01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Stephens, J., Munro, R., & O'Rourke, E. (2025). Crash Course Anatomy and Physiology: For the MLA and Medical Exams (6th ed.; C. Smith & P. Xiu, Eds.). Elsevier.
章の要約
第6版は約350ページで、6つの章と、それに続く自己評価のセクションからなる。Crash Course シリーズの他の巻と同じく、学生と研修医が執筆し、教員アドバイザー(本書では Claire Smith と Philip Xiu)が内容を確認している。出版社の説明によれば、各章はカリキュラムを手際よく進み、臨床的な考察を基礎科学と統合し、ヒント、コツ、要点をテキストボックスにまとめている。購入者はダウンロード可能な拡張版電子書籍も利用できる。副題が示すように、この版は英国の医師国家試験にあたる Medical Licensing Assessment(MLA)やその他の医学の試験に対応している。
この版について最も重要な事実は、その構成である。第5版(2018年)は9章からなり、主に器官系別に編成されていた。神経系、頭頸部、呼吸器系、心血管系、消化器系、腎臓と尿路、生殖器系と骨盤、筋骨格系である。第6版は、部位別解剖学の授業のように5つの身体部位に再編されている。公開されている目次からは、各器官系の生理学が部位別の章にどのように振り分けられているかはわからない。
第1章:序論
部位別の内容に先立つ導入の章。
第2章:頭頸部
最初の部位別の章。第5版では神経系に独立した章があったが、第6版の目次には神経系の独立した章はない。
第3章:胸部
心臓と肺がある胸部。第5版ではこれらを呼吸器系と心血管系の別々の章で扱っていた。
第4章:腹部
腹部。第5版では消化器系と、腎臓・尿路がそれぞれ独立した章をもっていた。
第5章:骨盤
出版社は、骨盤の構造についての新たな、より詳しい記述、トランスジェンダーの解剖学、そして更年期の移行、妊娠、分娩の生理を含む包括的な女性の健康のセクションを強調しており、これらはいずれもこの部位の中、あるいはそれと並んで自然に扱われる内容である。
第6章:筋骨格系
最後の章であり、部位ではなく器官系の名を冠した唯一の章として、筋骨格系を扱う。
自己評価:MLA の単一最良解答(SBA)問題と解答
最後に、MLA の形式による単一最良解答問題とその解答がまとめられている。出版社によれば、最新のガイドラインに沿って改訂されている。
主要概念
第1–2章:序論、頭頸部
- 部位別解剖学:器官系ごとではなく身体の部位ごとに学ぶこと。この版の編成原理である。
- 頭頸部:序論の後に最初に扱われる部位。
第3–4章:胸部と腹部
- 胸部:心臓と肺がある胸の部位。
- 腹部:消化管の大部分を含む部位。
第5–6章:骨盤と筋骨格系
- 骨盤の構造:この版でより詳しく扱われる。
- トランスジェンダーの解剖学:出版社が強調する新しい内容。
- 女性の健康:更年期の移行、妊娠、分娩の生理。
- 筋骨格系:骨、関節、筋を一つの系として扱う。
自己評価
- 単一最良解答(SBA)問題:MLA で用いられる多肢選択形式で、もっともらしい複数の選択肢のうち一つが最良の解答となる。
批判的分析
長所
- 学生の側からの執筆。 Crash Course の各巻は上級の学生や研修医が執筆し、教員アドバイザーが確認する。自身の試験に近い著者ほど、何が不可欠で何を省けるかを知っている、というのが出版社の主張である。
- 臨床との統合。 シリーズの説明は、臨床的な考察を基礎科学と統合し、不要な細部を避けることを強調しており、テキストボックスが復習用のヒント、コツ、要点をまとめている。
- 試験との対応。 副題と SBA 問題集により、本書は MLA と結びついている。そのため、MLA や同様の単一最良解答形式の試験を控えた学生にとって、直接役立つ道具になる。
- 更新された内容。 第6版では、出版社が新しいものとして挙げるトランスジェンダーの解剖学、骨盤、女性の健康に関する内容が加わった。
短所
- 最初の教科書ではなく復習書。 シリーズは自らを学習の相棒、試験対策の補助と位置づけており、解剖学と生理学の両方で約350ページという分量では、説明はどうしても短くなる。最初に学ぶには、本格的な解剖学の教科書と生理学の教科書が必要である。
- 生理学の位置が不明確。 章が部位名で付けられているため、たとえば腎臓や呼吸の生理学を探す学生は、目次からはそれがどこで扱われているかわからない。また神経系、内分泌系、血液といった話題には章題がない。生理学について本書に頼る前に、電子書籍で章の小見出しを確認すべきである。
- 版による混乱。 第5版と第6版は構成も著者も異なる。第5版向けに作られたノート、問題集、推薦は、章ごとに第6版へ対応させることはできない。
- 英国の試験への焦点。 自己評価は英国の MLA を中心に作られている。他国の学生にとって形式は役に立つが、自国の試験に合わせたものではない。
コースにおける位置づけ
この解剖学のコースで、本書は中核の教科書ではなく、最も手早い概観と主要な復習の道具である。Drake、Vogl、Mitchell の Gray's Anatomy for Students と Dalley、Agur の Moore's Clinically Oriented Anatomy は、豊富な図版、体表解剖、画像を備えた本格的な部位別教科書であり、最初の学習はそのいずれかが担うべきである。Crash Course の第6版も部位別になったため、その章はこれらの本とよく対応する。Ellis と Mahadevan の Clinical Anatomy はその中間に位置し、Crash Course より長く詳しく、臨床での使用を念頭に内容が選ばれ、体表解剖と外科的な関連性に強い。Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice と Oxford Textbook of Functional Anatomy は、復習書の範囲をはるかに超える参考書である。
書名の後半にあたる生理学については、生理学のコースの教科書が必要になる。視覚的な概観なら Physiology at a Glance、単著による本格的な記述なら Costanzo Physiology がある。
本書の使い方
出版社が想定する読者は医学生と研修医であり、シリーズは他の医療系の学生にも適するとされている。学校の生物で予備知識は十分だが、その部位を授業で学んだ後に使うのが最も効果的である。
実践的な計画:
- 講義や解剖実習の前ではなく後に使う。 ある部位を主教科書で学んだ後に対応する部位別の章を読み、要点を固め、試験で何が求められるかを確認する。
- 早い段階で生理学の地図を確認する。 学年の初めに電子書籍の小見出しに目を通し、各器官系の生理学がどこに出てくるかを書き留め、それらの箇所を生理学の教科書と組み合わせる。
- ヒントとコツのボックスを能動的に読む。 フラッシュカードや問題に作り替え、試験前の数週間に見直す。
- 骨盤と女性の健康: 第5章はこの版の主な更新点であり、授業でこれらの話題を扱うのが遅い場合でも、全体を読む価値がある。
- SBA 問題は試験と同じ条件で解く。 ノートを見ずにひとまとまりを解いて採点し、間違えた問題ごとに該当する章に戻る。MLA を受験する学生にとっては、その形式を直接練習できる。
- 版を混ぜない。 同級生や古いノートが第5版を参照している場合は、その章を新しい部位別の構成に対応させてから頼るようにする。
