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Early Modern Europe, 1450–1789(近世ヨーロッパ 1450–1789年) cover

歴史学

歴史学

Early Modern Europe, 1450–1789(近世ヨーロッパ 1450–1789年)

Merry E. Wiesner-Hanks

英語原題: Early Modern Europe, 1450–1789

活版印刷の発明からフランス革命までのヨーロッパ史を一冊で通観する概説書。政治・宗教・経済・社会・文化の変化を軸に時代を整理し、ヨーロッパの海外との結びつきと世界的文脈を常に視野に入れながら、ジェンダー、階級、地域差を叙述全体に組み込んでいる。

前提知識: 近世史の予備知識は不要だが、ヨーロッパの地理についての大まかな感覚があると読みやすい。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
early modern europereformationeuropean historysurvey教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Wiesner-Hanks, M. E. (2022). Early Modern Europe, 1450–1789 (3rd ed.). Cambridge University Press. Cambridge History of Europe.

章の要約

第3版(594ページ、初版2006年、第2版2013年)は、印刷術の発明からフランス革命までのヨーロッパ史を扱う。序論の後、同じ主題の型に沿った二部構成をとる。第I部は1450年頃のヨーロッパの概観で始まり、続いて1450–1600年について、社会の中の個人、政治と権力、文化と知的生活、宗教、経済と環境、世界の中のヨーロッパという6章を置く。第II部は1600–1789年について同じ六つの主題を繰り返し、短いエピローグで終わる。各章の終わりには章の要約、討論のための問い、読書案内、一次史料の一覧があり、本書全体には33の史料コラム、「方法と論争」コラム、15の地図、4つの統治者一覧表、多数の図版が収められている。出版社は、この版で新たに加わった、あるいは拡充された内容として、環境史、消費文化・食・ファッション、ヨーロッパと世界、差異・階層・血統・人種をめぐる観念の変化、世界的な宗教・交易のネットワークを挙げている。オンライン資料も用意されている。

序論

本書の構成を説明し、近世史に利用できる史料について論じる。序論にも要約、問い、文献一覧が付く。

第1章:1450年の世界の中のヨーロッパ

その後のすべての主題を予告する出発点としての横断面。ヨーロッパの外への旅、社会の中の個人、政治と権力、文化と知的生活、宗教制度と実践、経済と環境を扱う。史料コラムにはピウス2世によるトルコに対する十字軍の呼びかけが収められている。

第2章:社会の中の個人、1450–1600年

身体とライフサイクルを軸に組み立てられた社会史。子ども時代と青年期、性、結婚、寡婦期と老年、死、そして家族・親族・共同体のネットワークを扱う。方法コラムは病の意味と、ケンブリッジ人口・社会構造史研究グループを取り上げる。

第3章:政治と権力、1450–1600年

軍事技術、常備軍と海軍、税・官僚制・婚姻政治に続いて、地域別の概観が来る。ブリテン諸島、フランス、スペインとポルトガル、神聖ローマ帝国、オスマン帝国、東欧と北欧、イタリア、そして地方レベルの権力である。

第4章:文化と知的生活、1450–1600年

学校と教育、政治理論(マキァヴェッリはマキァヴェリアンだったのかを問うコラム付き)、人文主義、俗語文学と演劇、音楽と美術。

第5章:宗教改革と確立、1450–1600年

初期の宗教改革、イングランドの宗教改革、急進的宗教改革、改革の社会的影響、宗教戦争、カルヴァン主義、カトリック改革、後期の宗教戦争。

第6章:経済と環境、1450–1600年

資本主義・経済理論・人口増加。農村社会と、西欧の農村における富の二極化と東欧における再版農奴制・奴隷制との対比。鉱業、毛織物とタラ、銀行業、都市生活、貧困と犯罪。

第7章:世界の中のヨーロッパ、1450–1600年

地中海とインド洋の結びつき、中国とポルトガルの航海、コロンブスとその後の航海者たち、アジア・アフリカ・アメリカ大陸のヨーロッパ人、コロンブス交換、そして差異と階層。その後に1450–1600年の部の要約が続く。

第8章:社会の中の個人、1600–1789年

再び身体を軸に、社会的身体、書く身体、内なる身体、研究される身体、治療される身体、生殖する身体、逸脱する身体を扱う。身分と階級、手紙と日記、感情、解剖学と医学、公衆衛生、出産と避妊、性犯罪である。コラムは「文明化の過程」と「感情論的転回」を論じる。

第9章:政治と権力、1600–1789年

絶対主義の理論と実践、戦争と同盟(「17世紀の危機」についてのコラム付き)に続き、フランス、スペインとポルトガル、ブリテン諸島、オランダ共和国、オスマン帝国、ハプスブルク家の領土、ブランデンブルク=プロイセン、スウェーデンとポーランド、ロシア、啓蒙君主を扱う。

第10章:文化と知的生活、1600–1789年

学会、サロン、新聞。古代の権威から新しい方法へと至る科学、天文学の革命、ニュートンの数学。理性・所有・自然権をめぐる啓蒙思想とその限界。文学、美術、建築、音楽、舞踊。

第11章:宗教の確立と刷新、1600–1789年

プロテスタントの国家教会、カトリシズムにおける教会と国家、霊性主義と敬虔主義、モラヴィア兄弟団とメソジスト、西方キリスト教におけるジェンダーの問題、東方正教会、魔女、ユダヤ教、イスラーム。

