01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Evans, M. D. (Ed.). (2024). International Law (6th ed.). Oxford University Press.
章の要約
本書は七つの部、二十九の章からなり、各章は名前の挙げられた専門家が執筆している。ページ数はおよそ940ページから1,000ページである(Google Books と書店の掲載情報で数え方が異なる)。出版社は、本書全体が Sir Malcolm Evans によって一貫した文体になるよう丁寧に編集されていること、国際法についての予備知識がさまざまな読者に適していることを述べている。参照できるのは執筆者名つきの目次だけなので、以下の要約は章題から範囲を述べるにとどめる。
第1部 国際法の歴史と理論(第1~3章)
三つの章で本書が始まる。Stephen Neff の「国際法の短い歴史」、Martti Koskenniemi の「国際法は何のためにあるのか」、Iain Scobbie の「イタキへの航海:国際法理論を考える」である。法理が始まる前に、この分野の歴史と目的を示す。
第2部 国際法上の義務の構造(第4~6章)
Anthea Roberts と Sandesh Sivakumaran が「国際法の法源の理論と現実」、Alan Boyle が「国際的な法形成におけるソフト・ロー」、Malgosia Fitzmaurice が「条約法の実際の働き」を執筆している。これらは合わせて、国際的な義務がどのように生じるかを扱う。
第3部 国際法秩序の主体(第7~10章)
Brendan Plant が「領域」、Matthew Craven と Rose Parfitt が「国家性、自決、承認」、Dapo Akande が「国際組織」、Andrew Clapham が「個人と国際法体系」を執筆している。Plant と Clapham は、出版社が挙げる新しい執筆者に含まれている。
第4部 主権の範囲(第11~14章)
Christopher Staker が「管轄権」、Philippa Webb が「国際法と国家の国内裁判所による管轄権行使の制約」、Chanaka Wickremasinghe が「国家の官吏が享有する免除」、Eileen Denza が「国際法と国内法の関係」を執筆している。
第5部 責任(第15~16章)
Simon Olleson の「国際責任の性質と形態」と Phoebe Okowa の「受理可能性の問題と国際責任の法」である。
第6部 国際義務の違反への対応(第17~20章)
Nigel White の「対抗措置と制裁」、Eric De Brabandere の「紛争解決の手段」、Christian Tams の「国際司法裁判所」、Christine Gray と Andrew Sanger の「武力行使と国際法秩序」である。
第7部 国際法の適用(第21~29章)
最も長い部で、専門的な制度を扱う九つの章がある。Malcolm Evans と Reece Lewis の「海洋法」、Rossana Deplano の「国際宇宙法」、Catherine Redgwell と Eva van der Marel の「国際環境法」、Andrew Lang の「国際貿易法」、Surya Subedi の「国際投資法」、Paola Gaeta の「国際刑事法」、Rosa Freedman の「国際人権法」、Geoff Gilbert と Anna Magdalena Bentajou の「国際難民・移民法」、David Turns の「武力紛争法(国際人道法)」である。
第6版の新しい内容
出版社は、三つの新しい章「領域の取得」「国際経済法」「国際宇宙法」と、新しい執筆者のグループを挙げているが、最初の二つを目次の章題と対応づけてはいない。また、国際司法裁判所の判決(ジェノサイドに関する Ukraine v Russian Federation と The Gambia v Myanmar、Qatar v United Arab Emirates、Somalia v Kenya を含む)、気候変動と国際法に関する国際海洋法裁判所の勧告的意見、Enrica Lexie 事件を含む仲裁判断も挙げている。
主要概念
第1部~第2部:歴史、理論、法源
