01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
Hartmann, D. L. (2026). Global Physical Climatology (3rd ed.). Elsevier.
章の要約
第3版は13章からなり、著者のページによれば約549ページである。Elsevierは、本書を大気、海洋、陸面にまたがる気候と気候変動の科学を描き出すものと説明している。まず気候システムを詳しく紹介し、続いてその物理、すなわち大気・海洋・陸面の構造と気候を決める原理とプロセスを導入する。より進んだ節では、その知識を、現在および過去の自然変動、外部強制に対する気候の感度、氷期の説明、人為起源の気候変動の科学に応用する。過去の気候を理解し将来を予測するための物理原理と計算機モデルも論じられる。
第1章:気候システム入門
導入の章である。大気・海洋・陸面にまたがる気候システムを、後に続く物理の枠組みとして提示する。
第2–4章:地球規模のエネルギー収支/大気の放射伝達と気候/地表のエネルギー収支
エネルギーに関する3つの章である。地球規模のエネルギー収支に続いて、大気中の放射伝達とその気候における役割、そして地表でのエネルギー収支を扱う。本書の残りの物理的な土台となる。
第5章:水循環
気候システムを通る水の動きである水循環を、3つのエネルギーの章に続けて扱う。
第6–7章:大気大循環と気候/海洋大循環と気候
大規模な循環を扱う2つの章で、一方は大気、他方は海洋であり、それぞれが生み出す気候と結びつけられる。
第8章:季節内および年々の自然変動
数週間から数年の時間スケールでの自然変動を扱う章である。著者のページによれば、自然変動のモードに関する新しい章として第2版で追加され、第3版でも維持されている。
第9–10章:地球の気候の歴史と進化/気候の感度とフィードバック機構
第9章は地球の気候の歴史を、第10章は強制に対する気候の感度とフィードバック機構を扱う。これらは後続の章とともに、前の物理を応用する、本書のより進んだ部分に属する。
第11章:全球気候モデル
出版社が、過去の気候の理解と将来予測に必要だとする計算機モデルを紹介する。
第12–13章:自然の気候変化/人為起源の気候変化
本書は、氷期を含む自然の気候変化、続いて人間活動による気候変化で終わる。
主要概念
第1–5章:エネルギーと水
- 地球規模のエネルギー収支:入射と放出のエネルギーの収支で、惑星の温度を決める。
- 放射伝達:放射が大気を通過し吸収される仕組み。
- 地表のエネルギー収支:地表でのエネルギーのやり取り。
- 水循環:システムを巡る水の循環。
第6–8章:循環と変動
- 大循環:大気と海洋の大規模な流れのパターン。
- 季節内および年々の変動:数週間から数年にわたる自然の揺らぎ。
第9–13章:変化、感度、モデル
- 気候感度とフィードバック:強制に対して気候がどれほど強く応答し、何がそれを増幅または減衰させるか。
- 全球気候モデル:過去と将来の気候を調べるための数値モデル。
- 人為起源の気候変化:人間活動によって生じる気候変化。
批判的分析
長所
- まず物理、次に応用。 構成はエネルギー収支と放射伝達から、循環、変動、感度、モデル、変化へと進み、後の各章が前の結果を使えるようになっている。
- 1冊で広い範囲。 Elsevierは、大気、海洋、陸面、過去の気候、人為起源の変化を主題に挙げ、学習用の問題集と最新のデータ・モデル結果があることを述べている。
- 著者の専門性。 著者は米国科学アカデミー会員で、大気力学、放射、気候フィードバックを研究しており、これらの主題を中心に据えた教科書にふさわしい。
- 定評のある教科書。 本書は第3版で、旧版は1994年と2016年に刊行された。著者は旧版の訂正表と教員向け図版のページを維持している。
短所
- 前提知識。 Elsevierは、本書が少なくとも1年間の大学物理と微積分を履修した学生に適すると述べている。これらを持たない地理学の学生には難しい。
- 物理への焦点。 気候変動の人間的側面は章題に含まれていない。最後の章は人為起源の気候変化を科学として扱う。
- 長さと幅。 約549ページで広い範囲の内容を扱うため、1学期では章を選ぶ必要がある。
コースにおける位置づけ
本書は、自然地理学のコースにおける定量的な気候学の教科書である。『Introducing Physical Geography』と『Physical Geography』は科学の予備知識をほとんど必要としない入門的概説、『Geosystems』は地球のシステムを軸にした総合的な入門書、『Fundamentals of the Physical Environment』はより広いシステムのアプローチの中で複数の章を大気に充てている。Hartmannはエネルギー、放射、循環でこれらをはるかに超えており、気候を物理として扱いたい学生が、それらの1冊のあとに取る本である。
本書の使い方
気象学、大気科学、海洋学などの環境分野の上級学部生と大学院生、そして気候科学の物理的基礎を求める研究者や政策担当者向けに書かれている。前提は1年間の大学物理と微積分である。
エネルギー収支、放射、循環が土台なので、第7章までは順に読む。第8–11章は、変動、気候史、モデル化のどれに関心があるかに応じて選んで読める。第12–13章は気候変動を学ぶ人にとって自然な終着点である。問題集に取り組み、図版は著者の教員向け資料のページを利用する。
