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Geosystems: An Introduction to Physical Geography(ジオシステムズ:自然地理学入門) cover

地理学

地理学

Geosystems: An Introduction to Physical Geography(ジオシステムズ:自然地理学入門)

Robert W. Christopherson; Ginger H. Birkeland

英語原題: Geosystems: An Introduction to Physical Geography

地球環境を相互に作用し合う一連のシステムとして説明する、包括的な自然地理学の教科書である。大気圏、水圏、岩石圏、生物圏を軸に構成され、プロセスの説明に地図、衛星画像、最新の事例を組み合わせ、人間活動の影響と気候変動に一貫して注意を払っている。

前提知識: 大学レベルの理科の知識は前提としないが、高校程度の理科と簡単な計算のための基本的な算数があると役立つ。

難易度レベル
中級
学術レベル
学部
physical geographyearth systemsclimategeomorphologybiogeography教科書

01 / 読書ガイド

読書ガイド

引用

Christopherson, R. W., & Birkeland, G. H. (2026). Geosystems: An Introduction to Physical Geography (11th ed.). Pearson.

章の要約

第11版は20章を4つの部に分け、その前に導入の章を置き、後ろに3つの付録を付けた構成である。出版社は全体の方針を、大気圏・水圏・岩石圏・生物圏という「地球システムの主題を自然に現れる順に」扱うものと説明している。

第1章:地理学の基本(Essentials of Geography)

冒頭の章は4つの部のいずれにも属さない。題名からは、この分野の基本事項への導入であることがわかり、地図を使う作業には付録A(「本書の地図と地形図」)が自然な補助になる。

第I部 第2–5章:地球へのエネルギーと季節/地球の大気/大気のエネルギーと世界の気温/大気と海洋の循環

「エネルギー・大気システム」は、太陽エネルギーと季節から始まり、大気、エネルギーと気温の世界的な分布、空気と海水の循環へと進む。出版社はこの部で新しい2つのフォーカス・スタディを挙げている。季節パターンの変化と北極のカリブー(第2章)、気候変動下の米国の大気汚染(第3章)である。

第II部 第6–10章:水と大気中の水分/天気/水資源/地球の気候区/気候変動

「水・天気・気候システム」は、大気中の水分、天気、資源としての水を順に扱い、そのあとで気候区と気候変動に進む。付録B「ケッペンの気候区分」は気候区の章と併せて使える。

第III部 第11–17章:動的な惑星/テクトニクス、地震、火山活動/風化、カルスト地形、マスムーブメント/河川システム/風成作用と乾燥地形/海洋と沿岸システム/氷河地形と雪氷圏

「地球と大気の境界面」は、地形を扱う本書の後半部分である。惑星内部の動き、テクトニクス、地震、火山活動から入り、続いて地表のプロセスを順に取り上げる。風化とマスムーブメント、河川、風と乾燥地、海洋と海岸、氷である。出版社が挙げる新しいフォーカス・スタディには、デスバレーのレーストラック・プラヤで動く岩(第15章)と南極の棚氷(第17章)がある。

第IV部 第18–20章:土壌の地理/生態系の基本/陸上バイオーム

「土壌、生態系、バイオーム」は、土壌から始まり、生態系の基本的な仕組み、主要な陸上バイオームへと進んで全体を締めくくる。地球システムのうち生命にかかわる部分が最後に置かれている。

付録

付録Aは地図と地形図、付録Bはケッペンの気候区分、付録Cはよく使う換算を扱う。

主要概念

第1–5章:地理学の基本とエネルギー・大気システム

  • 地球システム:本書の組織原理で、大気圏・水圏・岩石圏・生物圏を、1つの惑星の中で相互に作用する部分として捉える。
  • 季節:太陽エネルギーが地球に届くしくみから生じるもので、導入の章のあとの最初の主題である。
  • 大気と海洋の循環:空気と水の動きで、エネルギーを再配分し、世界の気温分布を形づくる。

第6–10章:水・天気・気候

  • 水資源:水の供給・利用・管理を、独立した主題として扱う。
  • 気候区とケッペンの区分:場所を気候によってグループ分けする分類で、本書には専用の付録がある。
  • 気候変動:第II部の最後の章の主題で、天気と気候区の章のあとに置かれている。

