01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Jansen, J. C., & Osterhammel, J. (2019). Decolonization: A Short History (J. Riemer, Trans.). Princeton University Press. (Original English edition 2017; German original 2013.)
章の要約
本書は序文と7章からなり、最終章は171ページから始まる。その後に注、精選文献、索引が続く(ペーパーバックで272ページ)。2013年に初めて刊行されたドイツ語の本を改訂・増補したもので、ジェレマイア・リーマーが英訳した。著者たちは本書を、なかば入門的な概説、なかば歴史エッセイと呼んでいる。主題は、第一次世界大戦から1990年代までのヨーロッパ、アメリカ、日本の植民地支配の衰退である。地域ごと、帝国ごとに進むのではなく、各章はおおむね年代順の枠組みの中で分析的な主題を取り上げる。最初の3章は脱植民地化とは何であったか、いつ始まったか、どのように起きたかを問い、残りの4章はその経済的・政治的・思想的・長期的な帰結に向かう。
第1章:Decolonization as Moment and Process(瞬間としての、そして過程としての脱植民地化)
この章は脱植民地化を、個々の領域における権力の移譲としてと同時に、国際的な規範のより広い転換――政治形態としての帝国の消滅と、世界秩序の受け入れられた原理としての人種的序列の終わり――として定義する。H-Franceで書評したジェシカ・リン・ピアソンは、ここにある二つの「道具箱」を強調している。後期植民地期、外的条件、脱植民地化の経過、その帰結についての一連の問いと、ある領域でなぜ脱植民地化が起きたかについての、意図的な権力移譲から冷戦の圧力までの五つの説明である。
第2章:Nationalism, Late Colonialism, World Wars(ナショナリズム、後期植民地主義、世界大戦)
「いつ」の問い。第一次世界大戦前後の反植民地ナショナリズムの起源、ウィルソンの十四か条以後、国際連盟と国際連合を通じて進んだ植民地問題の国際化、そして大戦間と戦後に植民地宗主国が試みた改革を扱う。マイケル・コリンズ(EuropeNow)は、この章が分権化と統合をめぐるヨーロッパの諸実験を比較していると指摘しつつ、紙幅に比して内容が詰め込まれていると評している。
第3章:Paths to Sovereignty(主権への道)
最も長い章(71–118ページ)で、1945年以後の集中的な局面を、南アジアにおける帝国の終わりから、ポルトガル領・スペイン領アフリカの最後の拠点、ローデシアと南アフリカの入植者国家まで扱う。コリンズは、インドの独立、アルジェリア戦争、コンゴ危機、そしてとりわけスエズ危機の扱いを、本書で最も明快な比較分析として挙げている。
第4章:Economy(経済)
植民地支配がインフラ、交易、移住、労働、貨幣を通じてどのように経済を作り変えたかを検討し、新しい国家はこうした変化をほとんど覆さなかったため、経済的な脱植民地化はしばしば程度の問題だったと論じる。
第5章:World Politics(世界政治)
脱植民地化を東西対立と南北対立の交点に置き、冷戦と新しい国際的な場が帝国の終わりと新興国家の立場をどう形づくったかに注目する。
第6章:Ideas and Programs(思想と綱領)
脱植民地化の思想史を概観する。ガンディー、マーカス・ガーヴィー、エメ・セゼール、レオポール・サンゴール、ジョモ・ケニヤッタ、ホー・チ・ミン、フランツ・ファノンからエドワード・サイードまでの人物と、反植民地主義の思想家たちが独立国家と共通の「第三世界」のアイデンティティをどのように構想したかを扱う。章の最後では、ポストコロニアル理論と、脱植民地化からより直接に生まれた思想とを区別する。
第7章:Legacies and Memories(遺産と記憶)
短い最終章(171ページから)は、帝国の終わりの意味と、それが新しい国家にも旧宗主国にも落とし続ける長い影について考察する。
主要概念
第1–3章:脱植民地化を定義し、叙述する
- 瞬間と過程:日付のある主権移譲としての脱植民地化と、規範や制度のより長い変容としての脱植民地化。
- 帝国の正統性の喪失:服従の関係として経験される支配が受け入れられなくなった世界的な転換。
- 後期植民地主義:大戦間と1945年以後に宗主国が試みた改革と新たな支配の形。