- 国際法の目的と理論:この分野が何のためにあり、どう理論化されるかについての問い(第2~3章)。
- 法源:国際的な義務がどのように作られ、確認されるか(第4章)。
- ソフト・ローと条約:法形成における拘束力のない規範と、条約法の実際の働き(第5~6章)。
第3部~第5部:主体、主権、責任
- 領域、国家性、承認:第7章と第8章。
- 管轄権と免除:国家の権限の範囲とその限界(第11~13章)。
- 国際法と国内法の関係:第14章。
- 国際責任と受理可能性:第15章と第16章。
第6部~第7部:違反への対応と専門的な制度
- 対抗措置、制裁、紛争解決:第17章と第18章。
- 国際司法裁判所と武力行使:第19章と第20章。
- 専門的な制度:海洋、宇宙、環境、貿易、投資、刑事法、人権、難民・移民法、武力紛争(第21~29章)。
批判的分析
長所
- 専門家による権威。 各章はその分野で活動する研究者または実務家が執筆しており、出版社は顔ぶれを大きな強みとして示している。書店の掲載情報に引用された書評者、Michael Waibel(ウィーン大学)、Dino Kritsiotis(ノッティンガム大学)、Tawhida Ahmed(The City Law School)は、本書が最新で、関連性が高く、Ahmed の言葉では「とても読みやすい」と評価している。
- 一冊での幅広さ。 七つの部は、歴史と理論から、法源、主体、主権、責任、執行を経て、九つの専門的な制度に至るので、一冊で一般的な授業にも複数の選択科目にも対応できる。
- 更新。 第6版は新しい章と執筆者を加え、国際司法裁判所、国際海洋法裁判所、仲裁廷の最近の判断を取り入れており、判例の扱いが新しく保たれている。
- 編集上の一貫性。 出版社は、本書全体が一貫した文体になるよう編集されていると述べており、複数の著者による本につきものの懸念に対処している。
短所
- 大きさ。 本書は非常に長く、およそ940~1,000ページある。専門的な制度ごとに一つの章であるため、そのうちの一つを選択科目で学ぶ学生は専門書が必要になる。
- 異なる声。 編者が文体を揃えているとはいえ、章ごとに執筆者が異なり重点も異なる。第1部の歴史と理論の章は、題名から見て、法理を扱う章とは性格が違う。
- 学習支援の記載がない。 出版社の説明は演習問題や学習用の問いに触れていないため、練習問題を求める学生は別の教材が必要になる。
コースにおける位置づけ
Evans の本は、国際公法のリストにある、複数の著者による編著の教科書であり、一般的な授業の主たるテキストとして使える。Shaw の International Law は、判例、条約、実行を豊富に引用する包括的な単著の教科書で、一人の声を好む読者にとって自然な代替となる。Akehurst の Modern Introduction to International Law はコンパクトな入門教科書で、最初の読書に適しており、Lowe の International Law: A Very Short Introduction はさらに短く、教科書の前の導入となる。
Brownlie の Principles of Public International Law は、現役の実務家であり裁判官でもある者の正確さをもって、法理の厳密な記述を調べるために参照する一巻本の概説書(treatise)である。Evans の第2章「国際法は何のためにあるのか」を寄稿している Koskenniemi は、国際法における議論の構造を研究した From Apology to Utopia の著者でもあり、理論をさらに追いたい読者に向いている。
本書の使い方
出版社は、本書を、国際法についての予備知識がさまざまな学生や研究者に適したもの、また実務家のための資料として紹介している。特定の前提知識は述べられていない。
実践的な進め方は次のとおりである。
- 中核: 法源、主体、主権を扱う第2部から第4部(第4~14章)、続いて責任の第5部。
- 執行: 対抗措置、紛争解決、国際司法裁判所、武力行使を扱う第6部(第17~20章)が自然に続く。
- シラバスに応じて: 第7部の章は、授業が各制度に達したときに読めばよい。海洋法、人権、環境、刑事法、武力紛争などである。第1部の歴史と理論は、授業の最初か最後に読むのに向いている。
- 演習: 出版社が強調する判例(国際司法裁判所のジェノサイド事件、海洋境界画定事件、気候に関する勧告的意見)を、現在の権威の一覧として使う。