第11–17章:地球と大気の境界面

  • プレートテクトニクス:地震と火山活動を説明する理論で、「動的な惑星」の章を通して導入される。
  • 風化、カルスト、マスムーブメント:岩石の破砕と分解、溶食によってできる地形、そして物質の斜面下方への移動。
  • 風成作用:風が行う地形形成の働きで、乾燥地形と結びついている。
  • 雪氷圏:氷河や棚氷を含む、地球システムの凍結した部分。

第18–20章:土壌・生態系・バイオーム

  • 土壌:土壌タイプの地理的な分布で、岩石・気候・生命をつなぐ要素である。
  • 生態系:エネルギーと物質が生物と非生物の構成要素のあいだをどのように移動するか。
  • バイオーム:気候によって形づくられる、大規模な陸上の生物群集。

批判的分析

長所

  • 全体を貫くシステムの枠組み。 出版社は、各章の冒頭に置かれたシステム図を本書の特徴として紹介しており、この版では各章の末尾に、そのシステム図をまとめさせる「地球システムのつながり」(Earth Systems Connections)の問いが加わった。相互作用するシステムという考え方が、序論だけでなく本書の構造の中で繰り返し強化される。
  • 充実した学習活動。 出版社は、各節末の「Work It Out」(概念的推論または定量的推論として位置づけられる)、NASA・USGS・NOAAなどのオンラインデータを使う地理空間分析の演習、インタラクティブな地図作業を挙げている。各章の終わりには、要約と重要語を収めた「重要な学習概念の復習」がある。
  • 必要な箇所での応用的な深み。 21件の更新または新規のフォーカス・スタディが選ばれた主題を掘り下げ、各章は「Geosystems Now」の事例で始まる。「ヒューマン・デノミネーター」の欄は、人間の活動と自然のシステムを明示的に結びつける。
  • 実際の地図作業の支援。 地図、地形図、ケッペンの区分、単位換算の付録は、実習や野外作業を含む授業に向いている。

短所

  • 範囲が非常に広い。 20章が大気、水、地形、土壌、生態系を扱う。1学期ですべてを各章の深さで扱うことはできないため、教員や読者が取捨選択する必要がある。
  • 学習設計の一部がプラットフォームに依存している。 インタラクティブな地図作業はMastering Geographyの学習エリアにあるMapMaster 3の地図を使い、出版社が挙げるメディア(アニメーション、動画、Google Earthの探究)もそのプラットフォームに属する。紙の本だけの読者にはこの部分が欠ける。
  • 自然地理が中心。 目次には人口、居住、経済活動の章がない。人間の影響は「ヒューマン・デノミネーター」などの欄と気候変動の章を通して扱われるため、人文地理には別の教科書が必要である。

コースにおける位置づけ

このコースの書目の中で、Geosystems は自然地理の通年の授業に向く、本格的な中心教科書である。Alan Strahler の Introducing Physical Geography は、理系の背景が乏しい学生向けの、図解を生かした入門的な概観と説明されており、Jeremy Patrich の Physical Geography(College of the Canyons)は、地球システム、気候、地形、水文、生物地理を含む総合的な入門書とされている。どちらも、より軽い最初の1冊として使える。

Smithson、Addison、Atkinson の Fundamentals of the Physical Environment は、同じ4つの圏を1年次向けの概観よりも深く扱うものとして位置づけられており、2冊目のより詳しい本に向く。Dennis Hartmann の Global Physical Climatology はエネルギー収支と放射伝達から出発する定量的な気候物理の教科書で、入門の授業のあとに気候を専門にしたい学生に向いている。

本書の使い方

出版社は Geosystems を「自然地理の授業のための」教科書とだけ紹介し、前提知識は示していない。このことから、初めて自然地理を通年で学ぶ学生が想定されていると考えられる。実用的な読み方は順に読むことである。各部がエネルギーから大気、水と気候、地形、そして生命へと進むからだ。

  • 多くの授業で核となる部分: 第1章、第I部(第2–5章)、第II部の最初の2章(第6–7章)。後の章で使うエネルギーと循環の考え方がここで示される。
  • 重点に応じて選ぶ: 気候を重視する授業は第8–10章と付録Bを加える。地形を重視する授業は第III部に時間をかける。環境系の授業は第8章(水資源)、第10章、第IV部が必要になる。
  • 活動を活用する: 各節を読み終えるたびに「Work It Out」の問いに取り組む。「地球システムのつながり」の問いに答えて、章のシステム図を自分で描き直せるか確かめる。地理空間分析の演習で実際のデータに触れる。
  • 付録を飛ばさない: 授業に地形図の作業があるなら付録Aを早めに読む。付録Bは第9章と一緒に読む。