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Population Geography: Tools and Issues(人口地理学:手法と論点) cover

地理学

地理学

Population Geography: Tools and Issues(人口地理学:手法と論点)

K. Bruce Newbold

英語原題: Population Geography: Tools and Issues

地理学者が人口をどのように記述し説明するかを扱う入門教科書です。人口統計の基本的な測定手法と、出生、死亡、移動、都市化、人口政策といった実質的な論点を対にして示し、人口変動が場所やスケールによってどのように異なって現れるかを説明します。

前提知識: 人口学や統計学の予備知識は不要ですが、人文地理学の入門科目を履修していると役立ちます。

難易度レベル
初級
学術レベル
学部
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01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Newbold, K. B. (2026). Population Geography: Tools and Issues (5th ed.). Bloomsbury Academic.

章の要約

第5版はフルカラーの学部生向け教科書で、約300ページである。番号の付いた11章を序論と結論が挟み、その後に注、主要用語・略語の用語集、人口関連ウェブサイトの一覧、索引が続く。順序は、人口の規模と測定から、人口変動の構成要素(出生、死亡、移動)を経て、都市、政策、そして人口増加と開発・資源の関係へと進む。出版社によれば、各章は学習目標で始まり、学習用の問いで終わる。現在の問題を扱う「フォーカス」欄と、人口に関する問いにどう取り組むかを示す「方法・指標・ツール」欄もある。この版の新しい点は、COVID-19が死亡、出生、移動のパターンに与えた影響、米国以外の事例の拡充、そして傾向と政策の更新である。

序論:人口地理学入門

人口地理学を、地理的な視点から人口を研究する分野として紹介する。

第1章:世界人口

世界の人口の規模と増加の最初の概観で、以降の章がこれを構成要素と地域に分解していく。

第2章:人口データ

以降の章が拠って立つ人口情報の出所を扱う。データを実質的な章の前に置くことで、付録ではなく土台として位置づけている。

第3章:人口の分布と構成

人々がどこに住み、人口がどのように構成されているかを扱い、地域や尺度を超えた比較の記述的な基礎となる。

第4–5章:出生力;死亡

人口変動の自然的な構成要素、すなわち出生と死亡についての2章。COVID-19に関する新しい内容は出生と死亡の両方に関わる。

第6–8章:国内移動;国際移動の流れ:移民とトランスナショナルな移住者;難民と国内避難民

移動には3章が割かれる。国内での移動、移民とトランスナショナルな移住者の国際的な流れ、そして国境を越える(難民)あるいは国内にとどまる(国内避難民)強制的な移動である。

第9章:都市

移動の章に続いて都市に1章があてられ、人口変動の構成要素から、現在世界の大半の人が住む都市的な環境へと焦点が移る。

第10章:人口政策

政府が人口にどう影響を及ぼそうとするかを扱い、そうした政策が対象とする過程を論じた章の後に置かれている。

第11章:人口増加:経済発展、資源の希少性、食料安全保障との関連

最後の番号付きの章で、人口増加を経済発展、資源の希少性、食料安全保障に結びつける。

結論:人口地理学を実践する

この分野の内容から、その実践へと目を向ける締めくくりの節。

主要概念

序論と第1–3章:分野とその道具

  • 人口地理学:場所と尺度に注意を払いながら、人口の規模、構成、分布、変動を研究する学問。
  • 人口データ:人口を測定するための情報源。
  • 分布と構成:人口がどこに住み、どのように構成されているか。

第4–8章:変動の構成要素

  • 出生力と死亡:出生と死亡、人口変動の自然的な構成要素。
  • 国内移動:国境内での移動。
  • トランスナショナルな移住者:国境をまたいでつながりを保つ国際移住者で、第7章では移民とは別に名指しされる。
  • 難民と国内避難民:国境を越えて、あるいは国内で移動を強いられた人々。

第9–11章と結論:応用と議論

  • 人口政策:人口の過程に影響を及ぼすための政府の意図的な行動。
  • 人口増加と開発:人口変化と開発、資源の希少性、食料安全保障との関係。

批判的分析

長所

  • 道具と問題を併せて扱う。 副題と出版社の説明が示すとおり、本書は人口を記述し理解するための技法を学生に身につけさせる。データは冒頭近くに独立した章をもち、「方法・指標・ツール」欄が技法を常に視野に入れている。
  • 移動の充実した扱い。 11章のうち3章が移動を扱い、難民と国内避難民の独立した章も含む。移動が中心になる地理学のコースに合う。著者の研究関心には国内移動、移民、人口と健康が含まれる。
  • 学習支援が組み込まれている。 学習目標、問い、フォーカス欄、用語集、人口関連ウェブサイト一覧が、学生と教員にゼミ用の素材を与える。
  • 最近の出来事に対応した更新。 第5版はCOVID-19が死亡、出生、移動に及ぼした影響を加え、米国以外の事例を広げ、傾向と政策を更新した。

短所

  • 形式的というより入門的。 本書は幅広い概観の中で人口分析の道具を紹介するもので、生命表、人口推計、形式的モデルを深く学びたい学生は専門の人口学の教科書が必要になる。
  • 広い分野に対して適度な分量。 約300ページで、都市と政策がそれぞれ1章ずつであるため、専門的な話題の扱いは短い。
  • 章立ては前の版と同じ。 章題は第4版から変わっておらず、新しい内容は新しい章ではなく既存の章の中に入る。古い版を使う学生は、章の一覧を更新箇所の目安にできる。

コースにおける位置づけ

Newboldは、このコースの人口地理学の教科書であり、人口に関する前半の自然な中心教材である。KoserのInternational Migration: A Very Short Introductionははるかに短く、政策志向の国際移動入門で、第6–8章の前に読むとよい。Weeks and López-CarrのPopulation: An Introduction to Concepts and Issuesは、人口転換を軸に構成された大きめの人口研究の教科書で、地理学ではなく人口学を出発点として似た過程を扱う。

移動をさらに深く学ぶには、de Haas, Castles and MillerのThe Age of Migrationが理論と地域別の記述で国際移動を概観し、Massey らのWorlds in Motionが移動の諸理論を総合し検証する。Preston, Heuveline and GuillotのDemographyは、Newboldが紹介する道具の背後にある形式的な測定とモデル化を知りたい学生のための、大学院レベルの方法論の教科書である。

本書の使い方

対象は学部生で、人口学や統計学の事前の学習は要らない。人文地理学入門を学んでいると、場所と尺度を通じて人口を扱う本書に入りやすい。

1学期の授業の進め方の例:まず序論と第1–3章を読む。後の「方法・指標・ツール」欄はデータの章を土台にするので、第2章は飛ばさない。第4章と第5章は、変動の二つの自然的な構成要素として併せて読む。次に移動の第6–8章を読み、Koserの小冊子と組み合わせてもよい。最後に第9–11章と結論を読み、人口の過程を都市、政策、開発をめぐる議論に結びつける。

「方法・指標・ツール」欄には積極的に取り組み、各章で少なくとも一つの指標を、関心のある国や地域の最新のデータ(例えば国の統計機関や国連のもの)で再現する。フォーカス欄と学習用の問いはゼミの話題に用いる。