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The Grammar of Words: An Introduction to Linguistic Morphology(語の文法:言語形態論入門) cover

言語学

言語学

The Grammar of Words: An Introduction to Linguistic Morphology(語の文法:言語形態論入門)

Geert Booij

英語原題: The Grammar of Words: An Introduction to Linguistic Morphology

語の構造を文法全体の一部として扱う形態論の入門書です。屈折、派生、複合によって語がどのように作られるか、形態論が音韻論・統語論・意味論とどう関わるか、語彙部門が語形成のパターンをどのように蓄え拡張するかを、幅広い言語の例を使って説明します。

前提知識: 基本的な音韻論と統語論を含む言語学の入門科目を履修していることが前提です。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
morphologyword formationinflectioncompoundinglexicon教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Booij, G. (2012). The Grammar of Words: An Introduction to Linguistic Morphology (3rd ed.). Oxford University Press.

章の要約

Oxford Textbooks in Linguistics シリーズの一冊である第3版は、本文約350ページで12章からなり、章はいくつかの部にまとめられている。言語形態論とは何か(第1–2章)、語形成(第3–4章)、屈折(第5–6章)、インターフェース(第7–9章)、形態論と心(第10–11章)、そして結論の章である。巻末には問題の解答、用語集、参考文献、言語索引と用語索引がある。出版社の紹介によれば、60以上の言語のデータが用いられ、解答付きの練習問題と、さらに読むための助言も収められている。初版は2005年に刊行された。

第1章:Morphology: basic notions(形態論:基本概念)

冒頭の章は、語の内部構造の研究である形態論の基本概念と、本書の残りの部分が土台とする用語を導入する。

第2章:Morphological Analysis(形態分析)

第2章は方法に移り、データから語の構造をどう分析するかを扱う。第1章とあわせて導入の部をなし、この部はおよそ50ページで終わる。

第3–4章:Derivation(派生);Compounding(複合)

語形成の部は、新しい語彙素を作る二つの主要な方法、すなわち派生と複合を扱う。二つの章はおよそ51ページから98ページまでを占める。

第5–6章:Inflection(屈折);Inflectional Systems(屈折体系)

屈折の部はまず屈折の基本、つまり語彙素が文法的性質を表すためにとる形を扱い、続いて屈折体系を全体として見る。出版社の紹介は、この部を語形成とともに本書の基礎的な内容に位置づけている。

第7–9章:The Interface Between Morphology and Phonology(形態論と音韻論のインターフェース);Morphology and Syntax: demarcation and interaction(形態論と統語論:境界と相互作用);Morphology and Semantics(形態論と意味論)

出版社はインターフェースの扱いを本書の重要な特徴と述べている。これらの章は形態論を音韻論、統語論、意味論と関係づけ、複合語の形式的構造が音韻構造や意味構造と同型である必要はないことを論じる。統語論の章は、形態論と統語論の境界がどこにあるかと、両者がどう相互作用するかの両方を扱う。

第10–11章:Morphology and Psycholinguistics(形態論と心理言語学);Morphology and Language Change(形態論と言語変化)

「形態論と心」の部は、複合的な語の処理に関する事実を心をのぞく窓として用い、語構造の変化も同じ観点から扱う。出版社はこの二章を、言語処理と言語変化における形態論の役割を探る入門書という、本書を際立たせる特徴として示している。

第12章:The Word as a Linguistic Unit(言語単位としての語)

まとめの章は、本書が理論的に洗練された「語」の概念をどのように築いてきたかを示し、言語分析では「語」についていくつかの異なる概念を区別しなければならないと論じる。

主要概念

第1–2章:言語形態論とは何か

  • 形態論:語の内部構造と、その背後にある文法的なパターンの研究。
  • 語彙素:抽象的な単位としての語で、それが現れるさまざまな形とは区別される。
  • 形態分析:言語データから語の部分とそれらが作るパターンを特定する方法。

第3–6章:語形成と屈折

  • 派生:典型的には接辞によって新しい語彙素を作ること。
  • 複合:既存の語を組み合わせて新しい語彙素を作ること。
  • 屈折と屈折体系:語彙素が文法的性質を表すためにとる形と、それらの形がパラダイムとしてどう組織されているか。

第7–9章:インターフェース

  • 非同型性:複合的な語の形式的構造は、その音韻構造や意味構造と一致するとは限らない。
  • 形態論と統語論の境界画定:どの組み合わせが語で、どれが句なのかという問題。

