01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Finch, V., & Milman, D. (2017). Corporate Insolvency Law: Perspectives and Principles (3rd ed.). Cambridge University Press.
章の要約
第3版は約790ページで、短い序論、19の章、参考文献から成る。出版社は本書を、近年の改革を評価し新たな立法を見通す、企業倒産法の学際的な検討と紹介している。章題の並びは、歴史と目的に始まり、金融面の背景と倒産手続を担う人々、再建手続と清算の各章を経て、最後に取締役、従業員、国境をまたぐ事案へと進む。
第3版への序論
第3版を紹介する6ページほどの冒頭部分。
第1–2章:企業倒産法のルーツ/目的、目標、基準
第1章は現代の企業倒産法がどこから来たかをたどる。第2章は倒産制度が何のためにあり、どのような基準で評価できるかを扱う。後続の各章が個別の手続を論じる際、この枠組みが物差しとなる。
第3–5章:倒産と企業の借入れ/企業の破綻/倒産実務家と事業再生の専門家
これらの章は、個々の手続を述べる前に商業上の背景を示す。第3章は倒産を企業の資金調達の仕方と結びつけ、第4章は企業が破綻する理由を検討し、第5章は困難に陥った企業と関わる倒産実務家や事業再生の専門家を紹介する。
第6–12章:再建/私的整理/レシーバーとその役割/アドミニストレーション/プレパッケージ型アドミニストレーション/会社の取決め/再建の再考
事業を存続させることを目的とする手続を扱う最も長いまとまり。再建に関する総論に続いて、私的整理、レシーバーシップ、アドミニストレーション(この群で最長の章で、約70ページ)、プレパッケージ型アドミニストレーション、会社の取決めが並ぶ。第12章「再建の再考」は、約9ページの短い章で、再建全体に立ち返る。
第13–15章:資産の収集:清算の役割/パリ・パッスーの原則/パリ・パッスーの回避
清算を扱う章。第13章は会社の資産を集める清算の役割を扱い、第14章と第15章は無担保債権者が平等に分け合うという原則と、法や商慣行がそこから離れる様々な場面を検討する。
第16–19章:苦境の中の取締役/苦境の中の従業員/国境を越える倒産/結論
最後の章は、倒産の影響を受ける二つの集団である取締役と従業員を取り上げ、続いて国境を越える事案を扱い、結論で主題をまとめる。
主要概念
背景と目的(第1–5章)
- 目的と基準:倒産制度が果たすべき目的と、それを果たしているかを判断する物差し。
- 企業の借入れ:会社が破綻したときに誰が誰にいくら請求できるかを決める信用関係。
- 倒産実務家:倒産手続を遂行する専門家。困難の早い段階で会社に関わる事業再生の専門家と対比される。
再建手続(第6–12章)
- 再建:事業を閉じるのではなく維持することを目指す一群の手続。
- アドミニストレーションとプレパッケージ型アドミニストレーション:裁判所の監督下で行われる再建手続と、管理人の選任前に売却が準備されている変形。
- レシーバーシップ:担保権者が担保資産の支配を得る救済手段。
- 会社の取決め:会社が提案した和解に債権者を拘束する合意。
清算とその影響(第13–19章)
- 清算:会社を終了させ、その資産を集めて分配すること。
- パリ・パッスー原則:同順位の債権者が平等に分け合うことと、それが回避される様々な方法。
- 取締役と従業員:困難に陥った会社に最も近い人々の法的地位。
- 国際倒産:会社の資産や債権者が複数の国にまたがる場合の手続の扱い。
批判的分析
長所
- 苦境にある会社の経過全体に沿った構成。 章の順序は借入れと破綻から、再建の試み、清算とその帰結へと進むため、各手続を孤立した主題としてではなく、時間の流れの中に位置づけて理解できる。
- 争いのある問題に紙幅を割いている。 手続に先立って目的と基準の章があり、「パリ・パッスーの原則」と「パリ・パッスーの回避」が対になり、最後に「再建の再考」が置かれていることから、本書は規則の記述にとどまらず、法の目的や効果を議論の余地のある問題として扱っていることがうかがえる。
- 利害関係者の幅が広い。 取締役、従業員、実務家にそれぞれ章があり、債権者の救済手段に限った叙述より視野が広い。
- 主要な再建の道筋に厚みがある。 アドミニストレーションとプレパッケージ型アドミニストレーションで合わせて約110ページあり、レシーバーシップと会社の取決めにも独立の章がある。
短所
- 規模と水準。 約790ページに50ページの参考文献が付き、会社法の基礎を既に知っている学生向けの参考書・学習書であって、短い入門書ではない。
- 単一の法域に焦点。 国境を越える事案を扱う章は約20ページの一章だけであり、比較法や国際的な視点が必要な読者は他の資料を要する。
- 版による古さ。 2017年版のため、その後の立法や改革は含まれない。現行法は最新の法令集や後の版で確認する必要がある。
コースにおける位置づけ
会社法・商事法の書目の中で、本書は会社が債務を支払えなくなったときに何が起こるかを扱う専門書である。Dignam と Lowry の Company Law および Wild と Weinstein の Smith & Keenan's Company Law は会社の一般的な法を扱う学生向け教科書で、取締役の義務、法人格、会社の資金調達に慣れるためにまずどちらかを読むとよい。倒産の各章はこの背景を前提とするからである。Eva Micheler の Company Law: A Real Entity Theory は会社についての理論的な著作で、会社とは何かを考える手がかりとして本書と併読できる。Goode and McKendrick on Commercial Law は商事法全般を扱う著作で、借入れや債権者に関する章を補う。
したがって通常の順序は、会社法の教科書、次に講義の倒産部分のために本書、レポートや論文のために理論書、となる。
本書の使い方
倒産法や企業金融の科目を履修する学生、再建・債権者・取締役についての論文を書く人に向く。会社法と担保付き信用の基礎知識が前提とされる。
実際の読み方は次の通り。
- 中核: 目的と信用の背景を扱う第2–3章、続いて第6、9、12章(再建、アドミニストレーション、会社の取決め)と第13–15章(清算とパリ・パッスー)。
- 倒産法の科目全体を学ぶ場合に追加: 第5章と第10章(実務家とプレパック)、および取締役、従業員、国境を越える事案を扱う第16–18章。
- 背景または任意: 第1章(歴史)と第4章(企業の破綻)は背景を与える。序論と結論は短く、全体の見通しを得るのに役立つ。
各手続の章は関連する制定法を傍らに開いて読み、目的の章をチェックリストとして使うとよい。一つの手続を読み終えるたびに、それが目的のうちどれを前進させるかを問う。2017年以降に法が変わっているため、本書は枠組みとして用い、細部は現行の法令で確認する。