第12章:経済と環境、1600–1789年

農業の変化と農村の抗議、人口増加、プロト工業・マニュファクチュア・ギルド、機械化された繊維生産、工業化、そして信用・銀行・貨幣。

第13章:世界の中のヨーロッパ、1600–1789年

探検、インド洋・カリブ海・大西洋における交易と植民地、植民地・差異・人種、植民地主義の影響、そしてエピローグ。

主要概念

第I部:1450–1600年

  • ライフサイクル:子ども時代から死までの人生の段階。社会史を組み立てる軸として用いられる。
  • 王朝政治と婚姻政治:軍隊、税、婚姻同盟による国家形成。
  • 人文主義:古典の学問に基づく教育的・知的運動。
  • 宗教改革:初期、イングランド、急進派、カトリックの各改革と、それに続いた戦争。
  • 再版農奴制:西欧の農村社会が二極化する一方で、東欧で農民の隷属が強まったこと。
  • コロンブス交換:東西両半球の間での植物、動物、病気、人間の移動。

第II部:1600–1789年

  • 絶対主義:君主が分割されない権威を主張する理論と実践。
  • 科学革命:古代の権威から新しい方法、天文学、数学への移行。
  • 啓蒙と自然権:理性と権利をめぐる新しい議論と、そこから排除された人々。
  • プロト工業化と工業化:農村の手工業、機械化された繊維生産、工業の初期段階。
  • 植民地と人種:植民地の奴隷制と交易が差異の観念をどう作り変えたか。

批判的分析

長所

  • 並行した主題構成。 各部が同じ六つの主題をたどるので、たとえば宗教を初期の宗教改革(第5章)から敬虔主義とメソジスト(第11章)まで、経済を毛織物とタラ(第6章)から工業化(第12章)まで追い、時代の前半と後半を直接比較することができる。
  • 全体を通した社会史とジェンダー史。 出版社はジェンダー、階級、地域、民族の差異の統合を強調しており、目次もそれを裏づける。2つの章が身体とライフサイクルを軸に組み立てられ、宗教の章には西方キリスト教におけるジェンダーが含まれる。
  • ヨーロッパ全体とその世界。 東欧、オスマン帝国、ロシア、正教会にそれぞれ節が設けられ、3つの章がヨーロッパを世界的な文脈に置く。
  • 教えるために作られている。 各章の要約、問い、読書案内、一次史料一覧、ルターやエラスムスから黒人法典(コード・ノワール)までの史料抜粋、歴史家の論争についてのコラム(ウェーバー・テーゼ、コロンブス像の変化、大西洋史)は、出来事だけでなく史料と史学史へと学生を導く。

短所

  • 分量。 約600ページの本格的な教科書であり、1学期の授業の多くは章を選ぶ必要がある。
  • 出来事の主題別の分割。 政治の叙述は地域別の2つの章(第3章と第9章)に、宗教改革は独立した宗教の章に、経済の変化はさらに別の章に置かれているため、特定の国の出来事がどう組み合わさっていたのかが見えにくくなることがある。統治者一覧表と地図がその助けになる。
  • 1789年で終わる。 フランス革命は主題ではなく終点であり、工業化もその初期段階までしか追われない。

コースにおける位置づけ

本書は近世史の書目における主要な概説教科書である。ピーター・マーシャルの The Reformation: A Very Short Introduction は、第5章と第11章が扱う宗教的激動への短い入門書であり、概観のためにそれらの章の前か並行して読むとよい。カルロス・エイレの Reformations はプロテスタント、カトリック、急進派の宗教改革を扱う長い叙述史であり、ユーアン・キャメロンの The European Reformation は16世紀の改革についての学術的総合である。どちらも第5章を大きく深めてくれる。

ビート・キューミン編の The European World 1500–1800 は、専門家チームによる、ほぼ同じ時代を扱う主題別の教科書である。同じ主題についての第二の視点として役立ち、学生は二冊があるテーマをどう扱っているかを比較できる。ジェフリー・パーカーの Global Crisis は、気候を戦争や反乱と結びつける17世紀の危機についての大規模な世界史的研究で、第9章で示される論争と第12章の環境史を展開する。

本書の使い方

本書は近世史を学んだ経験を前提としておらず、歴史学の1・2年生や、この時代の背景を必要とする文学・宗教学・政治学の学生に向いている。

推奨プラン:

  • まず 本書の構成と史料についての議論を述べる序論と、第1章を読む。
  • 年代順の授業では、第I部、次いで第II部を順に読む。
  • 主題別の授業では、対になる章を一緒に読む。第2章と第8章(社会)、第3章と第9章(政治)、第4章と第10章(文化と科学)、第5章と第11章(宗教)、第6章と第12章(経済)、第7章と第13章(世界の中のヨーロッパ)である。
  • 時代の半分を扱う1学期の授業では、第1章と第I部、あるいは背景として第7章末の部の要約を添えて第II部を読む。

付属の仕掛けを活用すること。各史料コラムは証拠を解釈する短い練習として読み、ゼミの前には章末の問いに取り組み、「方法と論争」コラムは史学史についてのレポートの出発点にする。政治の章を読むときは地図と統治者一覧表を手元に置き、読書案内と一次史料一覧を使ってエイレ、キャメロン、パーカーへと進むとよい。