第10–12章:形態論と心、結論

  • 複合的な語の処理:話者が複合的な語をどう扱うかについての証拠で、心的辞書について知るために用いられる。
  • 形態変化:語構造の時間的な変化で、同じ認知的観点から扱われる。
  • 「語」の諸概念:適切な言語分析が区別しなければならない「語」のさまざまな意味。

批判的分析

長所

  • 文法全体から見た形態論。 本書は語構造を孤立させて扱うのではなく、音韻論、統語論、意味論とのインターフェースに三つの章を充てており、出版社はこれを重要な特徴として示している。学生は形態論を文法の一つのモジュールとして捉えることができる。
  • 入門書で扱う処理と変化。 出版社は、本書が言語処理と言語変化における形態論を探る唯一の入門書だと述べている。宣伝文句ではあるが、「形態論と心」の部の二章は実際にこれらの話題にそれぞれ一章を割いている。
  • 学習を支える通言語的データ。 60以上の言語のデータ、用語集、巻末の解答付き練習問題、文献案内によって、本書は独学にも使える。Kanavillil Rajagopalan は English Today(2014年)の書評で、第3版は改訂・更新され、多くの魅力的な特徴が加わって大いに充実したと述べ、想定読者の間での本書の人気にも触れている。
  • 明快でバランスがよいとの評。 書店が引用する以前の版の書評は、本書をよく整理され一貫して明快だと評し(Linguist List)、教育と記述の両方の目的に役立つ、主要な論点のバランスのとれた概観だと述べている(Ana Díaz-Negrillo と Salvador Valera Hernández、English Language and Linguistics)。

短所

  • 言語学の入門授業を前提とする。 Rajagopalan によれば、このシリーズは一般言語学の入門授業を修了した学部2–3年生と大学院生を対象としている。とりわけインターフェースの章は、音韻論と統語論の基礎を前提とする。
  • 版の刊行年。 第3版は2012年の刊行であり、それ以降の研究、とくに心理言語学の研究は扱われていない。
  • 明確な理論的立場。 最終章は問いを開いたままにせず、語について特定の理論的に洗練された見方を主張する。競合するモデルをより中立的に概観したい読者は、別の教科書と並行して読むとよい。

コースにおける位置づけ

この授業の形態論の本のうち、Aronoff と Fudeman の What is Morphology? は最も短く、データ問題を中心に組み立てられた実践的な入門である。Rochelle Lieber の Introducing Morphology は、言語学の素養が少ない学生向けのやさしい学部入門書である。Booij はそのどちらかの後に、あるいは並行して読むのに向いている。入門書であることに変わりはないが、形態論が文法の他の部分とどう相互作用するか、そして処理と変化について、より踏み込んでいる。

Haspelmath と Sims の Understanding Morphology は最も近い性格の本で、通言語的な幅が広く理論にも目配りした教科書であり、形態素基盤のモデルと語基盤のモデルを対比する。二冊を並べて読むと、同じ問いの異なる立て方が見えてくる。Katamba と Stonham の Morphology は伝統的な考え方から現在の理論モデルへと進む本で、理論に向かう学生にとってよい次の一歩になる。Bauer、Lieber、Plag の Oxford Reference Guide to English Morphology は、英語の個別の事実を調べるための大部の記述的参考書であり、通読する本ではない。

本書の使い方

本書は、音韻論と統語論の基礎を含む言語学入門を履修した学部2年生や、大学院に入ったばかりの学生に向いている。実践的な読書計画は次のとおり。

  • 中核: 第1–6章を順に読む。第1–2章は以降のすべてが依拠する用語と方法を与え、第3–6章は派生、複合、屈折を扱う。
  • インターフェース: 理論志向の授業では第7–9章が本書の重心になる。第7章の前に音韻論の基礎を、第8章の前に句構造を復習しておく。
  • 関心に応じて選ぶ: 心理言語学に関心のある学生は第10章、歴史言語学に関心のある学生は第11章。第12章は語の概念をめぐる本書の議論をまとめる章なので、誰もが最後に読むべきである。

各章末の問題に取り組んでから巻末の解答を確認する。多くの用語は用語集で定義されているので、読みながら用語集を参照する。例に出てくる言語とパターンをノートに記録しておくとよい。60以上の言語のデータがあるので、派生、複合、屈折について比較用のデータを集めていくのに役立つ。