01 / 読書ガイド
読書ガイド
引用
McGuire, W., Gallagher, R. H., & Ziemian, R. D. (2000). Matrix Structural Analysis (2nd ed.). John Wiley & Sons. Free electronic edition: https://digitalcommons.bucknell.edu/books/7/
章の要約
第2版は13章からなる。著者らの説明によれば、初版は実務で用いられるマトリックス構造解析の方法に適切な重点を置き、より高度な内容の土台を築くことを目指した。この大幅に改訂された第2版は、その後の20年間に実務で起きた変化を反映している。初等的な概念と比較的高度な内容の両方を扱い、約150の例題を含む。MASTAN2が付属し、これはMATLABに基づくプログラムで、構造のインタラクティブな定義、線形・非線形解析、結果の表示ができる。出版社の紹介文は、本書がマトリックス法による骨組の線形解析、その基礎にある弾性論、仮想仕事の原理、そして連立1次方程式の解法や拘束の扱いといった応用上の問題を扱うと付け加えている。
第1–3章:序論;定義と概念;全体解析方程式の構成
冒頭の章で、主題を紹介し、基本概念を定義し、構造全体の方程式がどのように組み立てられるかを示す。この方法が拠って立つ用語と枠組みを与える。
第4–5章:骨組の剛性解析 I;骨組の剛性解析 II
骨組に対するマトリックス剛性法の2章で、本書の線形解析の中核である。著者らのキーワードには、直接剛性法と有限要素法が含まれている。
第6–7章:仮想仕事の原理;骨組解析における仮想仕事の原理
仮想仕事の原理をまず一般的に展開し、次に骨組の解析に適用する。これらの章は、剛性法をそのエネルギー的な基礎に結びつける。
第8–10章、第12章:骨組の非線形解析入門;幾何学的非線形と弾性限界荷重解析;材料非線形解析;非線形つり合い方程式の解法
著者らは、非線形解析の入門が4つの章にわたると述べている。全般的な導入(第8章)、幾何学的非線形(第9章。弾性限界荷重解析も含む)、材料非線形(第10章)、非線形つり合い方程式の解法(第12章)である。
第11章:連立1次方程式の解法
マトリックス解析が生み出す連立1次方程式の解法を扱う章。
第13章:特殊な解析手順
最後の章は特殊な解析手順をまとめている。
主要概念
第1–7章:線形解析
- 全体解析方程式:部材の挙動から構成される構造全体の方程式。
- 骨組の剛性解析:骨組構造に対するマトリックス剛性法。
- 仮想仕事:剛性法の基礎にあるエネルギーの原理。
第8–13章:非線形解析と解法
- 幾何学的非線形と弾性限界荷重:骨組の挙動に対する2次効果と、骨組が安定性を失う荷重。
- 材料非線形:非弾性的な材料の挙動が解析に及ぼす影響。
- 非線形つり合い方程式の解法:非線形問題を解く数値的方法。
- 連立1次方程式の解法:あらゆる解析に含まれる計算の段階。
批判的分析
長所
- 無料で読める。 著者らは2015年1月に、第2版をBucknellのデジタルリポジトリから自由にダウンロードできるようにし、紙の本も入手できるので、費用が障害にならない。
- 線形解析と非線形解析が一冊に。 章は基本的な剛性法から幾何学的・材料的非線形と弾性安定性へ進むので、初等的な概念から高度な話題までこの分野をたどれる。
- 理論を適用するソフトウェア。 MASTAN2は本書の定式化に基づき、グラフィカルな構造定義、2次元・3次元の骨組とトラスの1次・2次、弾性・非弾性解析、結果の表示を提供する。
- 多くの例題。 約150の例題が、本文の重要な展開を適用する。
- 関連する経験を持つ著者。 著者には、以前の鉄骨構造の教科書の著者、有限要素法の先駆者、構造解析ソフトウェアの開発者が含まれる。
短所
- 構造解析の既習が前提。 本書は構造解析をすでに知っている読者向けで、著者らは内容を初等的なものから比較的高度なものまでと述べており、非線形の章は高度である。
- 構造解析の最初の科目ではない。 目次には古典的方法の入門の章がなく、本書はいきなりマトリックス法から始まる。
- 複数の刊行形態。 第2版は1999–2000年頃にWileyから出版され、2015年1月からは無料の電子版と印刷版が利用できるので、科目がどの版を挙げているかを確認すること。
コースにおける位置づけ
この土木・構造工学コースの中で、McGuire、Gallagher、Ziemianは、骨組のコンピュータ指向の解析に関する専門書にあたる。Hibbelerの Structural Analysis は静定・不静定構造の古典的方法と現代的方法を扱い、Megsonの Structural and Stress Analysis は材料力学と構造解析を一つにまとめ、エネルギー法、不静定構造、マトリックス法まで進む。いずれも本書が土台とする背景を与える。Gordonの Structures: Or Why Things Don't Fall Down とJi、Bell、Ellisの Understanding and Using Structural Concepts は、構造が荷重をどう支えるかについての、専門的でない、あるいは視覚的な入門書である。
Chopraの Dynamics of Structures は地震工学に至る構造動力学の教科書であり、二つの本は補い合う。構造の動的応答にはChopra、骨組のコンピュータプログラムが依拠する剛性解析と非線形の静的解析にはMcGuire、Gallagher、Ziemianが向いている。
本書の使い方
対象は、古典的な構造解析と基礎的な行列代数をすでに知っており、解析ソフトウェアが何をしているのかを理解したい、上級の学部生、大学院生、実務の構造技術者である。無料の電子版により、科目と並べて使いやすい。
実践的な進め方:
- 中核: 線形の剛性法には第1–5章。まず小さな骨組で例題を手計算で解く。
- 基礎: 科目が理論的であるか、有限要素法へ進むなら、仮想仕事の第6–7章。
- 発展: 幾何学的・材料的非線形と非線形方程式の解法には第8–10章と第12章。連立1次方程式の解法には第11章。
- ソフトウェア: MASTAN2をダウンロードして手計算の確認に使い、その後、より大きな骨組を解析する。
例題を飛ばさないこと。著者らは、本文の重要な展開をすべて適用するように設計している。
