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確率と統計的推論:基本原理から高度モデルまで cover

数学

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確率と統計的推論:基本原理から高度モデルまで

Miltiadis C. Mavrakakis; Jeremy Penzer

英語原題: Probability and Statistical Inference: From Basic Principles to Advanced Models

確率論と統計的推論についての全12章の教科書で、確率と統計の入門課程を修了した読者を対象とし、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの2年次の講義から生まれた。確率、分布論、統計モデルの概観、推定と検定、尤度、ベイズ推論、シミュレーション法を扱う。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
確率理論統計的推論ベイズ統計仮説検定統計モデリング

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Mavrakakis, M. C., & Penzer, J. (2021). Probability and Statistical Inference: From Basic Principles to Advanced Models (1st ed.). Chapman & Hall/CRC.

章の要約

本書は12章、約444ページである。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の2年次の統計的推測の授業ST202から生まれた。出版社は、入門書と高度な大学院レベルの教科書の間の溝を埋める本として、数学的な厳密さを手放さずに、確率、分布論、推測を分かりやすく提示すると説明している。第2–5章で確率と分布論を築き、第6–10章でモデルと古典的推測へ進み、第11–12章でベイズ的手法とシミュレーションを扱う。

第1章:序論

データの解析とモデリングのために推測の理論的理解がなぜ重要か、そしてデータから結論を引き出すうえで確率が果たす役割を述べる。

第2章:確率

数学的な確率が、その背後にある直観的な考え方とともに導入される。確率測度の形式的定義、場合の数の数え方、条件付き確率と独立性である。

第3章:確率変数と1変量分布

結果が実数に対応づけられる。累積分布関数、離散および連続の確率変数、期待値と分散、母関数、確率変数の関数を扱う。

第4章:多変量分布

前の章を複数の変数に拡張する。同時分布、周辺分布、条件付き分布、共分散と相関、確率変数の変換である。

第5章:条件付き分布

離散および連続の条件付き分布を、条件付き期待値とともにより深く扱う。

第6章:統計モデル

統計の実践で使われるモデルの概観である。線形モデル、一般化線形モデル、生存時間解析、時系列、ポアソン過程、マルコフ連鎖。出版社はこれを、統計モデリングの簡潔だが幅広い説明と述べている。

第7章:標本モーメントと分位点

標本モーメント、中心極限定理、順序統計量と分位点。

第8章:推定、検定、予測

古典的推測の基礎。点推定、区間推定、仮説検定、予測。

第9章:尤度に基づく推測

尤度関数、最尤推定、尤度比検定。

第10章:推測の理論

推測の背後にある理論。十分性原理、推定量の性質、最強力検定の構成。

第11章:ベイズ推測

事前分布と事後分布、ベイズ推定、階層モデル。

第12章:シミュレーション法

推測のためのシミュレーションで、モンテカルロ積分とマルコフ連鎖モンテカルロを含む。出版社は、本書で例示される計算手法にブートストラップも挙げている。

主要概念

第2–5章:確率と分布論

  • 確率測度、条件付き確率、独立性(第2章)。
  • 累積分布関数、期待値、分散、母関数(第3章)。
  • 同時分布、共分散と相関(第4章)、条件付き期待値(第5章)。

第6–10章:モデルと古典的推測

  • 一般化線形モデル、生存時間解析、時系列、ポアソン過程(第6章)。
  • 中心極限定理(第7章)。
  • 点推定と区間推定、仮説検定、予測(第8章)。
  • 最尤推定(第9章)、十分性と最強力検定(第10章)。

第11–12章:ベイズ的手法と計算手法

  • 事前分布、事後分布、階層モデル(第11章)。
  • モンテカルロ積分とマルコフ連鎖モンテカルロ(第12章)。

批判的分析

長所

  • 検証された授業が背景にある。 著者は本書をLSEの人気のある学部課程に基づくものと述べており、書評者のFiona Steele(LSE)は、内容と提示の仕方が長年の教育で磨かれてきたと書いている。
  • 厳密さと説明の両立。 Stuart Colesを含む書評者は、形式的な数学と統計的洞察のバランス、および説明の明快さを称賛している。出版社は、高度な教科書よりも詳しく、取り組みやすい説明を提供することを目標に掲げている。
  • 範囲の広さ。 1巻に、確率、分布論、古典的推測、尤度、ベイズ統計、シミュレーションが収まり、途中にモデルの概観がある。
  • 演習が組み込まれている。 Steeleの書評は、概念が現実の例で説明され、各章に豊富で段階的な演習があると述べている。

短所

  • 最初の授業ではない。 出版社が対象とするのは、確率と統計の最初の授業をすでに終えた学生である。その基礎がない読者は、入門的な教科書から始めるべきである。
  • モデルは概観にとどまる。 第6章は線形モデルと一般化線形モデル、生存時間解析、時系列、ポアソン過程、マルコフ連鎖を1章で扱うため、それぞれを展開するというより紹介するにとどまる。
  • 橋渡しであり最終段階ではない。 入門書と高度な大学院向け教科書の間に位置づけられた本であるため、測度論に基づく確率論や、本格的な大学院の推測の授業の代わりにはならない。

コースにおける位置づけ

確率・統計の本のリストの中で、本書は最初の授業の後に続く中級から上級の教科書である。最初の授業には Introductory Statistics 2e や The Art of Statistics のほうが穏やかで、BlitzsteinとHwangの Introduction to Probability は物語とシミュレーションを軸にした学部向けの確率の教科書である。An Introduction to Mathematical Statistics and Its Applications は、確率、推定、仮説検定、回帰を扱う。

その先には、詳細な証明と演習を備えた大学院レベルの推測の本 Statistical Inference と、測度論的な基礎の上に確率を展開する Probability with Martingales がある。Probability and Computing はアルゴリズムと乱択を通して確率を追究する。有用な順序は、最初の授業、次に確率・推測・モデルの統一的な叙述を得るために本書、その後に推測または測度論的確率の大学院向けの教科書である。

本書の使い方

確率と統計の最初の授業を終えた、学部上級または大学院の授業の学生、および自分が使う手法の背後にある理論を理解したいデータサイエンティストや実務者に向いている。しっかりした微積分が、実際に必要な数学的前提である。

実践的な進め方:

  • 中核: 確率と分布の第2–5章、次に推定、検定、尤度、推測の理論の第7–10章。これらは1学期の授業の骨格である。
  • 選択的に読む: モデルを扱う第6章は概観として読み、特定のモデル群が必要になったときに戻ればよい。第11章と第12章は、2回目の読みや、ベイズ統計と計算統計を含む授業に適している。
  • 練習: 各章末の演習を解き、第12章のシミュレーション法をコードで再現する。