01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Leitch, V. B. (Gen. Ed.), Cain, W. E., Finke, L. A., McGowan, J., Sharpley-Whiting, T. D., & Williams, J. J. (2018). The Norton Anthology of Theory and Criticism (3rd ed.). W. W. Norton & Company.
章の要約
このアンソロジーの第3版は2,800ページ近くあり、157人の著者による191編を収め、そのうち48編は今回新しく加わったもので、大半は二十世紀と二十一世紀のものである。テクストは紀元前五世紀から現代まで及ぶ。主題別の章立てではなく、著者の生年順に配列されている。収録作の多くはエッセイか書籍の一章で、複数の作品が収められた著者もいる。以下では、第3版の著者をその順に区切って紹介する。
古代と中世:ゴルギアスからクリスティーヌ・ド・ピザンまで
冒頭の著者はゴルギアス、プラトン、アリストテレス、ホラティウス、ロンギノスで、続いてアウグスティヌス、マイモニデス、トマス・アクィナス、ダンテ、ボッカッチョ、クリスティーヌ・ド・ピザンが並ぶ。この部分は古典の修辞学と詩学、およびその中世における受容を扱う。
ルネサンスから十八世紀:デュ・ベレーからスタール夫人まで
リストはデュ・ベレー、マッツォーニ、シドニー、コルネイユ、ドライデン、スピノザ、ベーン、ヴィーコ、アディソン、ポープを経て、ジョンソン、ヒューム、カント、バーク、レッシング、シラー、ウルストンクラフト、スタール夫人へ進む。新古典主義の批評、美学、初期のフェミニズムの議論が並んで現れる。
ロマン主義と十九世紀:シュライアマハーからフロイトまで
シュライアマハーとヘーゲルのあとに、ワーズワース、コールリッジ、シェリー、エマソン、ポー、マルクスとエンゲルス、アーノルド、ペイター、ヘンリー・ジェイムズ、ニーチェ、ワイルド、フロイトが続く。
二十世紀前半:ソシュールからシュトラウスまで
この大きなまとまりには、ソシュール、デュボイス、ウルフ、ルカーチ、T. S. エリオット、ランサム、ハイデガー、グラムシ、ハーストン、アウエルバッハ、ベンヤミン、バフチン、ホルクハイマーとアドルノ、リーヴィス、ヤコブソン、ハイエク、レオ・シュトラウスが含まれる。
世紀半ば:ラカンからファノンまで
その後の数十年に生まれた著者として、ラカン、ラングストン・ヒューズ、トリリング、アーレント、ブルックス、ウィムザットとビアズリー、ボーヴォワール、レヴィ=ストロース、オースティン、フライ、バルト、アルチュセール、ド・マン、Narasimhaiah、レイモンド・ウィリアムズ、ファノンが含まれる。
二十世紀後半:ドゥルーズとガタリからマルヴィまで
配列は、ドゥルーズとガタリ、リオタール、フーコー、イーザー、ヘイドン・ホワイト、ボードリヤール、ハーバーマスに始まり、リッチ、アチェベ、アドニス、ブルーム、ブルデュー、デリダ、李沢厚、モリスン、ホール、ソンタグ、ジェイムソン、サイード、ウィティッグ、アンダーソン、ギルバートとグーバー、シクスー、フィッシュ、グギ、トドロフ、柄谷行人、クリステヴァを経て、マルヴィに至る。
近年:アガンベンからボゴストまで
最後の部分には、アガンベン、アンサルドゥーア、スピヴァク、イーグルトン、グリーンブラット、ハラウェイ、ラトゥール、ヌスバウム、バーバ、ジジェク、ゲイツ、モレッティ、セジウィック、ベル・フックス、バトラー、ギルロイ、ハートとネグリ、ハルバースタム、モートン、Ngai、ボゴストなどが含まれ、最新の仕事で締めくくられる。
主要概念
収録された理論の流れ
- 古典詩学と修辞学:プラトン、アリストテレス、ホラティウス、ロンギノス。西洋の批評伝統の出発点。
- マルクス主義と文化批評:マルクスとエンゲルス、ルカーチ、グラムシ、ベンヤミン、ホルクハイマーとアドルノ、アルチュセール、ウィリアムズ、ホール、ジェイムソン。
