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The Empire Project: The Rise and Fall of the British World-System, 1830–1970(帝国というプロジェクト:イギリス世界システムの興亡 1830–1970年) cover

歴史学

歴史学

The Empire Project: The Rise and Fall of the British World-System, 1830–1970(帝国というプロジェクト:イギリス世界システムの興亡 1830–1970年)

John Darwin

英語原題: The Empire Project: The Rise and Fall of the British World-System, 1830–1970

イギリス帝国を、本国、白人入植者の自治領、インド、従属植民地、非公式な商業的影響圏を結ぶ一つの世界システムとして捉えた、ジョン・ダーウィンの大規模な研究。地政学、世界経済、現地の政治の相互作用によってシステムの拡大と存続を説明し、第二次世界大戦後の解体をたどる。

前提知識: 帝国史または近現代イギリス史の講義と、19・20世紀世界史の大筋についての知識。

難易度レベル
上級
学術レベル
大学院
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Darwin, J. (2011). The Empire Project: The Rise and Fall of the British World-System, 1830–1970. Cambridge University Press.

章の要約

書名は、大英帝国はこれまでのところ「帝国ではなく、帝国の計画にすぎない」というアダム・スミスの言葉に由来する。ダーウィンの論点は、イギリスの帝国としての力が、植民地に対して行使された帝国の権威よりも、三種類の帝国の結合から生まれたという点にある。「白人自治領」の入植者帝国、ロンドンのシティの商業帝国、そして市場・人員・軍事力を提供した「大インド」である。序文と序論に続いて、目次は十四の章を二つの見出しの下に置き、結論、注、索引で終わる。

序論:帝国の計画

序論は、著者のいう英国世界システムの考え方を示す。イギリス本国、自治領、インド、従属植民地、非公式の商業的影響圏が結びついた体系である。このシステムの興亡は、世界規模の経済・政治・地政学的変動のなかで読まなければならないと説明する。

第I部(第1–7章):「世界の王笏」をめざして:長い十九世紀における帝国の諸要素

最初の七章はシステムを組み上げていく。章題は順に「ヴィクトリア朝の起源」「タコのような力」「商業共和国」「ブリタニア的実験」「『英領インド』における『非英国的支配』」「最も弱い環:南アフリカのイギリス」「エドワード朝の転換」である。章題からは、叙述が十九世紀半ばの土台から出発し、入植・商業・インドという構成要素を経て、緊張の表れた二つの事例、すなわち南アフリカと一九一四年以前の時期へ進むことがうかがえる。章が単年ごとではなく構成要素や出来事を軸に組まれていることが題名から読み取れるため、この部分は三つの柱がどう機能したかを学ぶ箇所である。

第II部(第8–14章):「大型客船は沈みつつある」:戦争の時代における英国世界システム

第II部は年代順で、第一次世界大戦から帝国の終わりまで、局面ごとに一章が当てられる。「帝国のための戦争、1914–1919」「帝国の平和をつくる、1919–1926」「中枢を守る、1927–1937」「戦略の深淵、1937–1942」「生き残りの代価、1943–1951」「第三の世界大国、1951–1959」「気の進まない撤退、1959–1968」である。出版社は全体の議論を、世界経済・政治・地政学の激動のなかで、システムがまず強められ、次に弱められ、最後に断ち切られた経過として要約している。章題は、二度の大戦を通じたシステムの存続と、その後の撤退をたどっている。

結論

短い結論の章が二つの部をまとめ、そのあとに注が置かれる。

主要概念

序論と第I部

  • 英国世界システム:自治領、インド、従属植民地、非公式の影響圏が相互に結びついた網の目。著者はこれを個々の植民地の総和以上のものとして扱う。
  • 三つが一つになった帝国:入植者帝国、シティの商業帝国、「大インド」。出版社の紹介が英国の力の支えとして挙げるものである。
  • 帝国の計画:スミスの言葉。このシステムが時間をかけて組み立て直されてきたものであり、完成した構造ではなかったことを強調する。

