索引 / 001 JA
グッド・アンド・マッケンドリック商法 cover

法学

法学

グッド・アンド・マッケンドリック商法

Roy Goode; Ewan McKendrick

英語原題: Goode and McKendrick on Commercial Law

イギリス商法に関する大部の体系書で、基礎原則を典型的な商取引・金融取引に照らして論じる。第6版は、商事契約法、決済と通貨、所有権留保と債権、倒産、信用状とインコタームズ2020、仲裁、法と技術を扱う。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
商法商取引契約決済システム担保取引国際貿易信用状

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Goode, R., & McKendrick, E. (2020). Goode and McKendrick on Commercial Law (6th ed.). LexisNexis Butterworths.

章の要約

Goode and McKendrick on Commercial Law は、英国商事法に関する大部の体系書で、第6版は約1,500ページに及ぶ。もとの書名は Goode on Commercial Law で、第6版で Roy Goode と Ewan McKendrick の両名を冠した書名に改められた。出版社は、国内的・国際的な文脈で商事法を理論面と実務面の両方から扱う、実務家向けの代表的な書物と紹介している。以下の項目は、出版社が本版の紹介で挙げているものである。

基礎と商事契約法

本書は、基礎的な原則の深い理論的分析と、典型的な商取引・金融取引を背景にした実務的なアプローチを組み合わせている。出版社は、本版の新しい節として、商事法における確実性の重要性、および法と技術の関係を挙げる。また、契約解釈に適用される原則、不依拠条項や前提条項(basis clauses)の規制、交渉的損害賠償(negotiating damages)の登場など、商事契約法の最近の展開を報告している。

支払と貨幣

出版社によれば、支払と貨幣に関する章は第6版で書き直された。書き直しは、決済システムの規制の大幅な変化、電子的通信への依存の高まり、暗号通貨の登場を反映している。商取引の当事者間で資金がどう動くかに関する法を知りたい読者は、以前の版ではなく本版を用いるべきである。

担保、所有権留保、債権

本版が分析する最高裁判決として、出版社は所有権留保条項に関する事件を挙げる。また、資金調達手法としての債権譲渡に関わる「2018年商事契約条件(債権譲渡)規則」を扱っていることも記している。

倒産

本版が分析する最高裁判決の対象として、倒産は所有権留保、信用状、仲裁と並べて挙げられている。出版社は倒産部分についてそれ以上の詳細を示していないので、読者は使用する版の目次で、この主題がどう配置されているかを確認すべきである。

国際貿易と信用状

本版は国際売買の標準的な貿易条件であるインコタームズ2020(Incoterms 2020)を扱い、信用状に関する最高裁の判例を分析している。これらの主題が本書の国際貿易に関する内容をなす。

紛争解決と技術

仲裁は、出版社が最高裁判決の分析があると報告する紛争関連の主題の一つである。暗号資産、暗号通貨、電子署名に関する新しい内容は、本版の法と技術の扱いに属し、出版社は、英国のEU離脱が商事法の将来に及ぼす影響への考慮も付け加えている。

主要概念

出版社が示す主題領域

  • 商事法における確実性:第6版で独立して新たに論じられる原則。
  • 契約解釈、不依拠条項・前提条項、交渉的損害賠償:商事契約法の近年の展開。
  • 決済システム、電子的通信、暗号通貨:書き直された支払と貨幣の章の背景にある主題。
  • 所有権留保と債権譲渡:担保に関連する主題で、2018年の債権に関する規則が含まれる。
  • 信用状とインコタームズ2020:国際貿易における荷為替信用状と標準条件。
  • 法と技術:暗号資産と電子署名。

批判的分析

長所

  • 理論と実務の両立。 出版社は、基礎原則が深く分析され、典型的な取引に照らされると強調する。そのため本書は、規則がどう働くかだけでなく、なぜ存在するかも説明する。
  • 図と書式見本。 多様な取引について図と書式見本が含まれており、複雑な多当事者の構造を理解しやすくしている。
  • 権威。 出版社は、本書が最高裁を含む各級の裁判所で定期的に引用されると述べており、実務家の間での地位を示している。
  • 新しい版。 第6版は、最近の最高裁判決、インコタームズ2020、書き直された支払の章、EU離脱の影響を取り入れている。

短所

  • 大きさと水準。 約1,500ページの本書は学生用の教科書ではなく実務家の参照書であり、通読は現実的でない。初学者には密度が高く、探しにくい。
  • 判例集ではない。 本書は法を述べて分析する体系書であり、判例集ではない。判決の抜粋を読みたい読者は別に資料集が必要である。
  • 時期。 本版は2020年のもので、支払、暗号資産、倒産に関する後の展開は、より新しい資料で確認する必要がある。

コースにおける位置づけ

会社法・商事法のコースでは、本書はコース中の商事法の体系書であり、他の書物は会社法と倒産法に関するものである。Dignam と Lowry の Company Law は2006年会社法を扱う簡潔な Core Text であり、Wild と Weinstein の Smith & Keenan's Company Law は長く使われている学生用教科書で、いずれも商取引にしばしば関わる会社の仕組みを教える。Micheler の Company Law: A Real Entity Theory は会社の人格とガバナンスに関する上級の理論書であり、Finch の Corporate Insolvency Law は倒産の上級の分析で、Goode と McKendrick の倒産・担保の主題と直接つながる。

妥当な順序は、まず一般の商事法または契約法の授業を受け、その後、授業が選ぶ主題について Goode と McKendrick を読み、取引が窮境にある会社に関わる場合は会社法・倒産法の書物を併読することである。

本書の使い方

本書は、商事法の上級学生、大学院生、および英国商事法の詳細な説明を必要とする実務家を対象とする。契約法、できれば財産法と会社法を事前に学んでいると役に立つ。

実践的な進め方:

  • 参照書として使う。 支払、担保、信用状などの具体的な主題については、前から読むのではなく、索引や目次から該当部分に当たる。
  • 枠組みの節から始める。 基礎原則と確実性に関する議論は、本書の他の部分で用いられるアプローチを与える。
  • 図を活用する。 多当事者の取引では、まず図と書式見本を見て、その周囲の本文を読む。
  • 最近の展開を先に読む。 支払、暗号資産、電子署名については、書き直された部分と新設された部分を先に読み、その後の変化を確認する。
  • 判例と併せて読む。 出版社が挙げる主要な最高裁判決は原文で読み、本文の背後にある推論を確かめる。