- 形式主義と新批評的な読み:ランサム、ブルックス、ウィムザットとビアズリー、ヤコブソン。
- 構造主義とポスト構造主義:ソシュール、レヴィ=ストロース、バルト、フーコー、デリダ、ド・マン。
- 精神分析理論:フロイト、ラカン、クリステヴァ。
- フェミニズム、ジェンダー、クィア理論:ウルフ、ボーヴォワール、リッチ、ギルバートとグーバー、シクスー、ウィティッグ、セジウィック、バトラー。
- ポストコロニアル、人種、グローバルな視点:デュボイス、ファノン、アチェベ、グギ、サイード、スピヴァク、バーバ、ギルロイ、ゲイツ、さらにNarasimhaiah、李沢厚、アドニス、柄谷行人。
批判的分析
長所
- **範囲の広さ。**約二十五世紀にわたり、Narasimhaiah、アドニス、李沢厚、柄谷行人のようにヨーロッパと北米以外の著者も含むので、「理論」が一つの伝統に限られない。
- **新しさと広がり。**今回の版では48編が新規で、著者の一覧はアロンドラ・ネルソン、Sianne Ngai、ティモシー・モートン、イアン・ボゴストといった人々にまで及ぶ。2003年に文学理論家ジョナサン・カラーは、初版を「現存する最も包括的な選集」と呼んだ。
- **年代順の配列。**著者を生年順に並べているので、論点が時代を越えて互いにどう応答するかを追うことができ、たとえば芸術についてのプラトンやカントの見方を、マルクス主義やフェミニズムの見方と比べられる。
短所
- **分量。**2,800ページ近くあり、通読は難しい。カラーは、その長さ、範囲、重さから、時代ごとに分けたほうが使いやすいかもしれないと指摘した。
- **編集上の取捨。**批評家は市場や編集上の判断の影響を指摘している。デイヴィッド・リクターは初版を「理論の正典を確立しようとする文化産業の産物」と呼び、Steven Mailloux は2020年に、ケネス・バークが第3版にもなお入っていないと述べた。
- **著者順が主題を隠す。**項目が主題ではなく生年順に並ぶため、一つの方法を研究したい読者は自分で読書の道筋を組み立てる必要がある。
- **抜粋であること。**収録作の多くはエッセイか書籍の一章なので、本書は思想家の議論の一端を味わわせるもので、一冊の本全体の叙述を与えるものではない。
コースにおける位置づけ
文学理論のコースの中で、このアンソロジーは一次テクストの供給源であって、入門書ではない。ピーター・バリーの Beginning Theory、ロイス・タイソンの Critical Theory Today、ジョナサン・カラーの Literary Theory: A Very Short Introduction は、各学派に初めて触れる読者向けの短い案内であり、テリー・イーグルトンの Literary Theory: An Introduction は主要な学派の包括的な入門である。
M. A. R. ハビブの A History of Literary Criticism は、プラトンから現代までを一人の著者がたどる叙述で、このアンソロジーと自然に組み合わせられる。ある時代についてハビブの説明を読み、そのあとノートン版で同じ時代の原文を読むとよい。
本書の使い方
このアンソロジーは、文学研究の上級の学部生や大学院生に向き、一次資料を求める哲学・歴史・文化研究の読者にも向く。目次に並ぶ名前に何らかの背景が伴うよう、先に短い入門書を読んでおきたい。
通読を計画してはならない。マルクス主義批評、構造主義、ポストコロニアル理論など一つの筋を選び、上の著者の一覧を使って、関連する作品を年代順に読む。最初の概観には、各時期から少しずつ読めば十分で、たとえばプラトンまたはアリストテレス、カント、マルクスとエンゲルス、ソシュール、ウルフ、バルト、フーコー、デリダ、サイード、バトラーなどがよい。各エッセイは二度読み、一度目は主な主張をつかみ、二度目はよく知る詩や小説に当てはめる。ある理論家が収録されていないことは、評価の表れではなく、ほかを探すきっかけとして扱う。