第II部

  • 圧力下の帝国戦略:「戦略の深淵」「生き残りの代価」といった章題は、システムの命運を二度の世界大戦とその帰結のなかに位置づける。
  • 興隆・弱体化・切断:出版社が示す全体の弧。十九世紀に強められた網が、一九四五年以後の世界的動乱のなかで断ち切られる。

批判的分析

長所

  • 巨大な主題に一つの枠組みを与えている。 「三つの帝国」という着想は、百四十年に及ぶ帝国史に明確な背骨を与え、イギリス、入植社会、インド、商業世界を一つの叙述に結びつける。
  • 評価が高い。 ケンブリッジ大学出版局のページには、ピアーズ・ブレンドン、ウィリアム・ロジャー・ルイス、アンドリュー・ポーターらの賛辞が引かれ、『インディペンデント』『タイムズ高等教育付録』『タイムズ文芸付録』『ヨーロッパ史季刊』などの書評が挙がっている。歴史協会(Historical Association)の評者は、イギリスの植民地化を教える者が読むべき本だと述べた。『コンテンポラリー・レビュー』は、本書が二〇一〇年のトレヴァー・リース記念賞を受けたと報じている。
  • 明快な二部構成。 先に構成要素、次に時間の流れ。前半はシステムがどう働いたかの説明として、後半はその危機の物語として使い分けられる。

短所

  • 分量と密度。 結論と注の前だけで叙述の章がおよそ650ページあり、相当の覚悟が要る。議論は地域間の多くの相互参照から組み立てられている。
  • 比較史ではない。 対象は英国のシステムである。出版社の紹介は自治領、シティ、インドを柱として挙げており、章題には熱帯アフリカやカリブ海を扱う章も見当たらないため、これらの地域を知りたい読者は別の本が必要になる。
  • 初学者にはペースが速い。 この規模の総合は舞台から舞台へと素早く移るため、初めてこの時期を学ぶ読者は十九・二十世紀史の概説を手元に置くのがよい。

コースにおける位置づけ

帝国・植民地史のコースでは、ダーウィンの本は一つの帝国システムを最も深く扱うものである。スティーヴン・ハウの『帝国:ごく短い入門』(Empire: A Very Short Introduction)は、帝国とは何か、どう正当化されるのかを簡潔に紹介しており、ダーウィンを読む前に用語を学ぶ最も手軽な入口になる。バーバンクとクーパーの『世界史のなかの帝国』(Empires in World History)は比較の面での相棒で、ローマと中国から二十世紀までを見渡すのに対し、ダーウィンはイギリスに腰を据えて細かく追う。

終局については、ヤンセンとオスターハンメルの『脱植民地化小史』(Decolonization: A Short History)が、第12–14章のイギリスの撤退を世界規模の比較のなかに置く。フレデリック・クーパーの『1940年以降のアフリカ』(Africa since 1940)とメトカーフ夫妻の『現代インド簡史』(A Concise History of Modern India)は、二つの地域についてダーウィンの叙述が終わる先までを語る。

本書の使い方

現代イギリス史または帝国史の概説を終えた読者に向く。上級の学部生、大学院生、本格的な一般読者である。実際的な順序としては、まず序論と結論を読み、次に第I部を順に読む。後の章がその用語に依拠しているからである。特定の地域に関心がある読者は一つの章から入ってもよい。インドなら第5章、南アフリカなら第6章、二十世紀の叙述を一続きで読むなら第8–14章である。

一学期の授業なら、序論と結論、それに選んだ四、五章が現実的な選択になる。本書は舞台の間を素早く移るので、読む際は年表と帝国の地図を手元に置くとよい。第II部には脱植民地化を扱う短い本を組み合わせ、イギリスの場合が他とどう比べられるかを確かめる。各章の背後にある二次文献は注をたどって探せる。