01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Lowe, V. (2015). International Law: A Very Short Introduction. Oxford University Press.
章の要約
本書はオックスフォードの Very Short Introductions シリーズの第449巻で、約130ページからなる。それぞれ約5~28ページの7章に、さらなる文献案内と索引が続く。著者の Vaughan Lowe はオックスフォード大学の国際公法の名誉チチリ教授であり、バリスタおよび仲裁人として実務に携わり、各国政府や企業に国際法について助言してきた。より長い著書 International Law(Oxford University Press、2007年)の著者でもある。出版社は本書の目的を、国際法とは何か、国際社会においてどのような役割を果たし、どのように働くのかを説明し、それをめぐる誤解を解き、国際法に何ができて何ができないかを示すことだと説明している。本書は論点を一つずつ概観するのではなく、テロリズム、環境の変化、貧困、国際的な暴力といった問題を用いて国際法の理論と実際を示す。Google Books の記録にある頻出語句の一覧によれば、本文で繰り返し現れる語には、慣習国際法、条約、国連憲章とその第2条4項、自衛、安全保障理事会、jus ad bellum と jus in bello、人権、欧州人権条約、女子差別撤廃条約(CEDAW)、拷問、免除、国際刑事裁判所、世界貿易機関、イラク、コソボが含まれる。
第1章:法の下の諸国家
約18ページの冒頭の章で、国家を拘束する国際的な法秩序という考え方を紹介する。
第2章:国際法はどこから来るのか
国際法の法源、すなわち国家を拘束する規則がどのように作られ、特定されるかを扱う約20ページの章である。
第3章:国際法の実施
国際法の規則が存在するようになった後、それがどのように実行に移されるかを扱う約17ページの章である。
第4章:外部からの干渉からの自由
約28ページで最も長い章であり、外部からの干渉に対する国家の保護を軸に構成されている。
第5章:国家内部における主権
内側から見た主権、すなわち国家が自国の領域内で何をなしうるか、そして国際法がそれにどのように関わるかを扱う約20ページの章である。
第6章:国際法がうまく果たしていること
国際法が効果的に機能している分野についての15ページの評価である。出版社の紹介は、国際協力におけるその役割に言及している。
第7章:国際法がうまく果たしていないこと、あるいはまったく果たしていないこと
国際法の限界と失敗についての、約5ページの短い最終章である。
主要概念
第1~3章:国際法の性質と形成
- 国際法秩序:国家間の関係が拘束力ある法規則によって規律されているという考え方。
- 国際法の法源:国際規則が生まれる方法で、主に条約と慣習国際法。
- 実施:国際的な義務が実際にどのように実現されるか。
第4~5章:主権の二つの顔
- 外部からの干渉からの自由:他国による干渉に対する国家の保護。
- 国家内部における主権:自国の領域内における国家の行動の自由の範囲と、国際法がそれに課す限界。
第6~7章:評価
- 国際法の強み:国家間の協力など、国際法が効果的に機能している分野。
- 国際法の限界:国際法がうまく扱えない、あるいは扱っていない問題。
批判的分析
長所
- 簡潔さと権威。 国際紛争の実務にも携わる第一線の研究者が、約130ページでこの科目全体の輪郭を説明している。授業が始まる前に数回に分けて読み終えることができる。
- 独自の構成。 法源、主体、領域といった教科書の通常の順序ではなく、中心となる章は主権の二つの側面、すなわち外部からの干渉に対する保護と、国家が自国の領域内で持つ自由とその限界を軸に組み立てられている。これにより初学者は、多くの論点を結びつける一つの考え方を得られる。
- 率直な評価。 最後の二章は、国際法がうまく果たしていることと、うまく果たしていない、あるいはまったく果たしていないことを比較検討しており、誤解を解き、国際法に何ができて何ができないかを示すという出版社の強調と一致している。
- 問題から出発する。 出版社は、テロリズム、環境の変化、貧困、国際的な暴力といった具体的な問題に焦点を当てていると説明しており、読者は規則を、それを生み出す問題の文脈の中で知ることになる。
短所
- 授業用の教科書ではない。 章は7つしかなく、海洋法、国家責任、条約法そのものといった分野の章もないので、試験準備のための本格的な教科書の代わりにはならない。
- 釣り合いの偏り。 国際法がうまく果たしていないことについての章は約5ページで、うまく果たしていることについての約15ページと比べて短い。
- 古くなった事例。 2015年の刊行なので、その後10年の動向は反映できない。また出版社の紹介は、イラク戦争、グアンタナモ、ダルフールといった2000年代の問題を取り上げている。
コースにおける位置づけ
本書は国際公法のリストの中で最も短く最も穏やかな本であり、授業の前か、ごく初めに読むのが最適である。全体像と主要な問いを示し、詳細は教科書に委ねる。
Alexander Orakhelashvili による Akehurst の Modern Introduction to International Law は自然な次の一歩であり、実証主義の枠組みでシラバス全体を扱う、コンパクトだが網羅的な教科書である。Malcolm Shaw の International Law と Malcolm Evans 編の International Law は、深さと典拠のためのより詳しい教科書である。James Crawford による Brownlie's Principles of Public International Law は、参照と上級の学習のための体系書である。Martti Koskenniemi の From Apology to Utopia は国際法上の議論の構造についての理論的研究であり、国際法がうまく果たしていることとそうでないことについての Lowe の率直な議論は、Koskenniemi が投げかける問いへの、わかりやすい有益な準備となる。
本書の使い方
法学の素養は前提とされていない。本書は、国際公法の科目を始めようとしている学生、政治学や国際関係論の学生、そしてニュースで目にする国際法をめぐる議論を理解したい一般の読者に向いている。
実際的な計画:
- 授業が始まる前に通読する。 約130ページなので2、3回に分けて読める。第1~3章は、どの教科書も前提とする法源と実施の語彙を与えてくれる。
- 授業が主権、不干渉、武力行使、人権に進んだら第4章と第5章に戻る。 対になった二つの章題は主権を外側と内側から示しており、教科書では別々に扱われる論点を結びつける枠組みとなる。
- 論述の準備には第6章と第7章を使う。 国際法は本当に法なのか、それは実効的なのかという問いは論述問題の定番であり、これらの章は教科書と照らし合わせて検討できる実務家の見方を提供する。
- 巻末のさらなる文献案内をたどって 次の段階へ進み、詳細な規則については Akehurst のような本格的な教科書に移る。
- 事例を更新する。 本書は2015年のものなので、その議論を、最新の教科書で論じられているより新しい出来事や判例と突き合わせる。
