01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Archer, K. (2013). The City: The Basics. Routledge.
章の要約
本書はRoutledgeの短い入門書シリーズ「The Basics」の一冊で、約220ページ。全10章と、約15ページの用語集、索引からなる。出版社は、文献案内、おすすめのウェブサイト、いくつかの地図と図版が収められていると記している。章は大きく二つに分かれる。第2–4章は都市の歴史を順にたどり、第5–9章は都市の一つの側面を1章ずつ取り上げる。短い冒頭章と短い終章が全体を枠づけている。出版社によれば、本書は全体を通して、豊かなグローバル・ノースの都市と、より貧しいグローバル・サウスの都市の発展を比較している。
第1章:Cities and City Life(都市と都市生活)
約10ページの短い冒頭章で、研究対象としての都市と都市生活の経験を紹介し、本書の残りの部分で展開されるテーマを準備する。
第2–4章:Cities as the Source of Civilization(文明の源としての都市);From Trading to Industrial Cities(交易都市から工業都市へ);From Industrial to Post-Industrial Cities(工業都市から脱工業都市へ)
合わせて約70ページの歴史の中核部分で、出版社はこれを古代からポストモダンの現在までの都市の簡潔な歴史と説明している。章題がその順序を示している。最初期の都市と文明との結びつき、交易都市の興隆と工業によるその変容、そして工業都市から脱工業都市への移行である。Google Booksの書誌に挙げられている本書の頻出語も、この流れに合っている。古代・古典期の都市、商業都市と商人文化、ルネサンス、産業革命、工場、フォード主義的生産、脱工業都市などである。
第5–6章:City Economics(都市の経済);City Politics(都市の政治)
それぞれ20ページ強の2章で、都市がどのように生計を立て、どのように統治されているかを扱う。出版社の挙げる話題には、都市政治と、北の「グローバル都市」と南の「メガシティ」の対比が含まれ、頻出語にはグローバル都市、メガシティ、首位都市、競争、新自由主義的政策、都市エリートなどがある。
第7章:City Culture(都市の文化)
都市の文化的な生活を扱う約20ページの章。頻出語には都市文化、移民、近隣地区がある。
第8–9章:City Environment(都市の環境);City Planning(都市計画)
第8章は環境を扱う。出版社は、都市生活が環境に与える影響と持続可能な都市という考え方を本書の話題に挙げており、「エコロジカル・フットプリント」も頻出語の一つである。約25ページと主題別の章の中で最も長い第9章は都市計画を扱う。田園都市の理念も頻出語に含まれている。
第10章:City Futures(都市の未来)
10ページに満たない短い終章で、都市の今後の見通しに目を向ける。
主要概念
第2–4章:都市の歴史
- 都市の起源:最初の都市と文明の誕生との結びつき。
- 交易都市と商業都市:工業化以前に商業によって成長した都市。
- 工業都市と脱工業都市:工場と大量生産の都市と、その衰退の後に現れた都市。
第5–7章:経済、政治、文化
- グローバル都市とメガシティ:出版社が強調する、グローバル・ノースの支配的な都市と、グローバル・サウスの巨大で急成長する都市との区別。
- 首位都市:その国の都市体系の中で、他のどの都市よりもはるかに大きい都市。
- 都市の政治:都市の政府とエリートが都市をどう形づくるか。
第8–10章:環境、計画、未来
- エコロジカル・フットプリント:都市が自らの境界を越えて環境に求める負荷。
- 持続可能な都市:都市生活の環境への影響を減らそうとする考え方。
- 田園都市の理念:都市と農村を結びつけようとした計画のモデル。
批判的分析
長所
- 明快な二部構成。 まず歴史(第2–4章)、次に1章1テーマ(第5–9章)という構成なので、読者は都市の歩みを順に追うことも、政治や計画といった話題に直接進むこともできる。
- 北と南を一緒に扱う。 出版社は、本書がグローバル都市とメガシティの対比を含め、グローバル・ノースとグローバル・サウスの都市の発展を比較している点を強調している。西洋以外の都市を別の主題として切り離すことはしていない。
- 学際的な範囲。 経済、政治、文化、環境の視点がそれぞれ1章ずつ与えられている。出版社が引用するオハイオ州立大学のBernadette Hanlonは、本書が広く複雑で学際的な主題を、どのレベルの学生も何か新しいことを学べるような形で扱っていると述べている。
- 初学者への支援。 約15ページの用語集、文献案内、おすすめのウェブサイトは、初めて都市研究に触れる学生に向いている。
短所
- 簡潔さ。 歴史全体と主要なテーマのすべてに本文約200ページしかないため、各話題はおよそ20ページずつである。本書は概観であり、本格的な都市地理学の教科書の代わりにはならない。
- 刊行年。 2013年刊行のため、より新しいデータや議論以前の本である。おすすめのウェブサイトも変わっている可能性があり、文献案内は現在の資料と照らし合わせる必要がある。
コースにおける位置づけ
Archerの本は、このコースの最初の読み物として、特に地理学や都市研究の予備知識がない学生に適している。HallとBarrettの『Urban Geography』は、さまざまな地域の事例を通して都市の発展、形態、ガバナンス、交通を扱う、より本格的な入門教科書である。Archerの主題別の章は、その対応する部分の予習として読むことができる。Pacioneの『Urban Geography: A Global Perspective』は、Archerと同じく先進国とグローバル・サウスの両方の都市を意図的に扱う、はるかに大部の体系的な教科書で、深く学ぶための自然な行き先である。
Latham、McCormack、McNamara、McNeillの『Key Concepts in Urban Geography』は、中心性、グローバル都市、セグリゲーション、公共空間などの概念についての短いエッセイ集で、すでに全体像をつかんでいる学生向けである。Archerの後に読むとよい。David Harveyの『Social Justice and the City』はマルクス主義都市地理学の基礎となる著作で、後の学習のための一次文献である。Levyの『Contemporary Urban Planning』は、主に米国を中心に、第9章が扱える範囲をはるかに超えて都市計画の実務を展開している。
本書の使い方
本書は、地理学、社会学、都市計画、および関連分野の1年生と一般読者に向いており、予備知識は前提としない。実践的な読み方:
- 第1–4章は順番に読む。 歴史の章は互いに積み重なっており、主題別の章が拠り所とする背景を与える。
- 第5–9章は授業の話題に合わせて読む。 「都市の経済」と「都市の政治」は都市経済とガバナンスの講義に、「都市の文化」は社会・文化地理学に、「都市の環境」と「都市計画」は持続可能性と計画の回に合わせる。
- 最後に第10章を、 都市の未来についての短い考察として読む。
- 用語集で語彙を増やす。 首位都市、メガシティ、エコロジカル・フットプリントなどの用語が出てきたら書き留め、用語集で確認する。
- 各章を実際の場所に当てはめる。 主題別の章を読み終えるたびに、その考え方をグローバル・ノースの都市一つとグローバル・サウスの都市一つで試してみる。その際は2013年の数値ではなく、最新のデータを使う。
関心のある話題については、より本格的な教科書と文献案内で学びを続けるとよい。
