善、遺伝研究、AI、合意形成の論文にはそれぞれ十、経済評価には十二)、付録1はチェックリストを一か所に集めている。そのため本書はジャーナルクラブでそのまま使える。
  • 研究デザインの幅広さ。 試験とレビューにとどまらず、質的研究、質問紙、質改善、遺伝、経済、合意形成、AIの研究まで扱っており、臨床医がますます出会うようになった種類の論文を網羅している。
  • 読みやすく個人的な語り口。 サンプル章は平易な会話調の英語で書かれ、筆頭著者自身の臨床や妊娠の経験から例を引き、エビデンスに基づくヘルスケアを擁護する前に、なぜ批判者が「うんざり」するのかを説明している。第20章はこの分野への批判にあてられている。
  • 最新の内容。 第7版ではAI、機序に関するエビデンス、合意形成法が加わり、検索の章ではAIを活用した検索も論じられている。

短所

  • 統計は一章のみ。 第5章は統計学者でない読者のために書かれ、計算ではなく判断を目指している。分析を詳しく計算・解釈する必要のある学生には統計学の教科書が必要である。
  • 実装や教育ではなく吟味。 著者は、実装の課題には別の本 How to Implement Evidence-Based Healthcare が必要だったと述べており、目次にはエビデンスに基づく実践の教え方を扱う節はない。
  • 英国中心の情報源。 推奨されるウェブサイトのいくつか(NICE、BMJのツールキット)や例は英国のものであり、他の地域の読者は現地の同等の情報源を求めるだろう。
  • 新しいデザインを扱う章の短さ。 複雑な介入や機序に関するエビデンスなどの章は7〜10ページ程度と短く、問題を十分に論じるというより導入にとどまる。

コースにおける位置づけ

本書は研究論文コースにおける批判的吟味の中心的な手引きである。Testing Treatments は一般読者向けに書かれた、より穏やかで専門的でない入り口で、治療の公正な検証がなぜ必要か、バイアスと偶然がどのように人を誤らせるかを説明する。先にこれを読むと、GreenhalghとDijkstraの方法を学ぶ動機が得られる。Strausらの Evidence-Based Medicine: How to Practice and Teach EBM は、治療、診断、予後、害について、問いを立て、検索し、吟味し、エビデンスを適用する臨床のサイクルをさらに深く扱い、教育の部を加えている。ジャーナルクラブを主導したり教えたりする学生にとって自然な次の一歩である。

コースのリストには三つの研究論文も含まれている。胆嚢摘出術における静注と経口のアセトアミノフェンを比較した観察研究、心臓手術における強心薬使用のばらつきに関する観察研究、そして股関節置換術における神経周囲グルココルチコイドの全身的影響に関する研究である。これらは練習材料として適している。第3〜5章を使ってそれぞれのデザインを見極め、バイアスと統計を評価し、アセトアミノフェンの論文の費用分析には第11章の問いを使うとよい。

本書の使い方

Wileyは本書を医療系の学生と専門職、特に学部・大学院の試験や面接の準備をしている人に向けている。研究や統計の訓練は前提とされていない。

実際的な学習計画:

  • 第1〜5章を順に読む。 エビデンスに基づくアプローチ、検索、研究デザイン、方法論的な質、統計を扱っており、その後のすべてがこれらに依拠している。
  • その後は論文の種類ごとに読む。 ジャーナルクラブや課題で試験、診断研究、システマティックレビュー、ガイドラインを扱うときは、対応する章を読み、その問いを手元の論文に当てはめる。
  • 第16章を加える。 患者とエビデンスについて話し合う必要のある臨床実習の前に読む。
  • 第12〜15章と第17〜19章は講義に応じて選ぶ。 これらはそれぞれ独立している。
  • 最後に第20章を読む。 この方法を全体の中に位置づけてくれる。
  • 演習に取り組む。 各章は演習で終わる。実際の論文を使い、付録1のチェックリストを用いて取り組むこと。