- 主権への道:交渉によるものであれ暴力によるものであれ、領域が国家となったさまざまな経路。
第4–7章:帰結
- 程度の問題としての経済的脱植民地化:植民地支配のもとで作られた経済構造の持続。
- 東西と南北:本書が脱植民地化を世界政治の中に位置づけるために用いる二つの対立軸。
- 反植民地主義の思想:独立を思い描けるものにし、新しい国家を形づくった思想と綱領。
- 遺産と記憶:帝国の終わりが旧植民地と旧宗主国に与え続ける影響。
批判的分析
長所
- 分析的・比較的な設計。 帝国ごとではなく問題ごとに組み立てることで、各主題の中で異なる帝国の事例を比較できる。ピアソンはその射程を見事だとし、個々の物語と学術的論争のあいだを巧みに行き来していると評価する。クリシャン・クマーは Times Literary Supplement で、簡潔で明快な説明を求める人にとってまず読むべき本だと推薦している。
- 学生自身の研究のための道具。 第1章の問いと説明モデルは、どの事例にも当てはめられる枠組みを学生に与える。ピアソンは、これが研究を始める上級学部生や大学院生に特に役立つと見ている。
- 政治を超えた広がり。 経済、世界政治、思想の章が、脱植民地化を独立の瞬間の先まで追う。ジョン・M・マッケンジーは Journal of Imperial and Commonwealth History で、アプローチの思慮深さと、凝縮された豊かな発想を称賛している。
- 新しい枠組み。 コリンズは、本書が脱植民地化を世界大戦と地球規模の冷戦の文脈に置く最近の学術的論争を取り入れていると指摘する。Choiceは簡潔できわめて読みやすい概説と評している。
短所
- 初学者には密度が高い箇所がある。 コリンズは、第2章が少ないページに多くの展開と史学史的な論争を詰め込みすぎており、一般の読者を混乱させかねないと見ている。
- 側面ごとの扱いの不均衡。 コリンズはまた、叙述的な章が制度的な政治変化に集中し、経済的・文化的な側面は主に後半の主題別の章に回されていること、そしてそこでのいくつかの知見(経済的な断絶が限られていたことなど)が、植民地イデオロギーの拒絶という本書の議論とうまくかみ合わないことも指摘している。
- 個別事例の叙述は少ない。 本書は地域別ではなく分析的なので、特定の植民地や帝国の物語を必要とする読者は別の本を探す必要がある。
コースにおける位置づけ
本書はこのコースで、帝国の終わりそのものを扱う簡潔な入門書である。スティーヴン・ハウの Empire: A Very Short Introduction は、帝国とは何か、どのように興り滅びたかについての、より短く幅広い入門書である。一般的な概念をつかむためにまずハウを読み、20世紀の終わり方についてヤンセンとオスターハメルを読むとよい。ピアソンは、本書が脱植民地化に対して果たす役割を、ジェーン・バーバンクとフレデリック・クーパーの Empires in World History が帝国に対して果たした役割になぞらえている。同じくこのコースにあるバーバンクとクーパーの本は、20世紀の崩壊を2000年にわたる帝国の歴史に対置する長大な比較史である。
個別の事例をさらに深めるには、ジョン・ダーウィンの The Empire Project がイギリスの世界システムと1945年以後のその解体についての大規模な研究であり、フレデリック・クーパーの Africa since 1940 はアフリカにおける脱植民地化とポストコロニアル国家を追い、バーバラ・メトカーフとトマス・メトカーフの A Concise History of Modern India は第3章の出発点となる南アジアの物語を語る。
本書の使い方
本書は20世紀史についてある程度の知識をもつ学生に向いているが、それがなくても読める。実践的な計画:
- 中心: 第1–3章(約120ページ)が定義、年代、独立への主な道を示す。第1章は丁寧に読み、その問いのリストを手元に置いておく。
- 主題別の章: 第4–6章は好きな順で読んでも、ゼミの各グループに割り当ててもよい。第7章は短い結論である。
- 事例研究: 第1章の問いと五つの説明をひとつの領域に当てはめ(いずれも第3章で論じられるインド、アルジェリア、コンゴが適している)、短い比較のレポートを書く。
- 本書と並行して: ピアソンは、トッド・シェパードの Voices of Decolonization のような一次史料集と組み合わせることを勧めている。地域研究を選ぶには精選文献を使う。
