01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Howe, S. (2002). Empire: A Very Short Introduction. Oxford University Press. Very Short Introductions.
章の要約
全8章のポケットサイズの本である(139ページ、132–134ページに参考文献、索引付き)。出版社の紹介文が出発点を示している。世界史の多くは帝国の歴史であり、大陸型と海洋型の巨大な帝国は20世紀後半に崩壊したが、その遺産は生活のほとんどあらゆる面を形づくっており、何がそれに取って代わったのか(あるいは何も代わっていないのか)について激しい議論がある。ハウは、帝国という観念を時代を通じて解釈し、「帝国」や「植民地主義」といったラベルの使われ方と乱用を解きほぐし、現代世界における帝国主義の余波を検討しようとする。章題が全体の構想を示す。定義の章、四つの段階からなる歴史(古代の帝国、陸の帝国、海の帝国、そして両者の死)、そして帝国のその後と帝国研究のあり方を扱う二つの結びの章である。
第1章:Who's an Imperialist?(帝国主義者とは誰か)
冒頭の章は本書の中心にある定義の問題を取り上げる。「帝国」「帝国主義」「植民地主義」という言葉が何を意味し、なぜそれほど曖昧に、また論争的に使われるのかを問う。
第2章:Ancient Empire(古代の帝国)
本書の歴史を扱う章の最初のもので、古代世界の帝国に目を向け、後の帝国を最初期の帝国国家と比べられるようにする。
第3–4章:Empire by Land(陸の帝国);Empire by Sea(海の帝国)
二つの章は後の帝国をその地理によって分ける。出版社の紹介文は、陸に広がるロシア帝国と、西ヨーロッパ諸国の海洋帝国とを対比しており、これがこの二つの章題が名指す二つの型である。
第5–6章:Death of the Seaborne Empires(海洋帝国の死);Death of the Land Empires(陸の帝国の死)
同じ区分が帝国の終わりにも持ち込まれる。ヨーロッパの海洋帝国の崩壊を扱う章と、紹介文が示すようにロシアの帝国体制を含む陸の帝国の終わりを扱う章である。
第7章:Afterlives and Rebirths of Empire(帝国のその後と再生)
この章は、出版社が現代の議論の中心に置く問い、すなわちアメリカ合衆国とその同盟国、多国籍企業、金融やメディアの機関、あるいはグローバル化の力が新しい帝国体制を構成しているのかという問いを取り上げる。
第8章:Studying Empires: Prejudice and Progress, Cash and Culture(帝国を研究する――偏見と進歩、カネと文化)
最終章は帝国がどのように研究されてきたかを扱う。副題は偏見と進歩、カネと文化を対にしており、これがこの分野を概観する際の言葉となっている。
主要概念
第1–2章:定義と起源
- 帝国と帝国主義:本書が解きほぐそうとする、意味の争われる用語。
- 植民地主義:関連するが別の概念で、しばしば帝国と同じ意味で使われるラベル。
- 古代の帝国:後の帝国と比較される初期の帝国国家。
第3–6章:帝国の型とその終わり
- 陸の帝国:ロシアの例のように、地続きの領域に広がる帝国。
- 海洋帝国:西ヨーロッパ諸国の海外帝国。
- 帝国の崩壊:両方の型の帝国の終わり。並行する二つの章で扱われる。
第7–8章:その後と研究
- 新しい帝国主義をめぐる論争:アメリカの力やグローバル化が新しい帝国を形づくっているかという議論。
- 帝国を研究する:最終章の章題で「偏見と進歩、カネと文化」と枠づけられる帝国の史学史。
批判的分析
長所
- 用語についての明晰さ。 「帝国主義者とは誰か」から始めることで、本書は定義を最初の課題にしており、しばしば論争的に使われる語彙を学生が扱う助けになる。出版社の紹介文も、このラベルの解きほぐしを本書の中心に置いている。
- 長く比較的な射程。 短い紙幅の中で古代から現在まで進み、陸の帝国と海の帝国を、その興隆においても崩壊においても並べて示す。
- 現在と史学史への目配り。 第7章と第8章は、帝国史を現代の論争や歴史家による帝国研究のあり方に結びつける。出版社は、オックスフォード大学のミーガン・ヴォーンが、ハウの問題把握と、近代の帝国主義の歴史を大きな視野の中に置く手際を称賛した言葉を引いている。
短所
- 現在についての記述は古い。 2002年刊行のため、アメリカの力やグローバル化をめぐる論争は世紀の変わり目の状態で論じられており、その後の研究や出来事は含まれない。
- きわめて圧縮された叙述。 本文約130ページに8章を収めるため、各時代は素描にとどまる。個々の帝国については、学生はより長い著作を必要とする。
- 地域別ではなく主題別。 帝国の型によって組み立てられているため、個々の帝国や地域に独立した章はない。
コースにおける位置づけ
本書は、帝国という概念全体についてのこのコースで最も短い入門書で、最初の一冊にふさわしい。ヤン・C・ヤンセンとユルゲン・オスターハメルの Decolonization: A Short History とよく組み合わさる。ハウの第5–6章が帝国の崩壊を簡単に概観するのに対し、ヤンセンとオスターハメルは20世紀の脱植民地化を詳しく分析する。ジェーン・バーバンクとフレデリック・クーパーの Empires in World History は、古代ローマと中国から20世紀まで、ハウが素描する時代をこえた帝国の比較を本格的に展開する比較史である。
イギリスの事例については、ジョン・ダーウィンの The Empire Project が1830年から1970年までのイギリスの世界システムを大規模に研究している。フレデリック・クーパーの Africa since 1940 とバーバラ・メトカーフとトマス・メトカーフの A Concise History of Modern India は、二つの地域を植民地支配とその終わりを通してたどり、第4–5章の後に読むのに適している。
本書の使い方
予備知識は必要ないが、世界史の一般的な知識があると役に立つ。2、3回で読み通せる。
- 最初の読み方: 第1章を丁寧に読み、そこで区別される定義をメモしておく。コース全体を通じて役に立つ。
- 対にして読む歴史: 第3章と第4章を一緒に、次に第5章と第6章を一緒に読み、各段階で陸の帝国と海の帝国を比べる。
- 論争: 第7章は「帝国」が現在の権力に当てはまるかどうかの討論に、第8章は長い研究書を読む前の史学史の入門に使う。
- 本書と並行して: 巻末の参考文献を使ってさらに読む本を選び、本書が現代の問題を論じる箇所では2002年という刊行年を念頭に置く。
